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星夜航行 上巻

Funahashi Seiichi Literary Award

星夜航行 上巻

Kazuichi Iijima

"Seiya Koko" is a historical novel by Kazuichi Iijima, completed after nine years of work and awarded the 12th Funahashi Seiichi Literary Award. Through the life of Sawase Jingoro, a horse handler from Mikawa who is drawn into Tokugawa service, exile, trade routes through Sakai, Satsuma, Hakata, and Luzon, and Hideyoshi's invasion of Korea, the novel portrays a conscience that refuses to yield to power.

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Work Information

Like navigating by the stars, Sawase Jingoro moves through an age of upheaval without losing sight of his conscience.

This long historical novel was published by Shinchosha in two hardcover volumes in 2018. The first volume contains the prelude and the first two parts, following Jingoro as he leaves Tokugawa service and moves toward commercial cities and the maritime world. The second volume carries the story through expanding overseas trade, Hideyoshi's ambitions, and the mire of the Korean campaigns. Paperback and ebook editions have also been published.

Review Summaries

  • Critical response praises the novel as historical fiction that combines epic scale with lyricism. Through Sawase Jingoro's wanderings, it brings forward the suffering of ordinary people in war and a prayerful vision reaching across East Asia.

Book Information

Publisher
新潮社
Published
2018-06-29
Pages
533 pages
Language
日本語
Size
13.8 x 3.8 x 19.7 cm
ISBN-13
9784103519416
ISBN-10
9784103519416
Price
2780 JPY
Category
本/文学・評論

その男は決して屈しなかった。人が一生に一度出会えるかどうかの大傑作。徳川家に取り立てられるも、罪なくして徳川家を追われた沢瀬甚五郎は堺、薩摩、博多、呂宋の地を転々とする。海外交易の隆盛、秀吉の天下統一の激動の時代の波に飲まれ、やがて朝鮮出兵の暴挙が甚五郎の身にも襲いかかる。史料の中に埋もれていた実在の人物を掘り起こし、刊行までに九年の歳月を費やした著者最高傑作の誕生。

Reviews

  • 民草

    飯嶋和一の「星夜航行」を読み終えました。 ハードカバーの本をベッドで読むのは難しいですね。 でも、読み進めるうち、そんなこと言ってられないくらいひきづりこまれました。 会話部分も極端に少なく、硬い文章で森鷗外の読んでいるような気がしました。 舞台は戦国、徳川家康の長男・信康の小姓として側そばに仕えた沢瀬甚五郎は 罪無くして故郷を追われ、堺、薩摩、博多、呂宋の地を転々とする。 海商人として一家を成した頃、秀吉の朝鮮・明国への無謀な侵略に否応なく巻き込まれる。 この本ではかなりの部分をさいて小西行長、加藤清正ら秀吉軍の 傍若無人な侵略も様子が丁寧に描かれている。 『この戦乱で最も苦しんでいるのは、衆生、下々の民である。この朝鮮でも、日本でも、 恐らく明国でも、最も厄災をこうむるのは、いずこによらず民草なのだ。 この秀吉が起こした戦乱によって、親兄弟を殺され、夫や妻や子をうしない、 疫病は蔓延して皆飢餓に瀕している。』 九年の歳月を費やして書かれたこの小説は飯嶋和一の代表作になったことに間違いない。 近年の作家の中では出色の作家だと思う。

  • 大きな歴史の動きの中で民の心情を主人公の目を通して伝わってくる

    戦国時代の末期、織田信長が本能寺の変で斃れ、豊臣秀吉が天下統一を果たし、朝鮮出兵で厳しい戦いをしている時代の歴史小説。岡崎三郎信康が徳川家康の嫡男だったころに仕えていた小姓の沢瀬甚五郎を軸としている。 三郎信康は父家康から切腹を命ぜられ、甚五郎は主を失う。それから様々なことがあり海商人として活躍をする。ところが、朝鮮出兵に巻き込まれ、日本と朝鮮の民や兵士を苦しむ現実に直面する。 時代が大きく動く中で、有名武将ではなく、少し離れた視点での歴史を語られる。そのため、民の苦しみや心情が甚五郎を通じて浮かび上がってくる。非常に長い物語であり、読むのに少し時間がかかった。しかし、これでもまだ半分。下巻ではどのような物語が待っているのだろうか。期待しながら下巻に進む。

  • 星夜を航行する如く、天与の人生を生き抜く甚五郎の前半生。

    二十ページそこそこの「序文」で主人公「甚五郎」の先の見えぬ船出を暗示し、その船出に至ったなぞ解きをするのが第一部である。時代小説好きの多くの読者は徳川三郎信康の切腹の経緯は、己の後継信忠を凌駕する信康の才と器を恐れた織田信長が、信康とその母が武田勝頼に通じたという罪で切腹に追い込んだ為と思っている。 こんな徳川にとっては綺麗ごとの筋書きに真っ向から違うストーリーを上巻の半分を占める第一部で著者は展開していく。序文のイントロが効いていて、この詳細な記述と甚五郎の魅力にハラハラドキドキし、寸分の冗長さも感じさせずこの筋書きに引っ張っていかれた。お見事! 上巻の後半・第二部は「序」の縛りから離れ、甚五郎が堺・薩摩・博多・対馬を駆け巡りながら、船戦や商いの実践を学び有力商人等の知己を得ていく、ある面では雌伏と成長の時代が描かれている。主人公が家庭的にも小康を得た時代と思う。ただ九州・四国の平定や北条氏の滅亡・欧州平定等と時を同じくし、秀吉の妄想に端を発した朝鮮出兵、文禄・慶長の役に時代はなだれ込んで行く。新兵器鉄砲の威力で破竹の進撃をしていく第一軍小西行長第二群加藤清正軍の描写、そして李舜臣率いる亀甲船団による日本水軍の大敗と朝鮮義兵の活躍で補給路が絶たれだしたところで上巻はおわる。 一つ意外に感じたのは豊臣政権の文知派の一方の雄小西行長に対する好意的な筋書きである。歴史は勝者の記録なので、関ヶ原敗者で京の河原に首が晒された行長は加藤清正を差し置いて朝鮮出兵の最大戦犯的扱いになっている。でも著者は非戦論にこだわり続ける行長にスポットをいつも当てている。知勇の将・李舜臣が星夜に登場したが、われらの甚五郎の航行は「今だし」だ。下巻を読んでいくのが楽しみだ。

  • 作者としては集大成の積りかも知れないが、舞台・内容が発散しているために求心力が乏しい上巻

    上巻を読んだ時点での感想。私は「出星前夜」や「狗賓童子の島」等の作者の時代小説のファンなのだが、本作の冒頭には驚いた。貧困や死病に苦しむ民衆、それに立ち向かう医師や篤志家の情熱と正義といったテーマを扱って来たこれまでとは異なり、いきなり"お家騒動"とは。主人公の甚五郎は、家康の嫡男でありながら廃嫡・切腹させられた信康(築山御前の実子)の小姓(元々は馬飼い)。信長、家康、勝頼、築山御前、本願寺を中心とする一向衆といった著名人が登場し、陰謀が繰り広げられるが、これでは通常の戦国小説と大差ない。信康が勝頼・本願寺と結託して、信長・家康連合軍に歯向かうという構想は雄大ではあるが、惹かれるものがない。家康と築山御前との関係、信長と勝頼・本願寺との関係を考えれば結末は目に見えているからである。見所は、この間の事由を家康の家臣団の思惑を中心に非常に子細に描いた作者の筆力と信康を守るために刺客を何人も斬った甚五郎が味わう「無限地獄」であろう。 仏教臭くなった所で、第二部は舞台を堺へと移す。堺という土地柄と題名から甚五郎が世界へと航海で雄飛する展開を予感させる。その序章として、「本能寺の変」から九州征伐までの秀吉の天下統一の過程が描かれる。特に、九州征伐が詳しく、これは船乗りとしての甚五郎の門出であるが、何だか「黄金旋風」を想わせ、既視感が強かった。益々作者の意匠が不明。次いで、「唐入り」である。作者はこれを秀吉の蒙昧としている(定説)が、実は、西郷「征韓論」の300年近く先を行った政策(天下統一後は武士が余る)で、元々は信長の構想の真似である。それはさておき、島津領の山川港→博多港→対馬→朝鮮半島が当面の航路らしい。一方、「唐入り」の方は定説通りに非常に子細に語られる(小西行長の評価が高い)が、天草で甚五郎が大砲を打つとは驚きで、「出星前夜」の焼き直しじゃない。作者としては本作を集大成と考えているのかも知れないが、舞台・内容が発散しているために求心力が乏しい。家康への甚五郎の復讐は何処へ行ったのか ? 下巻に期待したい。

  • 著者の作品を読むのは、いつもながら楽しくてたまらない

    まだ上巻しか読んでいない。 『狗賓童子の島』から3年余、待望の新作である。戦国時代末の日本や朝鮮を舞台にした、上下巻併せて1000ページ以上の大作だ。 作品世界の濃密さ、物語のスケールの大きさ、魅力的な主人公などは本作でも十分に味わえる。 徳川家康の嫡男・三郎信康の自害後、「追い腹」で死んだ小姓・石川修理亮を殺したという濡れ衣を着せられた沢瀬甚五郎が寺に駆け込むところから幕は開く。甚五郎が修理亮と出会ったのは4年前のことだった。修理亮が甚五郎を馬に関することで訪ねてきたのだ。逆臣の遺児であったため、沢瀬という名字を捨て、暮らしに追われていた甚五郎だが、馬を扱う能力とその人品・人格に一目で修理亮は魅せられる。修理亮は甚五郎に再び沢瀬を名乗らせ、石川家に迎え入れる… 35ページまで読んだだけでも、権力や権威よりも自分の眼で見て、感じた世界を大切にする甚五郎の器量の一端がうかがえる。検地に関する部分や朝鮮出兵下の状況などでは、著者がこれまでの作品で描き続けてきた権力者への厳しい視点も健在だ。448ページから登場する宋象賢のような人物を描くときの“冴え”にいつもながら感嘆するしかない。 著者の特徴ともいえるディテールに拘った描写を煩わしく思う人もいるかもしれないが、例えば、馬に関する部分など、馬に接したこともなく、乗馬もしない私が読んでも、臨場感が感じられる。これこそ小説を読む醍醐味と言えよう。また、他の作品同様、主人公の甚五郎が爽やかで清々しすぎるように思えなくもないが、逆臣の遺児というハンデ、次々にやってくる苦難、権力欲にかられ彼を苛む人たちの心無い仕打ちなどを読むと、ついつい肩入れしてしまう。 なお、インターネットの記事で知ったが甚五郎は実在の人物だということ。 内容紹介にある「人が一生に一度出会えるかどうかの大傑作」という文言はさすがに微妙だが、数年に一度の傑作であることは間違いない。

  • 100年残る名作

    帯に書いてある通り、一生に一度、出逢えるか、出逢えないかの作品。 飯嶋和一さんは、小説家というよりは、もはや、思想家です。 彼の、眼差しは冴えている。 この、眼差しこそが、この作品の重層低音である。 一度は読んでみる作品だと思います。

  • 貪るように読む

    待ちに待った新作。貪るように上下巻読了。 いつもの飯島節は健在で時代に翻弄される主人公の生きざまを描いています。 しかし、まさかこんな展開になっていくとは全く想像できませんでした。 これから読む方のために詳細は書けませんが、時間の掛かる小説だと思います。価格も高価なので気軽な気持ちで読み始めてはいけません。気合を入れて取り掛かるように。 次回作は何年後になるかわかりません。それまでに3周はすると思いますw

  • やっと読了しました。

    飯嶋さんの新作ということで飛びつきました。上下巻、約半年かかりました。他の方も書いていますが、登場人物をもう少し整理した方が読みやすかったと思います。とにかく膨大な量の日本人名、朝鮮人名、明国人名が出てきます。本筋にあまり関係のない細かい描写にも閉口しました。朝鮮侵略の戦闘、戦術場面が詳細を極め、この本に飛びついた自分を恨みました。

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