化け者心中
An unusual historical novel set in a Bakumatsu-era kabuki theater, combining a hunt for a demon with the burden of actors' lives.
Work Information
The boundary between demon and human wavers behind the stage.
Verified as the 2020 hardcover from KADOKAWA. The novel won the 11th Shosetsu Yasei Jidai Newcomer Award and was also selected for the 27th Nakayama Gishu Literary Award.
Review Summaries
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The layering of theater and the supernatural is vivid, and the book is valued for rendering the world of Edo performance with striking immediacy.
Book Information
- Publisher
- KADOKAWA
- Published
- 2020-10-30
- Pages
- 288 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 13.6 x 2 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784041099858
- ISBN-10
- 4041099854
- Price
- 573 JPY
- Category
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
その所業、人か、鬼か――規格外の熱量を孕む小説野性時代新人賞受賞作! その所業、人か、鬼か――規格外の熱量を孕む小説野性時代新人賞受賞作! 江戸は文政年間。足を失い絶望の底にありながらも毒舌を吐く元役者と、彼の足がわりとなる心優しき鳥屋。この風変りなバディが、鬼の正体暴きに乗り出して――。 「あたかも江戸時代をひらひらと自在に泳ぎまわりながら書いているような文章。こんなにぴちぴちした江戸時代、人生で初めて読んだのである。脱帽!!」(森見登美彦氏) 「早くもシリーズ化希望!」(辻村深月氏) 「作品の命というべきものが吹き込まれている」(冲方丁氏) と、選考委員全会一致の圧倒的評価。 傾奇者たちが芸の道に身をやつし命を燃やし尽くす苛烈な生きざまを圧倒的筆致であぶりだした破格のデビュー作!! ■「大傑作!!江戸という時代と場所、芝居の世界のバーチャル体験として見事」(ライター 吉田大助) ■「現代の戯作者としての力量を秘めている。とんでもない新人が登場したものだ。今年度ナンバーワンのベスト本である。」(評論家 菊池仁) ■「江戸の景色が浮かんでくるような文章のセンスは驚異的である。」(ミステリ評論家 千街晶之) ■「これで新人!?ぜひ豪華絢爛な舞台や映画で観たい!」(丸善本店・高頭佐和子) ■「取り憑いたら離れない「鬼気迫る」以上の物語。すっかり呑み込まれ、抜け殻状態。。」(ブックジャーナリスト 内田剛) ■「あまりに興奮して、体が乗っ取られたようになりました」(本の雑誌社・浜田公子) ■「アウトローな存在であり、かつ男女の性別からも逸脱している役者の生理や道徳観念を浮き彫りにしていく展開がスリリング。肚の坐った書き手だ」(書評家 杉江松恋)
●蝉谷 めぐ実:1992年大阪府生まれ。早稲田大学文学部で演劇映像コースを専攻、化政期の歌舞伎をテーマに卒論を書く。広告代理店勤務を経て、現在は大学職員。2020年、野性時代8月号に一挙掲載した『化け者心中』で第11回 小説 野性時代 新人賞を受賞する。
Reviews
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とんでもないデビュー作
恐ろしいデビュー作もあったもんだ。 歌舞伎を題材に江戸時代を生き生きと描く文章力が傑出している。若干場面転換が分かりづらかった箇所もあったが全体として新人のレベルを遥かに超えている。すごいの一言。 またミステリとしても、異常設定というか、「(比喩ではない)鬼は誰か?」という謎がきちんと解決され、そしてタイトル回収までお見事。今後追わざるを得ない作家だろう。
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鬼とは人間とは、アイデンティティを問う(ネタバレ有り)
町人文化の最盛期とされる化政期の江戸。町人娘のお洒落の源は贔屓にしている歌舞伎役者の姿。鳥屋の 藤九郎と元女形の魚之助(ととのすけ)のコンビが6人の役者の中から鬼を探し出す・・・という物語。 歯切れのいい江戸弁と歌舞伎役者言葉がからみ合い、体に纏わりつくような粘り気のある濃密な筆致。役 者の深奥・魂をあぶりだしています。特に魚之助の言葉が、形を変え匂いを変えリズムを変えて紡ぎ出され ます。関東人にとって柔らかに響きますが、その芯は冷たく鋭い刃(やいば)の様にも聞こえるのは私だけ でしょうか? 鬼でなければ役者は務まらないのか、役者魂こそが鬼なのか。いや鬼のような心こそが人間の証。凄まじ くも悲しすぎる役者の性(さが)を通して、人間と鬼との間(あわい)を問い詰めた感動の名作だと思いま す。
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エロく妙にスケベな小説でもある。
松井今朝子の系譜にはいるような気がする。 江戸の風俗や歌舞伎に精通しており、文政の世の歌舞伎世界に連れて行ってくれるのは間違いない。 ただ、文体は硬い。リーダビリティがあるかといえば、むしろない。 娯楽性よりも江戸学の探求、当時の歌舞伎界の様子を学ぶための研究書の要素が強いと思った。 それにしても嫉妬の構造を執念深く探る著者の文学者としての姿勢は素晴らしい。 ただ、もうすこし、読みやすくてもいい。 諸田玲子あたりの軽快なタッチとか、その辺とは違いすぎる。 ただ、ほかの女流作家よりも、行間に著者の好色さが垣間見れる。考えすぎか? そこはか助平な気配が漂うのだ。 本筋とは別に、そこが小生のツボにはまった。誤読であることは間違いない。
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著者の語り口の生きのいいことったら! 蝉谷節(せみたにぶし)、クセになりそうやわ。
なんといっても良かったんは、生きのいい文章の語り口やね。独特の味わいがあるんで、最初のうちは馴染めないかもしれへんけど、これが慣れてくると癖になりそうな心地よさなんや。ほんま、見事な語り口だす。 芝居に己れのすべてを賭ける役者たちの心意気、どうにもならない妄執ぶりには、肌がちりちり、ぞわぞわ、粟立ちましたです。 そして、魚之助(ととのすけ)から、《白魚(しらうお)屋田村魚之助とは、一体何者だい》単行本 p.278 と問われて返した藤九郎(ふじくろう)の台詞の、凛として清々しかったことったら! 「よっ、藤九郎! おまえさん、いいこと言うじゃねぇか」と、胸が熱くなりましたぜ。 鳥屋の藤九郎が鳥を見つめる眼差しの優しいところや、魚之助の飼い猫・三毛の金目銀目の揚巻(あげまき)の動作の可愛らしさも良かったっすねぇ。思わず目を細めて、にまーっとしちまいやした。 てぇところで、本日、シリーズ第二作となる『化け物手本』を手にしました。続けて読めるたあ、なんて間(ま)がいいんでぇ。おいら、すっかり、蝉谷節(せみたにぶし)の虜(とりこ)になってもうたわ。
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粋だねえ
江戸の風情が凄かったです。 知らなくても読めると思いますが、 江戸文化や歴史等詳しい方なら さらに楽しめると思いました。 そこかしこに散りばめられている… その背景が頭に浮かんでくるようでした。 内容は文句なしの☆5です。 久しぶりにページめくる手がとまりませんでした……。
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個人的には不向きでした
伝奇物?時代ミステリー物?かと思ったら全然違った。文章が上手いのですらすら読めるが長編を読み終わった感じがしない。ストーリー的には短編でサクッと済ませたいような作品。
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「いっち怖いのは人様で、なかでも役者と云うやつは…」
「いっち怖いのは人様で、なかでも役者と云うやつは…」江戸と云う時代の歌舞伎と云う異界、その化け者揃いの役者の中に本物の化け物が紛れ込み…足を無くした元女形の魚之助は脚を勤める藤九郎におぶさって、役者に化けた鬼を炙り出す。芸の為ならと鬼畜の所業をさらけ出す鬼より怖い役者たちの誰が鬼の隠れ蓑か?その正体が証されたときタイトルの『化け者心中』が、その舞台に姿を現す。それにしても野暮な男に背負われた魚之助の恋心が物語を貫いて心に沁みる。
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音が文字に混じる感じ絵面が浮かび見える
モデルはすぐわかる。 台詞の節回しや抑揚が文字に垣間見えるような優美な雰囲気とおっとり進む流れ。 オーディオドラマにでもして流れるような綺麗な言葉と良い声で魚様を聞いてみたい。 本を閉じる時間も勿体無くて片手に広げ利き手で別のことしながら読み切った。 ちょっと久しぶりに感覚でした。