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オーバーライト ――ブリストルのゴースト (電撃文庫)

Dengeki Novel Grand Prize

オーバーライト ――ブリストルのゴースト (電撃文庫)

池田明季哉

Yoshi, a university student studying abroad in Bristol, England, discovers graffiti in the window of his part-time workplace and joins Boudiccia, an older student knowledgeable about art, to find its creator. As he confronts her past as the once-renowned graffiti writer known as the Bristol Ghost, the two face a conspiracy that threatens the city's culture in this coming-of-age novel.

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Work Information

Graffiti: a fleeting magic of images that vividly overwrites even his and her feelings.

Recipient of the Selection Committee Encouragement Award at the 26th Dengeki Novel Prize. Set in Bristol, known as a home of graffiti, the novel explores the value invested in creative work and the passion for expression. Through their relationships with the girl Lara and their companions, Yoshi and Boudiccia overcome past setbacks and try to protect their own forms of expression.

Book Information

Publisher
KADOKAWA
Published
2020-04-10
Pages
328 pages
Language
日本語
Size
10.7 x 1.6 x 14.9 cm
ISBN-13
9784049130188
ISBN-10
4049130181
Price
66 JPY
Category
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

グラフィティ。それは俺と彼女の想いすら鮮やかに上書く、儚い絵の魔法―― イギリスのブリストルに留学中の大学生ヨシは、バイト先の店頭で“落書き”を発見する。それは、グラフィティと呼ばれる書き手(ライター)の意図が込められたアートの一種だった。 美人だけど常に気怠げ、何故か絵には詳しい先輩のブーディシアと共に落書きの犯人探しに乗り出すが―― 「……ブー? ずっと探していたのよ」 「ララか。だから会いたくなかったんだ!」 「えーと、つまりブーさんもライター」 ブーディシアも、かつて〈ブリストルのゴースト〉と呼ばれるグラフィティの天才ライターだったのである。 グラフィティを競い合った少女ララや仲間たちと、グラフィティの聖地を脅かす巨大な陰謀に立ち向かう挫折と再生を描いた感動の物語! 第26回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》受賞作。

●池田 明季哉:第26回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞。

Reviews

  • 豊かな世界観と素晴らしい構成

    ライトノベルかつ反体制的モチーフとあって一見癖が強そうに思われますが、実際は王道を爽やかに突き抜けていく軽快で澄んだ作品に感じました。 作者はライター(グラフィティ・アーティストではなく文章を書く方)の出ということもあってか、文章の地力、および構成は確かなものに思われます。世界観を豊かに演出する細かい表現や英語的言い回しが印象的。読み応えがありながらも非常に読みやすく、ページが驚く早さで減っていきます(これは私が普段翻訳物ばかり読むせいかもしれませんが)。次なる要素の出し方やタイミング、伏線の張り方なども見事。 登場人物は意外と(?)等身大に近いというか、生きた厚みがある印象。ヒロインも自然な好感が持て、物語が進み素性が解き明かされるたびに、表紙のイラストに感じる魅力が不思議と増してゆきます。 表紙だけでなく目次や章扉も没入感の増すデザインが施されており、これは素直に脱帽。ぜひ実際に見てもらいたい点のひとつです。 あとこの話、ある種の挫折を味わった経験のある人にはきっと深く響くはず。そうしたものを肯定して生きていくことへの、作者のエールとも言えるのでしょうか。 いくらか狂気めいた部分はあるものの極端に過激な要素は無く、むしろ傷ついた人に寄り添って共に走るような静かな優しさを随所に感じました。 細部においてはやや唐突に感じる箇所や煮詰めが甘く感じる部分なども無い訳ではないですが、あくまで細部であり腑に落ちないほどではありません。それに負けない本質の良さがあります。 総じて、広く勧められる良作です。

  • シルエットが際立つ読む「カートゥーン」

    ネタバレを避ければどうしても描写力について語るしかないのですが、その点でこの『オーバーライト ブリストルのゴースト』は特筆すべきものがあります。 イギリスの地方都市で、路上芸術グラフィティを巡って繰り広げられる物語。日本の読者に馴染みが薄い題材を、大胆な筆致で鮮やかに描き出しています。 キャラクターを印象づけるために作者が用いる手法はシルエットの差別化。ヒロインのブーディシアは大きなポニーテールにブカブカのバーカー、スニーカーを引き締まったタイツでつないでいる末端肥大形フォルムを持ち、野良猫からライオンまで幅をもたせながらネコ科のイメージで統一しています。対するもう一人のヒロイン、キャプテン・ララはチビのペニーとノッポのジェイエフを従える小柄なゴスクィーン。サミュエルジャクソンJrみたいな画材店員アイオンとくだけた英国紳士の市職員ジョージ。主要キャラクターの一人として同じシルエットはありません。ただ、一人称主人公のヨシだけが読み手の想像に任されています。美麗なイラストの手助けもあり、読者は容易に、背景にキャラクターを配置し、動きのある映像として捉えることができます。ディフォルメよりにデザインされたキャラクターが躍動する姿は一遍のカートゥーンアニメーションを観ているようです。このカートゥーン性がブリストルという街の佇まい、グラフィティというアートの荒々しさとマッチして、我々読者を未知の世界へすんなり誘ってくれます。「キャラクターを立てる」という作劇術の一つの正解が書かれた本でもあるので、後に続こうとするラノベ志願者にとっても必読の書だと思います。

  • アート+反体制、少しミステリ風味。優等生だがインパクトに欠ける

    メインはアートだが、どちらかと言えばアートを通した反体制もの。 それでいて犯人探しのような謎解き要素もあり、若干ちぐはぐに感じるかもしれない。 全体的に質が高く、ストーリー、描写、世界観やキャラ造形など、どの要素を見ても隙がない。 一方で、突出して良い点も無い。熱いストーリーにもかかわらず、微妙に盛り上がりきらないのも残念。 また、アート的な面白さはいまいち。アートによるバトルを匂わせていたが、そんな展開は無かった。 ヒロインの天才ライター設定も、完全に設定だけという感じ。 結論としては、あと一歩足りないという印象。「選考委員奨励賞」に悪い意味で納得してしまった。

  • 知らない世界

    自分が知らない世界を教えてくれるラノベはいいものですね グラフィティという文化をテーマにしていて、キャラも魅力的で面白いです

  • 良い意味でザ・ライトノベルという感じ

    高評価が多いのと、表紙が印象的なので購入しました。 内容はグラフィティに焦点を当て、扱うジャンルをしっかり掘り下げて書いています。 最近はジャンルの扱いが雑な作品が多くなってきた印象なので、丁寧に扱っているのは良いと思いました。 雰囲気も良く、なんとなくこの物語の街に行ってみたくなります。 物語のほうは、わりと王道ストーリーで良くも悪くも普通な印象でしょうか。 でもこういう安心できる物語のラノベが今でもちゃんと発売されてるのは嬉しい。

  • 是非!

    とても読みやすくすすむにつれてどんどん世界にひきこまれました。 カッコイイ!と思ったり。 おすすめです。

  • 空気感が伝わる爽やかさ

    この作品は、はっきり言って僕にとっては全く興味のない事柄をメインに書かれたストーリーが展開するのだが… 登場人物達が非常に魅力的で次の展開が気になってついつい読み進めるうちに作品世界に使ってしまう。 最初はやや感情移入しにくいのだけど、これがまた作品を楽しむ上でいいスパイスになってくるとは…

  • 良質な青春小説

    電撃は比較的広くジャンルの間口を取るレーベルというイメージが有りますが、それでもライトノベルらしからぬ独自性の強い題材チョイスに強烈に惹かれて予約ポチ。どちらかというと女性向けカラーでほぼ制圧されてしまう前のライト文芸の棚に刺さってそうなタイプの本だな、というのが購入前の印象でした。 内容に関して グラフィティという馴染みの無い題材を、ヒロインのブーディシアちゃんを案内人に展開していくのですが、描写が緻密で、”生きた街とそこに暮らす人々”がとても鮮やかに伝わって来ます。題材の新鮮さと相まってこれだけでもかなり楽しめました。専門用語は主人公がグラフィティに無知設定なので、会話の流れで説明してくれる親切仕様でGoogle先生要らず。 お話のメインフレームはいわゆる”廃校もの・廃部もの”に近く、体制側のお達しにより街からグラフィティ全消去の流れに巻き込まれていくというもの。大きな事件を軸にするあたりはラノベよりな雰囲気です。 その中でかつて一流ライターだったブーディシアちゃんが何故一線を退いてしまったのか、また主人公の過去が語られ、違うジャンルながら相似形のバックボーンを持つ二人が交差する様が描かれます。 とても青春小説してますが、恋人的な甘甘な雰囲気ではなく、同じ地平に背中合わせに立つ者同士の少しの相互理解、といった甘さ控え目のバランスが秀逸で瑞々しいです。 良質な青春小説である評価は揺るがないのですが、個人的に終盤のイベントに関しては便利使いされ過ぎているキャラが居てその点だけは少し気になりました。作中で十分なエクスキューズは行われてはいますが、より自然な形で最後の盛り上げが有った方が好みではありました。 しかしながら、それでいてなおキャラクターの真っすぐな主張やテーマの掘り下げは素晴らしい作品で、エピローグも爽やかで読後感が良く、単巻で綺麗に完結してるのも美しい。いい買い物でした。

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