Japanese Literary Awards

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罪の終わり

Chuokoron Literary Award

罪の終わり

Akira Higashiyama

罪の終わり is an award-winning work by 東山彰良. As the work recognized by the prize, it draws readers into its world through the concerns suggested by the title and the movement of its central figures.

award-winning workcontemporary literaturecharacter depictionmemory and time

Work Information

Through 罪の終わり, the work leads readers toward the author viewpoint and the core of the story.

For 東山彰良 and 罪の終わり, bibliographic records such as NDL Search were checked and identifiers were recorded only when the work could be tied to a book or monograph. This description frames the work as an entry point for readers encountering it through the award.

Book Information

Publisher
新潮社
Published
2016-05-20
Pages
277 pages
Language
日本語
Size
13.8 x 2.3 x 19.7 cm
ISBN-13
9784103346524
ISBN-10
4103346523
Price
2720 JPY
Category
本/文学・評論

読書の興奮を希求する紳士淑女の皆様へ。心配ご無用。東山彰良は裏切らない! 小惑星衝突後の世界。恐怖や暴力が蔓延し、他人を信じることも難しい。罪だけ増え続けていた。そこに彼は降り立つ。価値観を破壊し、悩める者を救済する。数々の奇跡、圧倒的な力。誰もが知りたがった。後世、神とよばれた男の人生は、どんなものだったのか――。『流』から一年。進化し続ける著者が放つ、世界レベルの最新長編。

Reviews

  • 漫画によく似たのがあった気がする

    寺沢武一だったと思うが、片目に世界とつながるコンピュータを組み込んだ主人公がいた。だいぶ時代を経て伊坂幸太郎も同じようなギミックの小説を書いた。なので、知る限り3作目の同じような眼球設定となる。単純に未来型西部劇小説として楽しんだ。「ブラックライダー」のあとに読んだので、すんなり物語に入れた。ただ、絶滅した牛の代替食料として、なぜ(普通は絶対に避ける)人の遺伝子を使ったのかという、根源的な謎が解けず、思索面においても前作に比較すると主人公が平板に過ぎた。娯楽作としては文句なし。

  • <神話>創造物語としては、大上段ではなく内省的な記述で、作者の思惟の拡がりを感じさせる秀作

    私は作者の「流」の壮大なスケール及びそれを描き切った筆力に惹かれて本作を手に採ったのだが、その期待を裏切らない充実した秀作である。発表順としては「ブラックライダー」(未読)の続編に当るが、時代設定はその逆で、ナサニエル・ヘイレンという青年が黒騎士(<神>)として伝説化される過程を内省的に描いている。所謂<神話>創造物語なのだが、小惑星の衝突(に対する核ミサイルの発射による放射能拡散)という「流」を上回る舞台スケールを用意しながら、作者の問い掛けは、上述の通り、大上段ではなく、内省的かつ客観的である。このためか、作家である別の主人公を用意して、この作家(ナサニエルと同時代に生きて、彼を追跡した)がナサニエルの伝記を書きあげるという体裁にしている。また、放射能拡散・地球環境破壊(福島原発事故の反映か?)の結果、限られた地区以外では<食人>が横行しているという設定。 勿論、イエスを意識してナサニエルを造形している(表紙には「Jesus Walking on the Water」とある)のだが、処女懐胎したマリアの息子としてのイエスとはその出自は対照的である。陰惨な産まれ・少年時代を持つナサニエルが、その後、"彼としては"自然に生きたのに、何故<神話>化されたか、というのが一つ目のテーマである。細かい点は本作を読んで頂くしかないが、伝記作家(=作者)のおよその見解は、(小惑星の衝突の様な)価値観の大転換及び人々の誤解(ナサニエルは<食人>をしていない)・期待の積み重ねが<神話>を生む(<神話>=虚構)というものらしく、読む者に考えさせる。二つ目のテーマは「罪によって罪を浄化できるか?」というもので、これまたナサニエルの言動を追って頂くしかないが、深遠なテーマではある。 登場人物(?)の中では飼い犬のカールハインツが一番印象に残り、実際に重要な役割を演じる。大掛かりな舞台設定に頼らずに、作者の思惟の拡がりを感じさせる秀作だと思った。

  • 重いテーマにも関わらず読後感は爽やか。

    ブラックライダーの前日譚ですが、どちらがという事なく違う物語としてそれぞれ楽しめます。 22世紀後半に地球環境は大きく様変わりし、劣悪な環境の中で人々は餓えにくるしめられます。テーマは重く、生きると言う事とは、死とは、餓死を免れるための食人に罪を問う事は出来るのか・・ブラックライダーと呼ばれる事となるナサニエル・ヘイレンは双子の知的障害のある兄と母を殺します。彼はその罪を背負って、なお沢山の人を救います。重く暗いテーマですが、読後感は爽やかです。それを可能としたのは純真で無垢な一匹の犬の存在です。 私は宗教とは無縁ですが、このカールハインツという犬の中に絶対の善を感じる事が出来ました。

  • これが超一流作家の想像力 現代の「聖書」

    キリストは生まれた頃から神だったか? 答えはイエスであり、ノーである。 聖書に照らせば、イエス。しかし、聖書が成立するまでを考えればノーである。 キリストは死後、弟子達がその生/聖を語り継ぐことによって神として成立した。 聖書はその成立までを巧みな物語に昇華することで、かほどに多くの読者(信者)を獲得したわけである。 キリストはかつて確かに存在したであろうし、聖書内のエピソードはきっと実際にあったことがそのままに(もしくは膨らませて)記されているはずである。そしてなにより重要なのは、その物語が一様ならざる面白さを備えているということであった。 著者は『罪の終わり』でこの神話の創造をまったくの想像力のみでなし得てしまったわけである。 圧巻だ。 そしてなにより重要なのは、この物語が一様ならざる面白さを備えていることである。 『流』という青春小説の大傑作を書いた後に、これなのである。 東山彰良という作家の豪腕ぶりには脱帽しきり。

  • 話の深さと面白さに充実した時間を過ごす

    『ブラックライダー』の前日譚とのことですが、それを知らなくても十分面白い(知っていたらもっと面白いのでしょう)。 人は何故に「神」を作り(逆ではない。これが肝だ)、何故に「宗教」に走るのか…という話を、SFっぽい世界で語った一冊。 そして、その世界観や、登場人物の心情(基本的に重いものしかない。或ることで絶望しかない世界での話だから)が 目に浮かぶのです。物語を読む面白さを感じさせてくれる作品です。 読み進める中で、やはり人は何かにすがらないと、一人では生きていけない生き物なのか…と考えさせられました。 後、洋書っぽい(というかそのまんまだ)装丁も見事。新潮社装幀室はいい仕事されています。

  • 人類と神様の正体が暴かれると言ったら言い過ぎか

    「ブラックライダー」の前日譚。小惑星ナイチンゲールが地球に衝突する前後の物語。生き残った人類が、人を殺して食べたりするなどグロテスクにもサバイブする姿は圧巻である。本作品は、小説家(ネイサン・バラード)が、ナサニエル・ヘイレンがブラックライダー(黒騎士)になる経緯を語る形式。架空の小説家が出版した本を東山氏が執筆するというメタ小説となっている。そのため、黒騎士になるナサニエルの行動が、主観的に書かれたり客観的に書かれたり、さまざまな角度で語られる。その効果により、人や犬が神のような存在になる過程の語りに深みを与えている。「ブラックライダー」を少し読みにくく感じていたのだが、「罪の終わり」はとても読みやすく、主にキリスト教的な観点になってしまうが、罪や赦しについて概念を理解できたように感じた。物語の主題は重いものだが、純文学ではなくエンタテインメント小説の範疇で書かれているので、読みやすく楽しめる小説となっている。

  • うーん

    ブラックライダー より力量を感じなかった 短い

  • ブラックライダーの前日譚

    ブラックライダーにはまった人なら ブラックライダーには及ばないなとか、 もう少しボリュームが欲しいなとか思いつつも、 確実に楽しめます。読み応えあり。 ブラックライダ―をこれから読もうかなと思っている方は、 本書を先に読むのも有りです。

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