荒仏師 運慶
A historical novel about Unkei, the Buddhist sculptor who left works including the guardian statues of Todaiji's Great South Gate. Set amid the Genpei conflict and the reconstruction of Todaiji, it follows the ambition and creativity of a genius while asking what beauty, work, and faith mean.
Work Information
From within a sculptor who lives only to carve, a new beauty rises.
First published in hardcover by Shinchosha and later reissued in Shincho Bunko. For the award-period hardcover, Amazon Japan, library bibliographic data, and publisher or review records confirm ISBN 9784103345329; ISBN-10 4103345322 is cross-filled. The later paperback ISBN is 9784101211824, but the original hardcover is used here.
Review Summaries
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The novel is valued for weaving historical events and figures into an inquiry into how Unkei became an extraordinary sculptor. Its questions about beauty and work give depth to the portrait.
Book Information
- Publisher
- 新潮社
- Published
- 2016-05-20
- Pages
- 364 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 14 x 2.9 x 19.7 cm
- ISBN-13
- 9784103345329
- ISBN-10
- 4103345322
- Price
- 3238 JPY
- Category
- 本/文学・評論
自分にしか彫れぬ仏とは何か。絶望も愛欲も仏に刻んだ天才運慶の濃厚な生涯。少年の頃「醜い顔」と嘲られた運慶は、それゆえ美に敏感となった。鎌倉武士の逞しい肉体に目を奪われ、女の姿態を仏の姿に写しとる。その手にあるのは鑿一つ。荒ぶる野心、快慶との確執、飽くなき美の追求。だが絶頂期、病が襲った……。戦乱渦巻く時代に、美と祈りのはざまで格闘し続けた天才のすべてを描く渾身の歴史小説。
Reviews
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運慶彫刻の力強さ
運慶の力強くダイナミックな仏像彫刻の真髄に触れたようで、感動ものです。
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まさに彫るよう
やや展開が早いのが難点だが、対象である運慶という人物を、まさに彫るように形作る。 特に快慶との確執と和解は、人間の成長していく様を見ているかのようだった。
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己の魂を彫像に捧げ、不朽の生命を刻み込んだ天才仏師の生涯。
運慶の名と作品は、歴史の教科書で知る程度であった。 が、年齢を積み重ね、旅で運慶・快慶を筆頭に様々な実物の仏像を目に触れ、調べていくうちにこの小説に出会うことができた。 この世に「運慶」と呼ばれる名が刻まれるとき、それは単なる仏師の名ではない。 むしろそれは、彫刻という行為を通じて永遠の命を追い求めた、一人の人間の熾烈な生涯そのものを指す。 梓澤要の小説『荒仏師 運慶』は、平安末期から鎌倉初期の激動の時代を背景に、運慶という天才が如何にして己の魂を刻み込み、芸術の不滅性を証明したかを描き出す壮大な物語である。 運慶の生涯を彩るのは、混沌とした時代の暗雲である。 貴族文化の退廃と、武士政権の黎明という激しい転換期。 その嵐の中で、彼は仏師としての使命をただ一心に追い求めた。 その手に刻まれる木肌は、単なる素材の枠を超えて、生と死、肉体と精神、永遠と刹那の交錯する場と化した。 東大寺南大門の金剛力士像。 その猛々しい筋肉と、いまにも動き出しそうな生命の躍動感は、観る者に圧倒的な感銘を与える。 それは、肉体の極限を写し取った写実主義でありながら、同時に仏教的真理を顕現させる神秘的な行為でもある。 運慶がその彫像に込めたのは、ただの宗教的信仰ではない。 それは芸術の名を借りた、彼自身の魂そのものだった。 この小説は、彼の彫刻がいかにして時代の要請と向き合い、そしてそれを超克するものであったかを克明に描き出す。 運慶は、父・康慶から受け継いだ技術や伝統に甘んじることなく、己の信念と美学を礎に、時代に逆らいながらも時代そのものを超越する芸術を追い求めた。 その姿は、創造の歓喜と破壊の苦痛という相反する力を抱えながら、自己を燃焼させる存在者そのものである。 物語に描かれる時代背景もまた、運慶の作品の輪郭を際立たせる要素だ。 平家と源氏の抗争、宗教と政治の複雑な力学、それらの全てが運慶という人間を形作る素材となる。 この歴史の荒波の中で、運慶は己の作品を通じて、不変の真理を追い求めた。 彼の彫像が単なる時代の産物にとどまらず、永遠性を獲得しているのは、この魂の闘争があったからに他ならない。 『荒仏師 運慶』は、芸術家としての運慶が体現した孤高の精神を描くと同時に、時代に抗い、己の魂を刻み込む行為がいかに普遍的な意味を持つかを問いかける。 梓澤要の筆は、歴史の事実を超え、芸術という名の真理を探究する光のように、読者の心に深く突き刺さる。 そして、運慶の名が示すように、真の芸術は、時を超え、生命を超え、永遠に生き続けるのだ。 私のこれからの旅は、おそらく運慶をはじめ、日本を代表する仏像を追い求めることが増えるのは確かだ。
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丁寧できちんとしているが小説的ではない 快慶的であるが運慶的でない作品
彫刻の対象の本質に迫る精神性と大胆で革新的な表現を常に試むという運慶という仏師が 稀代の芸術家であり、本書では運慶に対し兄弟子の快慶が端正で整合された作品を 作る対称者として位置付けられています。 そして皮肉なことですが、この本の梓澤さんの筆は運慶の生涯を綴っているのですが 多分に快慶的であり運慶的ではないような印象を受けました。 運慶が幼少期の美しいものや仏に魅せられて仏師を志してから、今様謡の舞手と出会い 東大寺の焼き討ちで死別、やがて初作を世に産み、鎌倉武士の勃興に合わせて慶派の 棟梁として多くの仕事を手掛けてゆく。 僕らがよく知っている南大門の仁王像や八大童子といった運慶作品達が時代を追って どんな製作エピソードや創作の意図や苦心を伴って世に生まれてきたのかが時代の 流れとともに綴られます。 その筆致は丁寧で誠実ではあるものの、ともすれば ”美術展ガイドブックのノベライズ版的な 行儀の良さ ”といった盛り上がりに欠ける感を呼び込んでしまい、 「あれあれ、これは運慶のドラマなのに快慶的なタッチになってしまったなあ・・」 と冒頭の印象につながる次第であります。 でも、マハさんの作品でもあるように、現物の仏像を次々に検索して手元に呼び出して 慶派の逸品の見処や、創作者の心境に思いをめぐらしながら運慶のすごさを感服したり 次の展覧会では是非とも実物にお逢いしなくては・・・と仏像萌えを焦がすには とても役に立つ本でありましたよ。 おりしも上野では2017年この秋に運慶展が開催予定。行く予定の方はしっかりこの本で 勉強しておけば楽しめること倍増すること請けあいですよ。
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運慶ってどんなひと??
仏像好きでたまに仏像めぐりの旅に出ます。特に運慶・快慶が好きでどんな人だったんだろうと想像したりします。そんな私にとってこの一冊は「こんな人だったのかなぁ」と思わせてくれる本でした。面白かったです。
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omosiroi
yomiyasui
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仏師ナンバー1と言われる運慶の生き様
★2016年6月22日読了『荒仏師 運慶』梓澤要著 評価B~ B+ 平清盛から鎌倉幕府支配時代にかけて、南都奈良を根城に仏師として一時代を築いた運慶の一生を描く物語。 いかにも物語にしづらいであろう仏師というネタを上手にアレンジして、貴族の平安時代から武士の鎌倉時代への大きな歴史的転換点を絡めながら作品としている。運慶自身のことを本当に書ききれているかどうかは、何とも判断できないが、少なくとも一人の天才仏師としての矜持、生き様は書けていると感じられた。 東大寺南大門の阿吽の仁王像製作のくだりでの兄弟子快慶との軋轢と対決が描かれる。静と動の対照的な作風のぶつかりあい。そして、そのずっと後の和解など、本当にそうだったのではないかと思わされてしまうほどのストーリーの作り込みは興味深い。 六波羅蜜寺の空也上人像を小学生時代に見て、その口から出ている物体(阿弥陀仏の6体の小像)に強烈な印象を持っていた私には、その像を作った時の話が出てきて、ちょっと鳥肌がたったのは事実。(実際は運慶の4男康勝の作品) この本を片手に仏像写真を眺めながら読むともっと面白かったかも知れない。運慶作品写真集を同時に借りて読み進まれることをオススメします。(かなり酔狂ですが<笑>)
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円成寺 大日如来坐像
この本を読む前に円成寺の訪問をおすすめします。 運慶の作品と小説がコラボします。