幼児狩り・蟹 (P+D BOOKS)
This short story follows a middle-aged woman searching for crabs with her young nephew on the Sotobo coast. Beneath the calm seaside setting, it opens onto a complex inner world of attachment to children, shame, and loneliness.
Work Information
A seaside game illuminates the bent desire and loneliness lying deep within the woman.
"Kani" is one of Taeko Kono's representative early stories and was later collected in Shogakukan's P+D Books volume Yoji-gari / Kani. Without blunt explanation, it depicts feelings surrounding children through seaside actions and shifting gazes, distilling the unsettling view of human nature central to Kono's fiction.
Review Summaries
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Within the early stories, this piece is read as a precise exploration of distorted affection hidden in ordinary life. Its restrained narration leaves a lingering unease, and readers often value its finish as psychological fiction.
Book Information
- Publisher
- 小学館
- Published
- 2017-03-07
- Pages
- 336 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 12.8 x 2 x 18 cm
- ISBN-13
- 9784093522984
- ISBN-10
- 4093522987
- Price
- 825 JPY
- Category
- 本/文学・評論/文芸作品
中年女性の屈折した心理を描く「蟹」他6篇 外房海岸を舞台に、小学一年生の甥と蟹を探し求めて波打ち際で戯れる中年女性の屈折した心理を描き、第49回芥川賞を受賞した「蟹」。 ほかに、知人の子供や道端で遊ぶ子供に異常な関心を示す、子供のない女性の内面を掘り下げた「幼児狩り」。 夫婦交換による男女の愛の生態を捉えた「夜を往く」、「劇場」など、日常に潜む欺瞞を剥ぎ取り、その“歪んだ愛のカタチ”から、よりリアルな人間性の抽出を試みた、筆者初期の短篇6作を収録。
Reviews
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ど変態
『蟹』 のネタバレ解題です。 読了後、「一体これの何が芥川賞?」と思われた方はお読みください。 私もそうでした。 あまりにも「蟹、蟹」が煩く感じ始めた後半で、過去に芥川賞全集で読了していた事をやっと思い出す。 (今回読んだのは、青山七恵の同賞選評で教えられるところ大きく、じゃあこの人の受賞作はと興味が。) この全集では河野さんの作風を知る手掛かりが少なく、身辺雑記の類と読みすごしていたわけです。 こんな変態小説を。 身辺雑記が芥川賞をとるわけないと今では分かっているので、 それなりに注意して読んで、思いやりの無い夫への恨みツラミというありがちな女流かなと。 静謐な身辺雑記ふうに内向、屈曲させて表現してと。 でもなあ、それでも物足りない。 で次は、妻の長い病気の経過中のセックスの不満の話じゃないかと思い至った。 ただ、どっちにしろ、男の子、肝心の表題となってる蟹とうまくつながらない。 で、選考委員の選評を検索して読み直し。やっと手掛かり発見。 さりげないけどハッキリと房事、性嗜好の記載が以下のように。 「人並みのふうでは情熱を感じえない悠子は、病気になってからも…より激しい刺激を要求する。 …そう言いながらも、彼の手はもう強くなっていた」 これでやっと、SMの世界を書いてるという世間一般の河野多惠子常識に到達。 (ちなみに谷崎潤一郎に並ぶ変態作家、川端康成委員ですら、 「「蟹」に授賞することも、…、私はうなずきかねた。…丁寧に読み直してみた。…読み直すと、作意がよく伝わって来た」 ということで読みすごしているようだ。) で、サド旦那とマゾ妻の線から、「転地療養」という名の(逆)放置プレーが舞台設定だと了解。 既にして旦那を二回もスキーに行かせるも足りず(女中のツッコミとそれへの反応に注意!)。 で、放置プレーが著効して、生命力が蘇ったと。 すると、もう欲しくてたまらないわけです。ご主人様が。 で、見つけたと。 しつこく自分の欲望を押しつけてきて容赦無い若き暴君を。 蟹、蟹と。 そういう目線で見て初めて、二人が一緒に布団にはいり、 痒いところを執拗にかかされつづける辺りのエロチックな感じ、 さらに、段落最後の、 「小さな学生服は、…金ボタンを光らし、短い両腕をうんと構えて高いところで威張っている」 という一文のど変態が理解できるわけです。 こう読むと、最後の最後で、マゾ女が本気で子供を叱りつけたことも理解できます。 仮に世間の目を、優しい伯母さんが甥っ子のわがままに付き合ってあげてるかのように、 誤魔化すことができたとしても、 自分の所有物たる妻の体に傷が残るの嫌がって手術を受けさせてくれないサド夫が、 マゾ妻の真意、別のご主人に服従したスケベ心を見逃すはずがないからです。 放置中の浮気というマゾにあるまじき失態を「羞恥」したわけです。 けれど、最後の子供との会話が変態の極致。 どこまで喋っていいかのギリギリ際どい線を浮気相手と契約して、いける限りはプレーを続行と。 ここの考えたフリ、ほんとにちょっと考える、って記載の変態性に感嘆しました。 谷崎潤一郎の継承者ってことなんですね。コッチ方面の。
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