新装版 天使の傷痕 (講談社文庫 に 1-116)
A couple on a date stumbles upon a murder, and a newspaper reporter pursues the meaning of the victim's final word, "Ten." The novel races toward the darkness behind the case with brisk, propulsive structure.
Work Information
The single word "Ten" leads the case into another shape.
Winner of the 11th Edogawa Rampo Award. The new edition of the Kodansha Bunko version was published in 2015, and the novel has been read for many years since its original paperback release. Starting from a murder witnessed on a date, the meaning of a single word and the background of the case gradually come into focus.
Book Information
- Publisher
- 講談社
- Published
- 2015-02-13
- Pages
- 368 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 10.8 x 1.4 x 14.8 cm
- ISBN-13
- 9784062930208
- ISBN-10
- 406293020X
- Price
- 726 JPY
- Category
- 本/文学・評論
武蔵野の雑木林でデート中の男女が殺人事件に遭遇。瀕死の被害者は「テン」と呟いて息を引き取った。意味不明の「テン」とは何を指すのか。デート中、事件を直接目撃した田島は、新聞記者らしい関心から周辺を洗う。「テン」は天使と分かったが、事件の背後には予想もしない暗闇が広がっていた。第11回江戸川乱歩賞受賞作。
Reviews
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謎解きより大事なもの
社会派。トリックが判明する前後からラストへかけて一気に引き込まれました。犯人が誰かより、なぜこんな事件が起きたのかの問題提起を著者はしたかったのでは。それはもちろん、現実社会にはびっこっている問題であり、今も残る問題である。
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起こった事件の背景に、
昨年、相模原の障害者施設で起きた事件の報道姿勢につながるモノを感じた。 (先日、yahooのニュースで公開された「匿名報道をめぐる葛藤」という内容のニュース記事から) >この事件では、警察の判断で被害者の匿名が決まり、発表されたのは、年齢と性別だけだった。匿名に至ったのは、遺族から警察へ、匿名報道への強い要望があったからだという。息子が施設にいた家族会の大月和真会長は、当時を「ご遺族の中から、その当日に出てきた話なんですけれども、自分たちの生活を守りたいという一心のことではなかったのかなというように思います」と振り返った。 このコメントを読んだ時に、ふと頭に浮かんだのが、「天使の傷痕」。 一家が地域(もっとはっきり言うと「ムラ社会」)での平穏な生活を守るために、(それこそ戸籍ごと)隠さざるを得なかった障害を持つ子供の存在、そして隠すという行動によって引き起こされた事件。この小説が書かれたのは半世紀近く前なのに、未だに解消されないこの風潮。なんだかやるせない。
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小谷野敦さんが『このミステリーがひどい!』でミステリ小説1位に挙げていたので読みましたが……
西村京太郎って、その多作ぶりと、TVでも次から次にドラマ化される人気ぶりから、逆に「食わず嫌い」だったんですが、小谷野さんの本に背中を押されて読んでみました。ま、赤川次郎とか夏木静子とかもそうなんですが、多作で人気の人って、きっとそれを可能にする何らかの才能があるんだろうと思うので、その一端でも垣間見られれば、という気持ちもありました。 で、感想。 残念ながら、やっぱり設定が古いかな。横溝正史か、みたいな。 あと、殺しのトリックが私的にはムリ。飛び道具でそんなにうまくいくなんて、ご都合主義もいいところじゃないでしょうか。
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ややくどい
小谷野氏が「ベストワン」に上げていたので読んでみたが、推理も含めて文学作品は「好み」だな、と思った。私は、高い評価は与えない。時代背景も違うので、銀行などが「個人情報」を簡単にもらすあたりは愛嬌だとしても、作品のバックボーンになっている薬害と地方の閉鎖性に関する記述がいかにもくどい。これでもか、これでもか、と出てくる。もういいよ、という気になった。