Japanese Literary Awards

← Back to awarded works
歌集 まだまだです

Kadokawa Tanka Award

歌集 まだまだです

Hannah Kang

"Fukuranda Fusen o Daite" is the tanka sequence with which Hanna Kang received runner-up recognition at the 63rd Kadokawa Tanka Award. Through the perspective of a person from abroad living in Japan, it turns urban crowding, linguistic distance, family feeling, and small daily dislocations into poems that hold both brightness and pain.

migrationJapanese languageurban lifefamilyself-expression

Work Information

The sequence turns the uncertainty of holding an inflated balloon into a bodily feeling of living in Tokyo.

The award sequence is connected to Kang's first collection Madamada Desu; this was checked through the National Diet Library, Kadokawa Culture Promotion Foundation information, and reader commentary. The ISBN-13 and ISBN-10 were verified through official and NDL bibliographic data, with the ASIN supplied from the ISBN-10.

Review Summaries

  • The poems are valued for the clarity of Japanese written outside the poet's mother tongue and for their direct treatment of anxiety and hope while living abroad. Their mixture of charm, ambition, and raw everyday life is also striking.

Book Information

Publisher
KADOKAWA
Published
2019-12-11
Pages
212 pages
Language
日本語
Size
13.8 x 2.1 x 19.5 cm
ISBN-13
9784048843171
ISBN-10
4048843176
Price
2860 JPY
Category
本/文学・評論

ケータイに斉藤がいて齋藤と齊藤もいる来日六年 きれいな日本語をありがとう。異国に暮らす期待や不安を、持ち前の負けん気と知性で、良質な「日本語」の詩に変換する。こんなに透き通った日本語は日本人でも書けないだろう。

●カン・ハンナ:1981年ソウル特別市生まれ。淑明女子大学校卒業。韓国でニュースキャスター、経済専門チャンネルMCやコラムニストなどを経て、2011年に来日。現在、ホリプロ所属タレント。元数学オリンピック韓国代表。NHK Eテレ「NHK短歌」レギュラー出演から、テレビ東京「未来世紀ジパング」で韓国事情を語るなど多方面で活動中。

Reviews

  • カン・ハンナを知っていて良かった

    赤い赤い垢すりタオルで母の背の垢を落とすこと十か月ぶり オンドルの床じゃないこと朝ごとに揺れるベッドで布団をにぎる 冷えてゆく研究室で先生がそろりと私に寄せるストーブ 浅草の「おこし」と同じ味がする「カンジョン」というソウルのお菓子 続いての「つ」の発音と、ございますの「ざ」の発音でどうしてもバレる 毛羽が立ち流行も過ぎたセーターは日本に来た日の全てでもあり 体より重い論文抱きしめて眠りに落ちる各駅停車 カンさんは在日ですか?違います、ニューカマー、いえ異邦人です 一階にあるファミマでは白い手も黒い手もみなおにぎりを取る 何度も「日本語を勉強している韓国人が言っていたら嬉しいこと」が詠まれている歌を抜粋しようとして、そのたびにカンさんに歌人同士としても人間同士としても失礼のないよう、シビアに、誠実に向き合わねば……と居住まいを正すことになった。 一冊を通しては、くたびれ果てて電車に乗っている歌、お国柄もあるのだろう母を思う歌が印象的で、学者志望としての野心と迷いの歌、ぽろっとこぼれたような結婚願望についての歌などが意図せず読者への励ましになっている。ただ、その結婚願望もなのだが、「女性らしさ」については若干、古い価値観に縛られているのかな……。 カンさんへ自分自身の夢や葛藤を綴ったお手紙を出したくなるような、読後感の爽やかな歌集だ。 一首目【赤い赤い~】 母娘で入浴している場面の風俗・風習性、また「垢すりタオル」のあり得ないほどの「赤」にリアリティがある。リフレインと勢いのある上句は言わずもがなで、「母の背の/垢を落とすこと/十カ月ぶり」という下句の韻律も結句で「十か月ぶり」と詠嘆する内容に沿っている。 二首目【オンドルの~】 (オンドル:床下暖房) 「オンドル」が当たり前なら、「朝ごと」に目覚めるたびに「揺れる」、「ああ、ここは韓国じゃないんだ」と思うだろう。「布団を」、に続く「にぎる」という動詞の選択に独自性がある。一般的に、いい大人ならとくに、布団といえば掴むものだが、ライナスは毛布を握る気がする。 三首目【冷えてゆく~】 「先生」は何となく年配の男性じゃないだろうか。「私」に対する責任感があるのだ。この場面を切り取って歌にしたことを評価したい。 「そろりと」の音の無さ、さりげなさ。 四首目【浅草の~】 「カンジョン」で検索したら「韓国の伝統菓子で、もち米・小麦粉・はちみつ・水飴・ごま油などを原料に作られたおこしのようなお菓子」と出てきた。読者としての私の「そうなんだー」という率直な感銘で選んだ。 五首目【続いての~】 恥ずかしさを読み取ってしまう。そこにバイアスがあったら心底お詫びしたいのだが、結句三音「バレる」の放つ居心地の悪さといったらない。歌を輝かせているのは「続いて」「ございます」という語の選択の妙味だ。(研究発表などの)司会進行などをしている場面と推測でき、カンさんにしか詠めない歌に仕上がっている。 六首目【毛羽が立ち~】 日本の女流文学(ところで最近韓国文学を読んでいるのだが、社会問題をエンタメに落とし込む手際の良さにほれぼれする)にもよく出てくる言い回しで、冒頭で前述した若干の古さに繋がらなくもないのだが、作者であるカンさんの実感としてそうなのだろう。人は引用でしかものを認識できない。読んでいるのだ。 また「全てでもあり」という言いさしが効いている。いまだ思考中ということ。 七首目【体より~】 電車に乗っている歌から一首引いた。「各駅停車」は空いている。眠れただろう。 八首目【カンさんは~】 日常生活の中で引いたことがある。この歌を知っていて良かったし、カン・ハンナを知っていて良かった。 てっきり日本人だと思っていたら、いわゆる「在日」だった友人へ、「こういう短歌があって、「カンさんは在日ですか?違います、」までしか覚えていない。あなた、日本人なんでしょう?」と言ったっけ。 生まれも育ちも日本の友人はともかく、カンさんが自分を日本人と思っているかどうかは分からない。ただ、「在日」じゃないだけだ。 Amazonレビューで長々と書いて申し訳ない。ほかでもないカンさんへ届くことを祈る。

  • 母と日本語

    母親との関係性と日本語の難しさを詠む歌が好きです。日本の歌人のように、難しい言い回しや漢字、文語体を使わないところが読みやすさにつながっていると思う。

  • GOOD

    ようやく買って読みました。素晴らしい。ところどころ光るものがあり、買った価値がありました。千年の木については心が震えました。唯一無二です。文体の清らかさを意識しているのか、もっと濁りがあっても良いかなぁと個人的意見をここに記します。誠実に生きる、という言葉に引っ掛かりました。他者の考える誠実ではないよう祈っています。かなり応援しています。

  • 短歌の魅力を再認識

    短歌だからこそ伝えられる思い。歌は彼女の日記なのだろう。年齢のこと、結婚のこと、多くの女性が共感する等身大の「悩み」。 赤裸々に詠まれた歌は胸に突き刺さるがその辛さも短歌の奥深さだと思う。 題材は日韓関係など多岐に及び飽きる事がまったくない。構成も素晴らしいと思いました。

  • 読み易く、心温まる歌集

    心温まる歌集でした。日韓関係が悪い今、皆んなに読んで貰えると良いと思いました。 日本に来て頑張ってる人が、日本人よりも、短歌を愛してくれてるのに感銘しました。

  • 実生活を詠んでいる歌集です

    日韓関係を個人的に見つめ、双方を共に愛する気持ちをストレートに表現しています。 読み手も詠み手の心が通じ合う歌集です。

Related Literary Awards