Shosetsu Subaru Newcomer Award
天龍院亜希子の日記 (集英社文庫)
A novel in which a temp worker reconsiders his own life and that of a woman his age through a diary.
Work Information
Tenryuin Akiko’s diary shakes the man’s everyday life.
Winner of the 30th Subaru Newcomer Award. It illuminates the loneliness and hope of working young adults through the device of a diary.
Book Information
- Publisher
- 集英社
- Published
- 2020-02-20
- Pages
- 240 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 10.5 x 1.1 x 15.2 cm
- ISBN-13
- 9784087440782
- ISBN-10
- 4087440788
- Price
- 660 JPY
- Category
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
「現代の風を強く感じさせてくれる。作家の才能プラス、何か見えない力を背負った書き手だ」(小説すばる新人賞選評より)五木寛之氏推薦! 平凡な男を勇気づける希望の光──。 人材派遣会社に勤める田町譲は、元野球少年の27歳。問題だらけの職場で奮闘しつつも報われず、恋人とも煮えきらない。惰性的な日々を送る彼は、ひょんなことから小学校の同級生「天龍院亜希子」のブログを見つける。派手な名前とは裏腹に地味な女の子だった彼女のブログに綴られていたこととは──。20代、30代の姿をありありと描く、希望へ向かう長編。第30回小説すばる新人賞受賞作。
Reviews
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マーケティングの勝利
すばる文学賞を徹底して研究して、 それにマッチする作品に仕上げたなぁといった印象の作品。 それでもいやらしさ、あざとさを感じないのは 著者の筆力のなせる業だと思う。 実力のある人が、あえて能力をセーブし、賞の適性サイズにとどめたといった感じで、 今後の作品での全力を見てみたいと感じました。 同僚の女性と中途半端な関係が予定調和的じゃなく興味深かったです。 いい意味での肩透かしを食らった感じです。
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これが新人賞ってなんかいいなぁ
どこにでもある日常なんだけど、眩しい。 なんでも出来そうなくらい力漲る日もあれば、何一ついいことないわ、と頑張れない日もある。きっかけなんて、些細なことだよなぁーとあらためて。 毎日何かは起きてるような、何も起きてないような。それでも作者が目を向ける「普通」の毎日は、色彩豊かで優しくて救われる。 職場の会話、恋人との会話、、その言い方や、ちょっとした仕草。こういう人いるわー、と身の周りの人に当てはめずにはいられない。 気負ってない文章から感じる作者の率直さも眩しかったし、こういう作品が新人賞をとるって、なんかいいなぁと思った。 次の作品も読みたい。
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呆れる希望
読み進めることはできた。でも感動はない。呆れる希望という名付けは新しかったです。
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本年度の本屋大賞ノミネート作家デビュー作
第30回小説すばる新人賞を受賞して、颯爽とデビューを飾った安壇美緒さん。 今年は『ラブカは静かに弓を持つ』で、〈本屋大賞〉にもノミネートされました。 5年経って、著作も3冊に。 ・『天龍院亜希子の日記』(2018年3月、集英社) ・『金木犀とメテオラ』(2020年2月、集英社) ・『ラブカは静かに弓を持つ』(2022年5月、集英社)
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純文学?
一読して、こういうのを純文学というのかな、と思いました。 派遣会社に勤める今どきのちょっと軽い青年が、それなりに仕事と向き合い、それなりに恋人とつき合い、それなりに浮気もし、それなりに結婚も決める。 波乱万丈のストーリーで読者をグイグイと引っぱって行くエンターテインメント小説ではありません。 それでもきれいな文章で、細部をおさえ、きっちりと読ませてくれます。 反則かもしれませんが、少し引用します。 (引用はじめ) だけど、君はマサオカを信じることで、自分が知り得ない誰かからの善意を信じることができる。自分が本当につらくて、どうしようもない時に、何の証拠がなくっても、もしかしたらこの世の誰かがどこかでひそかに自分を応援してくれてるかもしれないって呆れた希望を持つことができる」 (引用おわり、201ページ9~12行) この言葉に救われ、青年はこれからも少し温かな心を持って生きていくのだろうな、と思わせて話は終わります。 読後感は悪くないですが、エンタメしか受けつけない人は、読まないほうがいいです。
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なるほど、エンタメじゃないのね… すみませんが、酷評します
小説すばる新人賞受賞ということで、読んだ。 ゆえあって、ここ最近新人賞受賞作を何冊も読んでいたのだが、本作は群を抜いて面白くなかった。 お話の起承転結はちゃんとしているし、小説として構成されてはいるが、起こる事象がどれ一つ面白くない。 登場人物は薄っぺらく、主人公などは過去のイジメをまるで、武勇伝かのように述懐する。 浮気の描写などもありふれているにも関わらず、ちょっと斜めからみたような、ちょうど気持ち悪い自意識が前面に出ていて、怖気が立つ。 文章は下手ではないと思うが、冒頭が最悪で、ポエジーなのかアートなのか、何か意味不明なものを狙った風に書かれていて、盛大にスベっている。ちなみに、何作か読んだ新人賞受賞作の中で文章が一番下手だと感じたのは、このミス大賞の『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』である。この作品には「そして」が「伝説」になるくらい頻出する。けれど、本作に比べたら100万倍は楽しめた。 しかし、他の方のレビューを読むに、どうやら本作はエンタメではないらしい。 これに私はハタと膝を打った。 すばるには本作の「小説すばる新人賞」の他に純文系の「すばる文学賞」があるから、てっきり本作はエンタメ作品だと思っていたのだ。 確かに、同賞の『櫓太鼓がきこえる』もエンタメとしてはかなり弱いし、出来がいいとは言えない(相撲の呼び出しが主人公というオリジナリティがあるため、『櫓太鼓がきこえる』はまだ楽しく読めたが)。 なるほど、文学作品としてこれは読まれるべきなのかと、考え直したが、なら、余計面白くないという結論に至ってしまう。なぜなら、新規性がないからだ。ただの、旧態依然とした中途半端なリアリズム小説である本作に文学、文芸としての価値は、何もない。 作者自身も最先端を走る文芸と思ってやってはいないだろう。これは確信的に言える。 となると、これは文学崩れの大衆小説というのだろうか。 そんな気がする。エンタメでも文学でもない。 まとめると、本作は、 起承転結はしっかりしているし作者の狙いはあるが、起こる事象がいちいちつまらなく、登場人物に魅力がなく、作者の思想性(メッセージ性)には反吐が出る(あくまでも個人的に)ものである。 そして、作者の一番の企みであろう、「天龍院亜希子」が日記だけで、実際に登場しないというハズシもスベっていて、面白くない。
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小さな幸せ
同じ仕事をしているので読んでみました。 内容はまぁまぁです。個人的に共感できることが多かったです。 展開はちょっと物足りないです
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小説すばる新人賞のザ・優等生
『天龍院亜希子の日記』というタイトルなのに、天龍院亜希子自体は出てこない。 『桐島、部活やめるってよ』スタイル。 最近の小説すばる新人賞受賞作と比較すると、ザ・優等生な感じ。 トゲがなく、綺麗な円みたいな、まとまりのある小説。 主人公はどこにでもいるような27歳のサラリーマン。その若者視点で書かれているので、口調も若者で『やばい』連発。 最初はその違和感がやばかったが、著者に実力がしっかりあるので、そのアレのやばさは読み進めているうちに消えていった。 はっきりとした起承転結のようなものがなく、平凡な日常を実力のある著者が面白く書いた、みたいな小説でした。