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星夜航行 上巻
飯嶋 和一
『星夜航行』は、飯嶋和一が九年を費やして完成させた歴史小説で、第12回舟橋聖一文学賞を受賞しました。三河の馬飼いから徳川家に取り立てられた沢瀬甚五郎が、信康事件、堺・薩摩・博多・呂宋への流転、そして秀吉の朝鮮出兵に巻き込まれていく姿を通じて、権力に翻弄されても屈しない人間の良心を描きます。
火のないところに煙は
芦沢 央
怪談執筆の依頼を受けた作家が、かつて体験した凄惨な記憶と向き合い、神楽坂を舞台にした不可解な事件を小説として追う連作ミステリ。実話めいた語り口で怪異と犯罪の境界を曖昧にしながら、最後にひとつの恐ろしい真相へ読者を導く。
わたしと いろんなねこ
おくはらゆめ
小学三年生のあやが、けんかやすれ違いで心細さを抱えるなか、家に現れる大きなねこや小さなねこと出会う童話。日常とふしぎのあわいを行き来しながら、思い出や決心が少しずつ形になっていく。
別れ際にじゃあのなんて、悲しいこと言うなや
黒瀬 陽
広島の中学二年生の少年が、冴えない仲間たちと過ごしながら、モテたい、格好よくなりたいという焦りに振り回される。タイ人の同級生クルンとの友情を軸に、ばかばかしくも切実な思春期を描く。
ピンポンラバー (ガガガ文庫 た 8-1)
谷山 走太, みっつばー
ピンポンラバーは、谷山走太による受賞作。刊行情報と賞データを照合して整理した作品で、人物の選択や時代・場所の空気を通じて、読後に残る問いを描く。
折紙堂来客帖 折り紙の思ひ出、紐解きます。 (富士見L文庫)
路生 よる, pon-marsh
折り紙専門店を舞台に、折り紙に託された思い出や悩みをほどいていく富士見L文庫のやさしい謎解き小説。受賞時の『折紙堂の青目鬼 -折り紙あやかし事件帖-』は、刊行時に『折紙堂来客帖 折り紙の思ひ出、紐解きます。』として文庫化された。
勇者保険のご加入はブレイヴカンパニーへ! (GA文庫)
冬空 こうじ, 白蘇 ふぁみ
冒険者向け保険を扱う小さな会社を舞台に、契約者の安否確認や遺品回収に向かう調査員ヒカゲと、修行として送り込まれた世間知らずの姫が騒動を起こす異世界ファンタジー。勇者の冒険を保険業務の側から描く発想が特徴。
神様の住所
九螺ささら
九螺ささらの初著書である『神様の住所』は、短歌と自己解説を組み合わせ、日常の感覚、夢、宇宙、身体、言葉遊びを往復する作品集である。短い歌を手がかりに、作者自身の発想の回路を開いて見せるような構成で、短歌を読む楽しさを散文のリズムでも伝えている。
帰れぬ人びと (講談社文芸文庫 さS 1)
鷺沢 萠
父が女性と暮らす家へ続く川べりの道を、ひとり歩く少年を描いた最初期作品集の表題作。大人になる直前の老成や、帰るべき場所を持たない喪失感が、静かな筆致のなかで立ち上がる。