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ぼくの・稲荷山戦記

Kodansha Children's Literature Newcomer Award

ぼくの・稲荷山戦記

Tatsumiya Akira

A children’s novel in which a boy born into a family guarding Inariyama meets a mysterious boarder and faces issues of development around an ancient mound and the natural world. It joins mythic beings with modern environmental concerns.

children’s literatureenvironmentancient burial moundmythcoming of age

Work Information

To protect the mountain of the Inari shrine, a boy runs between myth and reality.

Although the master title at the time of the award is Boku no Inariyama densetsu, the published title is Boku no Inariyama senki. Issued by Kodansha and later in paperback, it is one of Tatsumiya Akira’s “gods” trilogy.

Book Information

Publisher
講談社
Published
1992-07-24
Pages
374 pages
Language
日本語
Size
14 x 2.7 x 19.5 cm
ISBN-13
9784062059398
ISBN-10
4062059398
Price
255 JPY
Category
本/絵本・児童書/読み物/SF・ファンタジー

先祖代々、裏山の稲荷山神社の巫女をつとめるマモルの家に、ある日、奇妙な下宿人がやってきた。腰までとどく長髪に、和服の着流し、アブラゲが大好きな美青年・守山さんのふしぎな魅力に、マモルはしだいにひかれていく。そして、レジャーランド開発のために破壊されようとしている山と古墳を守ろうと立ちあがった守山さんと、マモルは行動をともにするようになる。海に山に森に、太古から宿り、人間たちを見守ってきた“存在”との運命的な出会い、そして、明らかになった守山さんのおどろくべき正体とは?いま、自然を守ることのたいせつさを熱く問いかける、秀作ファンタジー! 熊日文学賞/第32回講談社児童文学新人賞

1954年生まれ。明治大学文学部史学地理学科卒業。結婚して熊本市に移り住んでから小説を書きはじめ、小説ウィングス優秀賞、アニメディア大賞小説部門賞を受賞する。1991年、本作で第32回講談社児童文学新人賞を受賞。翌年刊行され、第34回熊日文学賞も受賞する。他の作品に、『夜の神話』(第41回産経児童出版文化賞推薦)、『水の伝説』(第43回産経児童出版文化賞JR賞)がある。 【画家紹介】 1945年生まれ。東映動画でアニメーションの制作にたずさわるいっぽう、漫画誌「ガロ」に作品を発表、『赤色エレジー』で人気を博す。その後、漫画のほかにイラストレーション、CM、絵本、さし絵などで活躍中。絵本に『ねこのしゃしんかん』、さし絵に『かえるのアパート』『ぼくがイルカにのった少年になる日まで』(いずれも講談社刊)などがある。

Reviews

  • たつみやワールドが心に構築される

    開発と自然保護をテーマにした作品で、私がたつみや 章の作品で最初に出会ったもの。読後に「たつみやワールド」が心にできあがっていました。まして、キツネ、神社が出てくる和風ファンタジー。最高です。 文化的人間世界は開発によってできあがっていきますが、古くからの文化が残っていたり、自然環境をぜひ保護したいと思う場所もあります。しかし、一部の人間の利益優先でこれらの状況を完全無視される場合も現実にあります。 ひと言で開発と言っても色々な状況があり、一概に開発は喜ばしい事とは言えない。この物語には関係ないですが、事実として北海道の某ダムは一部の者の利権のために膨大な税金を使い自然環境を破壊し、そして、使わないダムとは・・・。 この作品は、子ども時代の感性と大人になっているからこその視点で現実のこれからを考える機会が与えられる作品です。

  • 素直に読める日本のファンタジー

    問題解決に対峙する大人は分かるが、子どもたちが主体性を持って参加する方が 物語としての面白さがあるかもしれない。 最初から「キツネ」という事が分かる設定だが、最後の生まれ変わり、その成長になると 分かり辛く感じた。

  • これは子どものための本であり、子どものための本ではない

    紛れもなく児童文学ではあるのですが、この本はひどく大人の話を含んでいます。開発によって森がなくなってしまうという。 守山さんの名前は、山を守る彼の役目からつけられたものなのでしょうね。彼らの活躍を描くのですが、「子ども向け」に甘いだけの話ではなく、それでもやっぱり森は再生するという、そういう印象を受けました。 最後の草が生えているシーン、思わず笑ってしまうほど、安心しました。 ちょうど、平成狸合戦ぽんぽこの楽譜を買いたてで、弾いたりしていたのですが、妙によく会いましたね。両方とも開発と闘う話だからでしょうか。

  • 疑問の湧く物語

    中学生のマモルが稲荷神社のある裏山をレジャーランド開発から守ろうと戦う話である。マモルの家の下宿人となった稲荷神社の神の使い白狐の守山さんや開発会社の鴻沼さんなど魅力的な人物の登場でお話は面白く進んでいくのだが・・・。 ☆☆☆なのは、稲荷山・古墳・稲荷神社・ミコトさま・お主さま・白狐・など、背景になる神の存在する世界とマモルの家族の関係がもう一つあいまいで、読んでいる節々で立ち止まらされてしまうからだ。特にマグロ船に乗っている父親の影があまりにも薄いし、美佐代姫と呼ばれる母親のことをマモルはほんとうに受け入れられたのかと疑問に思ったりした。 でも、いろいろ疑問を提してくれる物語というのはやっぱり面白いのだと思う。

  • 自然の大切さ

    自然の大切さを考えさせてくれる一冊です。これをはじめて読んだとき幼いながらに環境破壊に危機感をもちました。それは地球規模の大きなものではなく、身近なところにもあるものなんだと考えさせてくれる一冊でした。こういうのって大人になっていく中で忘れていくものなんじゃないかなぁ。と思いました。大事なことなのにね。

  • お稲荷さんといっしょ。

    一部をかな表記から漢字表記に変更されたこと以外は、以前ハードカバーで発売されたものと同内容です。 内容としては平成狸合戦ぽんぽこを彷彿とさせる和風ファンタジーです。 ぽんぽこと少し違うのは、動物VS人間という構図ではなく、自然を守ろうという勢力と開発を進める勢力の戦いだという事でしょう。 人間対人間のリアルな戦いでありながら、時折稲荷神のお使い狐達が見せる小気味良い演出にニヤリ。環境をテーマにした作品の中ではすっきりとした味わいが楽しめます。 ちなみに作品として世に出されたのはこちらのほうが先だということを付け加えておきます。 児童文学として描かれたものなので、大人が読むにはややストレートすぎる表現、明確すぎるテーマ、わかりやすい複線等が気になります。 しかし和風テイストが好きな方、若さ溢れる冒険に浸りたい方には充分楽しめるでしょう。

  • お狐さん

    田舎だからと言って安心しててはいけない。確実に減っていく緑の大地。 家が代々巫女をしてきた中学生のマモルと突然現れた不思議な美青年・守山さんプラス愉快な仲間達が繰り広げる「お山を守るため」の戦いから、私の自然に対する意識や社会の自然環境に対する意識が少し分かってくるお話でした。気付かないうちに姿を変え、消えて行く自然の多さに目を瞑っていた自分にも気付き、これからどうしようかと本気で悩みました。少年マモルの視点で見た、思わず笑ってしまうユーモア溢れるこの本はたつみやさんのお話で1番気に入っています。

  • 良薬は口に甘ったるし

    『ぼくの・稲荷山戦記』です。 いい話です。 『先祖代々、裏山の稲荷神社の巫女を務めるマモルの家にやって来た奇妙な下宿人。腰まで届く長髪に和服の着流しの美青年・守山初彦は、山と古墳をレジャーランド開発から守るために動き出す。守山に連れられ、マモルがまみえた太古からの“存在”とは?第32回講談社児童文学新人賞受賞の著者デビュー作。』とある通り、元はいかにも子供向けの装幀で児童書として単行本出版されたものですが、より多くの人、特に大人に読んでもらいたいということで、少女マンガ的表紙イラストの文庫として、一部かなを漢字表記にするなどの改稿を施した環境保護をテーマとする児童文学です。 主人公は中学一年生の少年ですが、一人称の文体も思考もどちらかというと完全にお子様寄りです。開発はすべからく悪、とする環境保護団体的な原理主義を掲げてあまりにも幼い言動。児童文学としてなら確かにこれくらいの分かりやすさが良いのは理解できます。しかし、大人が読むには甘ったるすぎて辛かったです。 最後に主人公たちがたどり着いた環境保護の考え方は非常にいいもので、たしかにこの部分だけを見れば大人に読んでもらいたい作品です。ただ、そこに至るまでが原理主義を通って行くので、大人としてはきれいごとに過ぎて共感しにくかったです。 ただ、環境保護というのは本気で取り組もうとすると苦痛を伴うものである、というのを形として示すための、大人にとって苦痛な内容だったのかな、とも深読みしてみました。 上記文中でもわざと間違えましたが、守山さんは「すべからく」の使い方を間違っていました。 ★は3つ。多くの人向けではありますが、やっぱり子供におすすめです。いい話です。

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