Shimasei Romance Literary Award
欲望 (新潮文庫)
A love story about the relationship between a young man with sexual dysfunction and a married woman seeking physical pleasure alone.
Work Information
A story of two people caught between love and desire.
Winner of the fifth Shimase Romance Literary Award. It was published as one volume in a trilogy following Mubansō and Koi.
Book Information
- Publisher
- 新潮社
- Published
- 2000-03-29
- Pages
- 493 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-13
- 9784101440149
- ISBN-10
- 410144014X
- Price
- 781 JPY
- Category
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
三島由紀夫邸を寸分違わず模倣した変奇な館に、運命を手繰り寄せられた男女。図書館司書の青田類子は、妻子ある男との肉欲だけの関係に溺れながら、かつての同級生である美しい青年・正巳に強くひかれてゆく。しかし、二人が肉体の悦びを分かち合うことは決してなかった。正巳は性的不能者だったのだ――。切なくも凄絶な人びとの性、愛、そして死。小池文学が到達した究極の恋愛小説。
Reviews
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小池さん自らの生きた時代の足跡をたどる旅のようにも思う
初出は1997同名で新潮社。読んだ文庫本も12刷と人気の作品らしい。500ページ弱にもおよぶ作品である。小池さんの最近の作品(ふたりの季節)のアマゾンでの評価がそれほどでも無い理由は「恋」「欲望」等のある種、非日常的でインモラルで殺伐としてミステリアスである文脈が変化して温かみのある作品に変化したからだろうか? さて本作品は主人公青田類子の中学時代から中年まで(33で結婚し13年が過ぎた現在で終わる)の生き様である。おそらくは小池さん自らの生きた時代の足跡をたどる旅のようにも思う。 正しい人生だとか間違った人生などという区別が無意味な様に、多様な恋愛の形があることを類子の生きた人生をなぞりながらストーリーが進んでいく。 そしてふと今まで生きて来た足跡を振り返って眺めてみた。確実に心に刻み込まれた人生の襞を時に愛おしく撫ぜながら今を穏やかに生きている。 そんな小池さんの人生なのかなと思った作品である。
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10年以上ぶりに再読
孤独で卑屈だった学生の頃にこの作品を読んで心に刺さりました。 再読してみると全然当時と違う感覚に(当たり前) 阿佐緒が魅力的すぎて主人公が霞んでしまう՞՞主人公には気持ちがあるようには思えなくて辛い。もう少し主人公の魅力的な描写もほしかった。
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まだ途中
まだ途中までしか読んでいませんが、とても興味を惹かれる内容です。私のように年を取ると中身が実感として伝わってきます。
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著者の三島由紀夫に対する回答
三島由紀夫の話題が全編の下敷きになっている。 著者の三島由紀夫に対する、あこがれと一つの回答になっている。 登場人物が、著者の三島由紀夫に対する回答の道具になっているかもしれない。 次々に亡くなっていく知人達。 生き残った主人公の思いが不透明。
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k・k
何とも言えない恋愛、はまりました。又読みたいですね!よかった。
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人が恋愛に求める核の部分
まず、読み終わったときに身動きが取れなくなった。こんなにも引き込まれ、まるで主人公の人生を自分がたどったかのような感覚になるのはこの本が初めてだった。そして、未だにこれ以上の恋愛小説に出会えていないと思う。 正巳と類子の切ない関係も、正巳の体に起こってしまった運命も、類子が正巳を求めてしまう感情も、場面の一つ一つがすべてなんとも形容しがたい気持ちにさせる。苦しいほど相手を想う恋愛をしたことがある人なら、きっとこの小説の素晴らしさに衝撃を受けるだろうと思う。
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もうひとつ
主人公達の生い立ちが独特で 面白い世界を 作りだしていく 二人の「死」が 唐突で 全体を壊してしまっているように思う 正巳が生き抜いて行く筋立てもあったのでは・・ 「死」で解決していくのは 「三島」だけです・・・・ 三島の邸宅は、独特ですね・・蛇足ですが・・・
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ずっしり重い読後感
交通事故が原因で性的不能となった青年との精神的な純愛という、悲恋の物語。女性がここまで心と肉を分けて考えられるのかどうか私には分からないのだが、主人公は一方で妻子ある男性と体だけの関係に溺れる。自分の愛する人とは決して肉の交わりを得ることはできない、故に激しく欲情してしまう。そして、最愛の人との精神的オーガズムという極地に到達した時、突然、肉欲だけの関係の男に興味が失せる。肉の喜びを味わいつくした上で、性的に不能の恋人と精神的な交合を欲する主人公と、肉体の快楽を味わったこともなく、セックスを観念でしか捉えられない青年の絶望。二人の会話のひとつひとつが、本当に切ない。二人で、南の島での静かな休暇を楽しんだ最後の日、沖へ永遠に泳ぎ続ける青年の姿。それをも彼の人生における至福の瞬間であったと、甘美な思い出にしてしまう主人公。 性描写はあっさりしているが、精神的オーガズムという新しい官能の世界を切り開いている。他の登場人物もキャラが濃厚で、作品に彩りと不気味さをかもし出している。作中、登場人物たちにより三島由紀夫の作品が何度も語られており、三島文学を読まなければこの作品を本当に理解することはできないのかも知れない。小池真理子の作品を初めて読んだが、もっと小池ワールドに嵌ってみたくなった。