デッドライン
Deadline follows a graduate student rushing toward his thesis deadline as scholarship, desire, friendship, and bodily sensation intersect. Philosophical thinking and urban everyday life overlap under mounting time pressure.
Work Information
Thought under deadline pressure unsettles the borders of friendship and desire.
Shinchosha and NDL confirm the original book's ISBN, page count, and description. It won the 41st Noma Literary New Face Prize.
Review Summaries
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Readers note the coexistence of intellectual dialogue and bodily urgency. The transformation of philosophical language into narrative speed is admired, though the density of the voice divides responses.
Book Information
- Publisher
- 新潮社
- Published
- 2019-11-27
- Pages
- 168 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 13.5 x 1.8 x 19.7 cm
- ISBN-13
- 9784103529712
- ISBN-10
- 4103529717
- Price
- 1000 JPY
- Category
- 本/文学・評論
もったいない。バカじゃないのか。抱かれればいいのに。いい男に。珊瑚礁のまわりで群れをなす魚のように、導きあう男たちが夜の底をクルーズする――。ゲイであること、思考すること、生きること。修士論文のデッドラインが迫るなか、動物になることと女性になることの線上で悩み、哲学と格闘しつつ日々を送る「僕」。気鋭の哲学者による魂を揺さぶるデビュー小説。
Reviews
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読み心地が良かった
日常の掬いきれなかった感情を掬いとって、一つひとつ味わわせてくれるような小説でした。 量も多すぎず、取り扱われる題材は難解そうなのに自然とスラスラ読めるのが心地良かったです。
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やめてしまった「知子」の視点
2019/5月に読んだ「アメリカ紀行」に触発されて、同じ哲学者による小説「デッドライン」(千葉雅也 新潮社)を読む。 内部進学で大学院の修士課程に進んだ僕がその修士論文を書き上げようとするデッドライン(締め切り)までの日々が羨ましいほどの清冽な感性で描かれています。スピノザに触れ、時間に引き裂かれ、近くにいる他者と新たな自己に気づき、ジル・ドゥルーズ、ヒエロニムス・ボスのはざまで欲望とその境界線について思考し、動物になり。。。と書いてきて、まあ、キャッチコピーのようなレビューは無駄なのだということに私自身も気づくことになりました。「デッドライン」は、「大人」になるための「デッドライン」を超えた物語と言ってしまってもいいのかもしれません。 この時まで、知る限り描かれることのなかったゲイの<感性>と言ってしまっていいのか?しかし、「夜の底で回遊する魚のように導きあう男たちの」吐息を感じさせる透明な文体、「アメリカ紀行」を読んだ時にも感じた「過剰」さの欠如を思いました。 作者は、数箇所、「知子」の視点から物語を描こうとしてやめていますね。「知子」を愛していたから?まさか。「知子」に寄り添いたかった?違いますね。「知子」になって、「知子」を描きたかったにも関わらず頓挫したのかもしれません。それは、同性愛者であれ、異性愛者であれ、描き切ることは困難なことなのでしょう。何故なら、作中の僕は「知子」ではなく、私もまたこの小説の作者ではないから見えてこないだけなのかもしれません。でも、次に作者は「知子」の物語をきっと書いてくれるでしょう。
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いまいち
読み進めてもいまいちな感じ。
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センスの塊(かたまり)
学生の頃、敷居が高い池袋リブロに『千のプラトー』があって意味も分から ずに賢くなれそうで買ってみたいと思ったタイプなので、どストライク な小説です。在り方がカッコよくクールでイケてる大学院生が主人公 の観念的で思弁的な小説でもあります。ワインなどに良く似合うファッショ ナブルな小説でもあったりします。ドゥルーズや荘子が伏線となっており小説 の骨格にも影響していることが窺えます。ゲイであることが特権的に見え てくる一冊です。この本を読むと哲学にハマっても良い!と思えてくるが、 本棚を追加する羽目になり哲学の森の中を迷子になるのがオチであるので 流石に恐くて躊躇してしまいます。これ以上は一線を画することになりそうです。 ファミレスチェーンがご愛嬌でチャーミング、個別店となると趣が変わり、 『33年後のなんとなく クリスタル』になってしまう感はあります。 最高学府出身による最高のアーバンライフを提供して頂き堪能致しまして これ以上ないと言っていい位にとても贅沢なおもてなしの時間を過ごせました。 パラノキッズやスキゾキッズなどに関連して円環や逃走線などが想起させら れる内容ですが、個人的には難しいところなので…。 ランティエから個人事業主への転換ほどに劇的であります。 動物性というよりメタの先にポストヒューマン性を内包しているような 新しい人間像というかを感じた気がしました。とにかく進んでいます。 用意周到に計算尽くされているかもしれませんが、センスそのものです。
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あまり理解できなかったけど、印象に残った
理解力のない私には、難しい本でした。 本書がメインとしていること、描こうとしていることとは、だいぶ的外れな感想になります。 頭のいい人たちが、引っ越し荷物をうまく詰めないことや、粗大ゴミをちゃんと出せないこと等が書かれていることが、いいな、と思いました。 コーヒーメーカーが割れるところで言う、余計な一言や、「僕は、すべてをやり直さなければならない。〜」のところに、人間性を感じました。
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荘子とドゥルーズとデリダと
淡々と流れるような文体。 振り切ったのだろうか?締切を守らない経験を経て。 ゲイであること。女になる?動物になる? 物語化をしないことへの抵抗が自然に描かれ、小説の最初も最後もやっていることは同じの妙。 これがセンター試験現代文に出たらおもしろい(→絶対出ないか)。
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文学舐めんな
新進気鋭の(といってももう50近いが)現代ポストモダン哲学者だかなんだか知らんが、文学を舐めるなと言いたい。 セックスのことしか頭にない青年がフラフラ遊び歩いて論文を書くんだか書かないんだかわからないで終わる、それだけの与太話につき合わされたこっちが罰ゲームである。 こんな代物が新人賞やら芥川賞やらでもてはやされることが日本の「現代文学」の貧困、幼児化を表している格好の思考材料になる、としか言えない。 改めて言おう、てめえ(ら?)文学舐めんな。
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切断と生成の反復
ハッテン場に入り浸ったり、大学や中学の友達と遊んだり、大学で授業を受けたりしている、大学院で哲学を専攻するゲイの青年が、研究に苦しんだり、自分の性に悩みながら過ごす日々を、かなり淡々と追っていく小説、というふうにすじを書けば、あっさりと終わってしまう。 この小説のキモはすじなどではない。 小説は基本的に単起的な情景(もしくは説明文)が一行開けで繋げられて構成されている。前半に描かれる映画サークルでの撮影情景や大学での授業の模様、ゲイバーの場面など、一個一個は省いても差支えない単起的な情景が、ぽっぽっぽっと時系列でそれぞれの場所に配置されている。それは、修士課程の二年間を、小説全体の分量に圧縮して、サークル、ハッテン場、大学生活、研究と、そのときどきで最も必要と思える情景を選択し、それぞれ過ごした時間の割合に応じて配置したかのようだ。それぞれが孤立した単起的な情景(もしくは説明文)を並べる構成からは、作者が意図的にテキストをばっさり切断している(語りで繋げようとしていない)印象をうける。主人公や読者、あるいは作者自身から小説を引き離しているようだ。だが、一つの断片から引き離されると、すぐにまた次の断片が立ち上がってくる。それがまたすぐに終わると、また次の断片が一から立ち上がってくる。こうやって切断と生成を繰り返す断片を一ページ目から順を追って読むことで、読者は自然と自分のなかでそれぞれの断片を結び付けようとする。能動的に小説に参加することを求められる。そのことで大学院の生活がより生き生きと現前し、後半の主人公の追い詰められていく気持ちがすごくリアルに伝わってくる。 沢山の単起的な情景が描写されることに応じて、沢山の人物がでてくる。けれど、特に印象に残るのは指導教官とあと一人、二人くらいで、一人ひとりとの関係を深く掘り下げたりはしない。指導教官が影響を与えるくらいで、あまり特定の人物が主人公に影響を及ぼすという、青春小説によくあることもない。人物が深く描かれていないというと、普通ネガティブなことだけど、この小説ではそのことで、希薄な人間関係がよく表現されており、その場その場で主人公が付き合いに応じて自分を変化させることで、なんとか生活している感じをだすことに寄与している。 小説は本当に淡々と描かれて、いきなり大きな変化がやってくる。無意味なことばかり書いていて、いきなり急展開がやってくる、という点は柴崎友香の『寝ても覚めても』みたいだ。『寝ても覚めても』のようにこの小説では単に情景を丁寧に描いている以上に、急に知覚が研ぎ澄まされたかのような描写がある(授業を受けていて窓際に座っている安藤の頭が光に包まれて見えたりとか、純平とドトールで話していたら足元をさっと影が走ったりだとか)。こういう、読んでいてつっかかる箇所は、読書後に鮮やかな印象を残す。こういう細部にも、この小説の素晴らしさはある。 これが初めての小説ということですごい才能としかいいようがない。 哲学的な思索が面白かったので、ドゥルーズの哲学と自分の経験から、女性になることと、動物になることの関係についての考察をもっと読みたかった。そのため星を0.4減らして4.6。