楡家の人びと
The House of Nire is Morio Kita's long novel about the Nire psychiatric hospital in Aoyama, Tokyo, and three generations of the family around it. Against the movement from Meiji into Showa, it layers comedy, loneliness, and decline around the expansive Dr. Kiichiro Nire.
Work Information
A lively family chronicle around a great hospital reflects the light and shadow of modern Japan.
A broad family novel modeled on the author's own lineage. The Shincho Bunko edition is issued in three parts, while the single-volume edition is documented as a 581-page work. Set around the Nire hospital, it depicts family life and historical change with humor and unease.
Book Information
- Publisher
- 新潮社
- Published
- 1993-09-01
- Pages
- 581 pages
- Language
- 日本語
- ISBN-13
- 9784103062301
- ISBN-10
- 4103062304
- Price
- 825 JPY
- Category
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
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Reviews
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楡家の人々に明治から昭和の日本を読む。
脳外科病院の院長である楡基一郎。どちらかといえば素っ頓狂であるけれども、妙に病院の入院患者には信頼され、また病院に従事する人たちからの評判も悪くない。その楡基一郎から孫の代に渡る家族と楡家に関係する人たちの物語である。すなわち時代は明治から昭和までの、原稿2000枚に及ぶ長編となっている。 読んでいると、楡基一郎の、なんとしても見かけだけは一流にしておきたい性格による日々にニタリと笑い、北杜夫の人物描写の上手さに、後になって思い出し笑いをしてしまう、愉快になる作品である。ところが第1部から第2部に読み進めていくうちに、ふっと「これは笑えない。実は楡家の人々とは、本当は本を読んでいる自分ではないか」という思いがし始め、ついには自分にとどまらず、日本の明治から現代に至る国の在り方、日本人の作ってきた歴史そのものは、あまり威張ることのできない、ある意味軽々しいものではなかったのかという思いに至るのである。 この作品には、明治維新後、西洋風に洋服を着て表だけは新しい文化、西欧やアメリカを最上としながらも、中身の方はいっこうに丁髷時代と変わらない日本人がいる。あるいは第二次世界大戦で戦死していった楡家の人たちに関わった人は、勇敢に戦って戦死したのではなく、防空壕のすぐ脇でアメリカの爆撃を見学している間近に爆弾が落ちて死んでいった者、空母の上の戦闘機が艦上で横ぶれし、それに跳ねられて死んでいった者などが書かれている。そうした文面を追っていると、現在、日本で憲法第9条の改正も言われるなか、あの戦争は何であったのか、そうした思いにも至る。 もちろん北杜夫は、この作品のなかで日本への批判も、人の生き方への考察もおこなってはいない。淡々と楡家の人々と楡脳外科病院の姿しか書いていない。本の函裏に三島由紀夫が「一楡病院の年代記が、つひには日本全體の時代と運命を象徴するものとなる」と評しているが、これはずっと前に読んだ時に、私が感じるものではなかった。今回、再びこの本に出会い、そして読み終え、こうした本が今も残されていることをうれしく思うのである。
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十分満足です。
外見は 大変焼けておりましたが、中は折線ひとつなくベストでした。ただ同様で、申し訳ないような感じです。
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久しぶりに読んで改めて感服・・・?
斎藤茂吉も斎藤茂太も北杜夫も大変だったんだなあ、と感動というか同情というか・・・。どんな家族、一族にもそれぞれ他人には語りにくいことってあると思うが、それにしても「楡家」(斎藤家)の歴史たるや何とも言い難い。高校生の頃読んだ時は「変な人々」それだけの感慨しか抱かなかったが、今回、北杜夫氏が亡くなったのをきっかけに再読したが、思わず「うーむ」と唸った。年齢によって変わってゆく感性、それを実感できる秀作です。
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楡家の人びと
大変面白かった。作品紹介は次のとおり。楡脳病院の七つの塔の下に群がる三代の大家族と、彼らを取り巻く近代日本五十年の歴史の流れ……日本人の夢と郷愁を刻んだ大作。 一般文学通算75作品目の読書完。通算75冊目の作品。1975/10/06
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壮絶なる一家の「常識を超えた」生活
この話は、言わずと知れた著者の祖父から著者に至るまでの三代記である。 あまりに素敵な最初の主人公のはちゃめちゃな奇想天外なアイデアは、抱腹絶倒である。単行本で買ったが、これには、奇想天外な建物として描かれている楡医院の写真が登場人物一覧の裏に載っていた。法螺や冗談ではないのであった(今、この一枚の写真が見つからず悔やんでいる)。このように、まるでありえないような話が実話であり、それを更に大げさに、しかし、一貫性を持って描ききっている。 北杜夫の誕生は、必然であったのかもしれないと思わせる奇想天外な話の連続である。