Japanese Literary Awards

← Back to awarded works
釋迢空ノート

Mainichi Publishing Culture Award

釋迢空ノート

Tomioka Taeko

釋迢空ノート is a work by 富岡多恵子 recognized by the 毎日出版文化賞. It is introduced here as the prize-winning work itself, with the available publication data checked against Japanese bibliographic sources.

評論・ノンフィクションPrize-winning workModern Japanese literature

Work Information

釋迢空ノート brought wider attention to 富岡多恵子's writing through its prize recognition.

釋迢空ノート is a work by 富岡多恵子 recognized by the 毎日出版文化賞. It is introduced here as the prize-winning work itself, with the available publication data checked against Japanese bibliographic sources. A Japanese book edition or collected volume can be identified, so the identifiers refer to the work as published in book form.

Review Summaries

  • The publication form and prize history position the work as a clear expression of the author's range. In shorter forms, its compressed language stands out; in fiction and nonfiction, the appeal lies in how directly it approaches its subject.

Book Information

Publisher
岩波書店
Published
2000-10-25
Pages
345 pages
Language
日本語
ISBN-13
9784000233484
ISBN-10
4000233483
Price
785 JPY
Category
本/文学・評論

折口信夫が,作歌に添えた筆名は戒名であった.この巨人は自らの何を葬ることで詩人となったのか.出自と形成にまつわる謎に迫る.歌と小説に耳をすまし,見え隠れしながらついに書かれずにしまった人物を追う.虚と実,学問と創作,短詩型と自由律の狭間で折口が生きた難問とは,日本近代を襲った解き難い逆説の1つであった.

Reviews

  • きれいでした。

    とくにありません。

  • 釋超空の謎に迫る

    1998年から雑誌「世界」に不定期に連載していたもの。ノート①からノート⑩までを収録。物語ではないからノートは今後も続ける意志があるようだ。ノート①は「法名」(戒名)に拘る。著者の疑問は「折口信夫が『釋超空』の由来を封印し、生涯を通じそれへの言及を避けたのは何故」、「超空」命名の秘事のせまり、推測に辿り着く。釋超空と言う名の、現存資料での初出は23歳で、その頃の行状を探る。関連して家庭の状況や戸籍内容にも踏み込む。ノート②は「歌集」。短歌に対する見識をアララギ時代の茂吉との悶着を通じて解き明かす。超空は大正12年の大震のあと「荒涼たる焼け原に立って、旧様式の詠嘆をはがゆく思う」のだった。ノート③は「恋」。『海やまのあいだ』の巻頭の歌は「かの子らや われに知られぬ妻とりて、・・・」の中学校での教え子伊勢清志への熱い思いであるが、著者は明治38年(国学院入学の年)に創られた膨大な歌の中に生涯語ることのなかった決定的な「恋」があっと推測する。ノート④「巡礼」、ノート⑤「旅」。小説『口ぶえ』の主人公の相手「渥美泰造」を中学時代のアコガレの君であった「辰馬桂二」だと断定する通説に断固異議を唱える。中学の教師時代の愛おしい生徒をともなって旅をするが超空の想いは、かつての『ひとり旅』で遭遇したに違いない人への狂おしい程の熱愛であった。が、それらの歌は全て歌集から削除されたと指摘。ノート⑥「母」、ノート⑦「大阪」。母や兄たちからよそ者扱いされたり母が生母と異なるように読みとれる歌などを抽出、大阪者の表現の巧拙を同地で育った宇野浩二と対比。以下ノート⑧「父と子」、ノート⑨「死者」、ノート⑩「短歌の宿命」の項目で人間超空に迫る。

  • 釈迢空を10の観点から照射

    謎多きこの歌人・民俗学者を執拗に追究している。 1法名(釋超空は単なる筆名ではなく) 2歌集(生前五冊の歌集を上梓) 3恋(相手は男か) 4順礼(13歳の時、大和一泊旅行である男との出会い) 5旅(連作「奥熊野」は歌集『海やまのあいだ』に) 6母(くぐもる声で屈折している) 7大阪(好きだけれど説明できず黙っている) 8父と子(養子藤井春洋硫黄島で戦死) 9死者(小説『死者の書』は藤無染の供養として) 10短歌の宿命(詩人超空は現代にあって「短歌」に納得していない) 以上、著者の推察・推論には見るべき鋭さがある(雅)

  • 「うすきびの悪い」男の一生

    たくさんの若い男を家の中に住まわせ、彼らと性的な関係を持ちながら古代の世界に生きようとした「うすきびの悪い」男の一生。いまの時代だったら、あるいはあの時代にあっても、いつ刑務所にぶち込まれてもおかしくないような生活である。本書を読めば、人間、やろうと思えばなんでもやれると思えてもくるし、偉い先生の同性愛だったからこそ見逃されたとも言える。いずれにしてもそれは見事な一生であった。

Related Literary Awards