海猫ツリーハウス
A young man working on his family’s farm and treehouse projects sees his local balance shaken by the return of an older brother. Winner of the 33rd Subaru Literary Award.
Work Information
A local balance quietly begins to break when the older brother returns.
Winner of the 33rd Subaru Literary Award. Published by Shueisha in 2010.
Book Information
- Publisher
- 集英社
- Published
- 2010-02-05
- Pages
- 136 pages
- Language
- 日本語
- ISBN-13
- 9784087713336
- ISBN-10
- 4087713334
- Price
- 164 JPY
- Category
- 本/文学・評論
現代の太宰治? 大いに悩む! 25歳の亮介は、デザイナーを目指しながらも、農業を手伝いながら「親方」のもとでツリーハウス作りに精を出す毎日。人気者の兄・慎平の帰郷がきっかけとなり、つかの間の均衡が崩れはじめる……。第33回すばる文学賞受賞作。
Reviews
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臆せずに方言で綴る物語
八戸出身の著者が、八戸を舞台に、登場人物たちに八戸弁で語らせた八戸フリークな物語だ。第33回すばる文学賞を受賞している。 全体を通して八戸弁で語られているためか、とても感情移入した。ツリーハウス以外の周りの景色などは、実在の八戸そのままであり、読みながら実際の映像が脳裏に浮かんできた。 自分には兄弟がいないので、もし兄なり弟がいたら、こんな確執も生まれるのかなと思うと、ちょっとゾッとした。でもこんな心理描写ができるところが「現代の太宰治か」といわれるところなのかもしれない。 最近、地元紙のデーリー東北で木村友祐氏による「空飛ぶ鉄犬」という小説の連載が始まった。これもまたファンタジックな物語のようだ。お話の続きに期待したい。
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方言に潜むリアリティの底力
「ロミオとジュリエットは出会ってから死ぬまでおよそ5日間だった」と『誰も書かなかった 眠り姫の罠』(1996年学研刊:絶版)の著者・梁瀬光世は述べている。この『海猫ツリーハウ ス』も、25歳の主人公が暮らす青森の南部地方に、実兄が帰省してからの一週間足らずを描い た物語。その数日間は主人公にとって、儚くて輝かしくて虚しくて残酷だ。イヤになるくらい 不変だった現実が何かの拍子に牙を剥き、兄弟は葛藤し、不本意な方向へと徐々にずれていく。 東北独特の「寒冷」という温度をも感じさせるリアリティは、彼らの会話が、南部弁で綴ら れているところにもあるのだろう。泣けるとかそういう演歌じみたことでなく、淡々と事実を 追う描写があまりにもさりげないから、読者は無自覚なうちにシンパシーに浸食される。あり ふれた話かもしれないのに心にひっかき傷を残し、あとからじわじわボディブローのように染 みてくる、そんなそんな濃密なおよそ5日間。 表紙はキュートにも哀愁にも見える謎のぬいぐるみ。はたして海猫の雛なのか? ペンギン なのか? 気になって仕方がない。 せっかくの迫力の会話部分に太字が多用されていて興が冷める。作家の希望か編集者のセン スか知らないけど、余計なことをしたバツとして★は4つ。 経営者や起業家にぜひ一読して欲しい。全国津々浦々から集まる人を束ねる立場の人に、 彼らの「やりきれなさ」を感じた上で、采配を振るっていただきたい。
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生き延びた
若いころはThe long and winding road。危険がいっぱい。亮介よく生き延びた。おめでとう。
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短いけど濃い
舞台は青森で、主人公は専門学校を中退して、 夢はあるけど見失いかけてて お金がないから自由に行動もできなくて かといって実家の農家を継ぐほどの気持もなくて 焦燥感と脱力感とを抱えながら生きている。 自分はどうしたいんだろう。 どうしたら傷つかなくてすむ? というところから物語は始まる。 すごく薄い本で、1時間くらいで読めてしまう。 一言でいうと、描写がすごくうまい。と思った。 すごく短い話だけど、感情表現とか描写とか、納得がいく感じに ストーリーが進められていって、 あれ、突然?っていうのがない。 たぶん誰もが感じたことがあるような 焦燥感や、倦怠感。 自分がやりたいことと、やっていることと できることとのアンバランスさ。 好きなことを仕事にしている人は、少ない。 できることを仕事にしている人は多いように思う。 やりたくないけどできることもあれば やりたいけどできないこともある。 でも生きている。 何だか、強烈なデジャビューを味わったような そんな感じがした。
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半農半芸を描いた作品
夢を諦めきれないアーティストが青森を舞台に半農半芸の理想を求めた生活を描いた作品です。 役者、芸人、デザイナーがツリーハウスである樹の上家に集い、そこでの人間模様が描かれ、 最終的に嫌気をさした主人公がいびつな人間関係を暴露して、自立へと向かいます。 人物描写、風景描写、心理描写がよく描かれて読みごたえがあります。