もぬけの考察
Apartment 408, a single room on the edge of the city. The tenants who come and go each carry their own circumstances, yet they all disappear from the room in unexpected ways. This winner of the 66th Gunzo New Writer Literary Award is structured as four interconnected chapters, portraying the anxiety and fear lurking in everyday life through fantastical tales.
Work Information
All the residents of this room disappear--a story of everyday unease transforming into terror, set in a single apartment in the city.
Winner of the 66th Gunzo New Writer Literary Award. Set in apartment 408, a single-person dwelling in a city building, the novel weaves together the stories of four successive residents: Hatsune, who stops going to work; Sueyoshi, a college student who repeatedly approaches strangers in the nightlife district; a resident left to care for a pet bird; and a painter who keeps drawing the room on its walls. Each resident inevitably disappears from the room in an unexpected way. The work employs installation art-like techniques to stage departures from the everyday, and was praised by selection committee members Yuka Shibazaki, Masahiko Shimada, and Hideo Furukawa.
Review Summaries
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Highly rated by readers, praised for its readability and distinctive worldview. Positively received as an unusual work blending literary fiction, horror, and mystery.
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Mixed reactions. While some praised the readability and unique structure, some selection committee members pointed out insufficient experimental ambition and a lack of vividness.
Book Information
- Publisher
- 講談社
- Published
- 2023-07-31
- Pages
- 112 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 12.5 x 1.5 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784065326855
- ISBN-10
- 4065326850
- Price
- 1540 JPY
- Category
- 本/文学・評論
第66回 群像新人文学賞受賞作! この部屋の住人は、みんないなくなる? 都市の片隅にあるマンションの一室、408号室に入れ替わる住人たち――。奇想天外な物語が、日常にひそむ不安と恐怖を映し出す。 同じ部屋で前の時間が見えないまま孤独と恐怖を積み重ねていく構成で細部まで考えられていた。 理不尽さと暴力的な状況がスリリングで、多様な恐怖を描ける人だと思った。――柴崎友香 一連の奇想天外な考察は、インスタレーションと呼ばれる空間芸術の手法とも似ていて、 日常性からの逸脱を効果的に演出するにはうってつけだ。 ――島田雅彦 ある〈部屋〉のみを舞台にすることで、作品の〈空間〉は限定されている。 が、前の住人、その前の……と過去を連鎖的に想像可能で、今後の住人という未来も延々の想像が可で、その意味で〈時間〉が限定されない。そこに越境のポテンシャルが満ちている。――古川日出男
村雲菜月(むらくも・なつき) 1994年、北海道生まれ。金沢美術工芸大学デザイン科視覚デザイン専攻卒業。2023年、「もぬけの考察」で第66回群像新人文学賞を受賞。
Reviews
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極上のミステリー作品でした。
これがデビュー作とは思えないほど、非常にこなれた文章でした。 二作目に期待の作家さんです。
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そして誰もいなくなった
その部屋に入居した住人はみんな消えていくという、ホラーな話ですがホラーっぽくありません。 あくまでも自然に、フッといなくなってしまう。部屋が住人を食べてしまったのか?と思ってしまいます。 一番怖いのは住人が明らかに不自然に契約不履行で消えていくのに、何も動かない管理業者かな⋯
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自身の体験を踏まえて妄想が広がる作品
新聞記事を見て購入 作者は、これからも色々なジャンルの作品を書きたいとのことなので これからの作品が楽しみになりました
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最初の一章が良かった
最初の1-2ページ立ち読みして即決で買ったけど、一章のゾクゾク感が最後までは続かなかった
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幻想的、怪奇、ユーモア。
筆が生き生きと走り、みずみずしく、人間心理のわりとショウガナイ部分にまで突き込んで行くので、読み手をずんずん引き込んで行く。 賃貸マンションの一室の、モルタルの壁の中に留まり続ける「砂の女」でも書いたのかな。前に遡ること、四人の住人と、三つのエピソードのこと。花房千紘、初音羽奈子、末吉君に若葉栞。中で、私が一番良かったのはナンパ師末吉君だ。恋愛とは完全に別腹で、ゲーム感覚というか、狩猟本能に駆られて雑踏の一本釣りに出かける青年の性分を、よく洞察していると思った。釣った魚に餌やらないというか、逃げたくなるあんな感じも。文鳥も良かったけどね。 ほかにも、毎回決まって出てくる隣の空き家を見下ろす描写や、不動産会社がすぐに「個人情報」と潔癖なブロックを張るところ。この人は世の中も見えている気がする。幻想的、怪奇、ユーモア。人気作家になるのでは。
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身近に感じる気味の悪さ
ある賃貸マンションの408号室を舞台とした4連作の短編集です。 いろいろな楽しみ方があります。 まず、花房千紘、初音羽奈子、末吉孝輔、住人、若葉栞、画家と6人の名前が登場しますが、お話は4つしかないというミステリー的なところ。怪奇的なところ(とくに最初の2作)、荒んだり歪んだ心情が描かれているところ、最後の哲学的なところ(ここは分からなかった)、等々。 全体としては、身近にありそうな不穏さ、気味の悪さを感じる本です。