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夜と霧の隅で (新潮文庫)

Akutagawa Prize

夜と霧の隅で (新潮文庫)

Morio Kita

The title story portrays psychiatrists struggling to resist the Nazi policy of killing mentally ill patients in the final phase of World War II. In an extreme situation, it sharply questions human anxiety, ethics, and the limits of medicine.

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Work Information

Facing another form of Auschwitz, the doctors move toward desperate choices in an effort to save their patients.

An early collection by Morio Kita. The title story, winner of the 43rd Akutagawa Prize, is set in a psychiatric hospital under Nazism and follows doctors cornered between the lives of their patients and the demands placed on medical judgment. The volume also includes works such as Iwaone nite and Hane ari no iru oka.

Review Summaries

  • It is valued as an early work where clear reasoning and lyricism meet, leaving a strong impression through its gaze at human contradiction despite the grave subject matter.

Book Information

Publisher
新潮社
Published
1963-07-30
Pages
304 pages
Language
日本語
Size
14.8 x 10.5 x 2 cm
ISBN-13
9784101131016
ISBN-10
4101131015
Price
737 JPY
Category
本/文学・評論/文芸作品

もう一つのアウシュヴィッツ――「安死術」。 ナチスの指令に抵抗する精神科医たちの苦悩と苦闘。芥川賞受賞作を含む、初期傑作5編。 第二次大戦末期、ナチスは不治の精神病者に安死術を施すことを決定した。その指令に抵抗して、不治の宣告から患者を救おうと、あらゆる治療を試み、ついに絶望的な脳手術まで行う精神科医たちの苦悩苦闘を描き、極限状況における人間の不安、矛盾を追究した芥川賞受賞の表題作。他に「岩尾根にて」「羽蟻のいる丘」等、透明な論理と香気を帯びた抒情が美しく融合した初期作品、全5編。 目次 岩尾根にて 羽蟻のいる丘 霊媒のいる町 谿間にて 夜と霧の隅で 解説 埴谷雄高 本書「解説」より 人生においてあまりに多くのことを考察しなければならぬことを否応なく知っている北杜夫の文学は、当然、たとえそれが困難であるにせよ、考察する文学とならざるを得ないのである。そして、或る不思議な目標に執着する人間の精神の明暗の奥部を考察しようとするこの作品集は、いってみれば、現代という不気味な現実の前に提出されたところのさまざまな違った角度から書きあげることを試みられた精神解剖学序説といった趣きを呈している。 ――埴谷雄高(作家) 北杜夫 (1927-2011) 東京青山生れ。旧制松本高校を経て、東北大学医学部を卒業。1960(昭和35)年、半年間の船医としての体験をもとに『どくとるマンボウ航海記』を刊行。同年、『夜と霧の隅で』で芥川賞を受賞。その後、『楡家の人びと』(毎日出版文化賞)、『輝ける碧き空の下で』(日本文学大賞)などの小説を発表する一方、ユーモアあふれるエッセイでも活躍した。父親斎藤茂吉の生涯をつづった「茂吉四部作」により大佛次郎賞受賞。

Reviews

  • 感動した

    感動した

  • 精神科医の一面をうかがわせる

    5作品からなる短編集。ユーモアエッセイの印象が強い著者だが、精神科医の一面をうかがわせる。 タイトル作は、大戦時のドイツで、ナチスの優生思想に飜弄される精神科の医師らの姿を描いている。国に命を奪われそうな精神を病んだ人々を、無茶な脳手術等で治そうと苦闘する医師。全くの善意からではない故に鬼気迫るのだ。フランクル「夜と霧」を想起させるだろう。 他、登山路で見つけた滑落死体とそこで出会った男とのひと時「岩尾根にて」、台湾で蝶の採集人が見た希少種にまつわる昔語り「谿間にて」など。【芥川賞】

  • 予定日は余裕をもってお知らせしてほしいです

    到着予定日を過ぎて問い合わせしてから届いたので、不安になりました。 問い合わせへの回答が遅かったのも不安の一因でした。 商品は普通に古本感(使用感)のあるものでした。

  • 文学への扉を開いてくれた思い出の名著

    著者のエッセイばかり読んでいた私が初めて手にした文学作品だ。 もう50年も昔のこと。 テレビニュースで見た事件から、ふと本書を思い出した。 読んでいるときのゾクゾク感は50年前と何も変わらない。 名著の凄さを改めて思い知らされた。

  • 表題作と4つの短編の組合せが絶妙。

    この本には、表題作のほか短編が4作品納められています。 その短編を読んで、いよいよ本編が始まるのですが、この組み合わせが絶妙だと感じました。 『夜と霧の隅で』は、ベルリン陥落直前のドイツの精神病院が舞台になっています。 人間とは何かを痛烈に感じさせられますし、国家が精神病患者の様に妄想を見ている時代の不気味さが伝わってきます。 そういう精神性のようなものを感じ取るのに、4つの短編がガイダンス的な働きをしているのではないかと思ったのです。 短編の一つ一つも実に奇妙で感覚的な作品です。 ぼんやりと人間って何だろうという思いが膨らんできます。 そして、本編ともいうべき作品の扉が開かれます。 この作品が芥川賞(新人賞)受賞作ということに今更ながら驚いています。

  • 夜と霧の隅で

    大変面白かった。個人読書履歴。 一般文学通算4作品目の読書完。通算4冊目の作品。1972/05/20

  • 考えさせられました。

    医学生に読んでもらいたい作品ですね。 そして自己の内面に問うてみてください。 どのようなドクターになりたいかを。 全ての学問の中で、医学ほど面白く残酷なものは無いと思える作品でした。

  • 幽霊じみた罪悪のキャンディー

    芥川賞受賞の表題作ほか4編を収録。北杜夫の非主観的な論理が発揮された作品ばかり。特に真価を発揮しているのが表題作だろう。 極限状況における客観性とはどうしようもなく絶望的でありながら、全否定できない甘美さがあるのも事実。そもそも客観性とは 何なのか?その本質に斬り込む。形は同じ人間。ただ罪悪の味は千差万別。一方死は死でしかない。同じ味。ただ形はバラバラに 砕け散る。。答えのないテーマ。 さて、他の作品も面白い。生と死がダイレクトに交錯する断崖の岩場において展開する催眠的な物語「岩尾根にて」。 ある男女の背徳と、幼子の無限大の純真を、羽のない蟻と羽のある蟻に見立て現実の諦念を鋭く説いた「羽蟻のいる丘」。 どうしても形式化される学問の性質と、証明不能な霊魂の存在を対照的に描き、人間生活の不可避なペテンと小さな生甲斐を 垣間見せる「霊媒のいる町」。 執念も突き詰めすぎると餓鬼のごとく。蝶採集に貪欲にこだわったある男の悲喜劇「谷間にて」。 北杜夫の初期作品を満喫できる一冊です。

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