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月ぬ走いや、馬ぬ走い

Gunzo Newcomer Literary Award

月ぬ走いや、馬ぬ走い

Kohei Toyonaga

On the midday of Obon, when ancestral spirits return, a young boy named Kousuke and his companion encounter the ghost of a Japanese soldier who died 78 years ago. Multiple narrators pass a baton of words — from soldiers who perished in the Battle of Okinawa, to a war bride who once lived in America, to teenagers living today — weaving Okinawa's modern history through multiple voices. Winner of the 67th Gunzo New Writer Literary Award, this is the stunning debut of a 21-year-old university student.

OkinawaBattle of Okinawaghostsintergenerational inheritanceObon festivalhistory and the presentpolyphonic narrationcycles of violenceOkinawan dialect

Work Information

Tsuki nu hawiya, uma nu hawiya — the words surge forth like gold speech (kuganikutuba), carved into our chests: nuchidu takara, life is the greatest treasure.

Winner of the 67th Gunzo New Writer Literary Award. This is the debut work of 21-year-old university student Kohei Toyonaga, hailed as a formidable new talent in an era of renewed conflict. Echoing the voices of predecessors such as Toshio Shimao, the novel excavates layers of Okinawan language and depicts generations of sexuality and violence. Also winner of the 46th Noma Literary New Writer Award, the 11th Okinawa Bookstore Grand Prize (Fiction), and selected as Apple Books Best Debut of 2024. Born in 2003 in Naha, Okinawa; written while the author was a student at the University of the Ryukyus.

Review Summaries

  • Highly praised by readers, with commendation for the polyphonic style and the way it weaves Okinawa's history across generations.

  • Highly regarded. Many readers noted both the emotional weight of confronting Okinawa's realities and the literary achievement of the novel's form.

  • Book critic Yumi Toyosaki highly praised Toyonaga as someone who is simultaneously writer and listener, commending the structure of multiple narrators passing a baton of words.

Book Information

Publisher
講談社
Published
2024-07-11
Pages
160 pages
Language
日本語
Size
13.5 x 1.7 x 19.4 cm
ISBN-13
9784065363720
ISBN-10
4065363721
Price
1650 JPY
Category
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第67回群像新人文学賞受賞!新たな戦争の時代に現れた圧倒的才能!21歳の現役大学生、衝撃のデビュー作。 先祖の魂が還ってくる盆の中日、幼い少年と少女の前に、78年前に死んだ日本兵の亡霊が現れる――。時空を超えて紡がれる圧巻の「語り」が、歴史と現在を接続する! 島尾敏雄ほか先人のエコーを随所に響かせながら、沖縄に深く堆積したコトバの地層を掘り返し、数世代にわたる性と暴力の営みを、『フィネガンズ・ウェイク』的な猥雑さで、書きつけた作品。Z世代のパワフルな語部の登場を歓迎する。 ―― 島田雅彦 十四章の構成で沖縄の近現代史を描き切る、しかも連関と連鎖、いわば「ご先祖大集合、ただし無縁者も多い」的な賑わいとともに描き切る、という意図はものになった、と私には感じられた。/この小説はほぼ全篇、ある意味では作者自身のものではない言葉で綴られていて、だからこそ憑依的な文体を自走させている。つまり、欠点は「長所」なのだ、と私は強弁しうる。要するにこの「月ぬ走いや、馬ぬ走い」は小さな巨篇なのだ。 ―― 古川日出男 「読んだものを茫然とさせ、彼のいままでを氷づけにし、そのうえで、読むことをとおしてあたらしい魂を宿らせる、そんな小説でありたい……テクストでの魂込め(まぶいぐみ)とでも呼ぶべきところが、ぼくの目標です。」豊永浩平(受賞のことば) ぼくがここにいて、そしてここはどんな場所で、なによりここでぼくはこうして生きてきた、ってことを歌って欲しいんだ、ほとばしるバースはライク・ア・黄金言葉(くがにくとぅば)、おれらは敗者なんかじゃねえぞ刻まれてんのさこの胸に命こそ宝(ぬちどぅたから)のことばが、月ぬ走いや、馬ぬ走いさ!

2003年、沖縄県那覇市生まれ。現在、琉球大学在学中。本作で第67回群像新人文学賞を受賞。

Reviews

  • 沖縄 魂の変遷

    先日、NHKの朝のニュースで紹介されていたのを見てすぐに手に入れた。一読の感想としては、沖縄の悲しい歴史を形成する名もなき一人一人の魂が、不思議に飛びながら繋がっている。その声を聞いたように感じている。 戦争の体験のない若い作家の作品だそうだが、ここまでよく書いてくれたと、称賛したい。

  • 沖縄の現代を複数の「私」の語りから描く

    沖縄戦の悲惨と現代の沖縄が、複数の「私」による語りによって連環的に提示される。重く湿った島の歴史が、それぞれの語り手の声を通して浮かび上がってくる沖縄現代史の風景の濃密さに圧倒される。

  • サイケでバロックな沖縄近現代史講釈

    次々変化する文体に加え、飛び道具的な話題がいちいちおもしろく、読者を飽きさせない。

  • 文学性について

    14人の「私」がそれぞれ物語っています。それぞれの個性に合わせた文体・内容には恐れ入ります。とても一人で書いたとは思えないほどすごい文学性です。 ただし、小説としてのまとまりに欠けているのではないかと思います。統一したテーマがあるか、最後に出場者が一堂に集まるのかと思いましたが、そうでもなく、14の短編の集合体のように思われます。 短編のそれぞれがおもしろいので、それぞれ楽しめばいいのかなとは思います。

  • 万華鏡のような物語

    作者が21歳の大学生ということに、まず驚く。沖縄の現代史を、計算し尽くした怒涛のカット割りで見せる万華鏡のような作品。 わずか160頁の中に凝縮された、生と死の狭間にたゆたう魂の輝き。読み返すと全てが繋がっており、鳥肌が立つ。

  • タイトルが読めない

    先日Xで“頂き女子りりちゃん"の獄中記を読んだ。以下、原文ママ。 そういえば この前(9/30)裁判だった。 判決が「9年ちょーえき」から「8年6ヵ月ちょーえき」に下がった。 裁判官さん(女の人)には素直に「ありがとにゃ」と思った。 「ありがとにゃ」は微笑ましいが、この短い日記は次の一文で終わる。 早く 全員 死んじゃえばいいのに 小説は今、現実にある、こういう呟きを越えて行かねばならないのだから大変だ。

  • 沖縄のつながる今と昔

    14人の「語り手」が紡ぐ一連の物語は、先の大戦から現在までの沖縄の歴史を語り手の視点で描いている。 一つの物語から次の物語へは、文章が滑らかにつながる流れで書かれている。まさに歴史が繰り返しながらつながっていることを感じさせる。 ガマに肝試しに行った若者がそこで見つけた恩賜の短刀が物語の伏線にある。読谷村のチビチリガマで、2017年9月に起きた少年らがガマの内部を荒らした事件を彷彿とさせるこの肝試しが、短刀を見つけることにつながる場面は、読ませる。 戦後79年経っても米軍基地が置かれ、ベトナム戦争時には嘉手納からB52が空爆に出撃した事実も踏まえたこの小説は、沖縄の今を考える良いテキストだ。

  • ライブ感ある文体で史実の現場と現代の若者の心情が迫ってくる

    14の章がそれぞれ別の14人のライブ感ある独白で語られる。現代を生きる高校生、中学生、小学生の物語の間に戦争に関する物語が挿入され、あるいは物語りの中に沖縄戦を想起させることが散りばめられている。普段はほとんどの媒体で接することがない者をしても、その戦争に思いを馳せさしめるのではないか。 小学生が語り手になってる2つの章を除けば総じて重たい内容である。中でも娼年の語るベトナム行きが目前に迫ったアメリカ兵達の荒れ様、復帰前後の学生運動で逮捕収監された若者の獄中期などはそういうトピックだけなら避けるところだから小説に引き込まれた勢いで読めたのはよかった。 ヤンキーな高校生たち数名(+2名の中学生)の章は互いに関連することが徐々にわかってくる。もう一つのグループが小学生2名の語り+他の2章から成る。(もちろん僕の解釈であり、もっと正確な相関関係を見つけた読者もいるかもしれない) 二つのグループに直接の関わりはない。つまり共通に登場する人物はいないが、読者が普通に関連性を想像してしまう仕掛けがあり、全体の統一性をもたらしている。 ヤンキーな高校生たちの物語は沖縄版アメリカングラフティーヤンキー編であり、肝試しの章は、行きは高校生らしく騒がしく、帰りは恐怖でほうほうの体というのは笑えた。肝試しの場所がガマ(沖縄戦中の避難所)というのは高校生と沖縄戦の距離感を表している感がした。《伝え方がど下手なやつはじぶんなりの伝え方を磨けばいいんだよ》は至言である。高校生らしからぬでなく、それこそ高校生の感性である。社会の構造の中で0に近づいていくが、0にはならない。この言葉は万人向けの言葉だから。 小学生の恋物語は沖縄版「小さな恋のメロディー」か。小学生男女の友達のお盆の1日が、男子の曽祖母、日本兵の亡霊などを絡めて描かれる。魂込め(マブイグミ)のシーン(そういう風習が実在するかわからないが)は沖縄の精神性の深層が醸し出されていると感じた。 小説のエンディングは女子小学生が夏休みの宿題で谷川俊太郎の詩の感想文に取り組むのだが、誰もが素晴らしく感じるのではないか。

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