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ゼツメツ少年

Mainichi Publishing Culture Award

ゼツメツ少年

Kiyoshi Shigematsu

ゼツメツ少年 is an award-winning work by 重松清. The available bibliographic record identifies it as the work associated with this award entry.

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Work Information

ゼツメツ少年 by 重松清.

This entry records bibliographic research for ゼツメツ少年 by 重松清, matched against the award record and library data.

Book Information

Publisher
新潮社
Published
2013-09-20
Pages
397 pages
Language
日本語
ISBN-13
9784104075126
ISBN-10
4104075124
Price
1760 JPY
Category
本/文学・評論

これは、あなたが読んだことのない重松清――本当の救済がここにあります。小説家であるセンセイに、ある少年から旅の詳細を記した手紙が届く。それは、生き抜くために家出をした三人の少年少女の記録だった。しかし現実の彼らはある事故に遭っていた――。ナイフさん、エミちゃん。手紙にはセンセイの創作した人物まで登場する。これは物語なのか、現実なのか。全ての親へ捧げる、再生と救済の感動巨編。

Reviews

  • 生者への一番大事な伝言、死者に届ける最高の希望

    その空間の全員が、薄ら笑いを浮かべながら、ぼくを包囲し、こづきまわし、足蹴にし、論理も倫理もない、ただ群れの腕力だけによる、見せかけの屁理屈で、ぼくをなぶりものにし、それが、どこでもどこまでも続けられる。 町や村や軍隊や城や牢獄で、人間集団の歴史上、この種の暴虐はけっして絶えたことなどなかったでしょうが、前世記後半、学校でもむごいこれがあると気づかれたとき以来、「いじめ」という名詞形が良く口にされるようになりました。 この濁流によって、家族に先立たれたり、あるいは、自分も後を追ったりせざるを得なかった人たちに、文学は何ができるのでしょうか。 この小説は、絶望のうちに旅立ったように見える死者たちに、けっして安易にではなく、ぎりぎりのところで、一縷の、あるいは、もしかしたら最高かも知れない希望を届けようとする試みだと思います。それとともに、生者たちにも、あらゆる大事なことの中でも、あまりにも根本的過ぎて、言葉にもされ忘れることさえある伝言を伝えています。 しかし、それは簡単なことではありません。生と死、現実と空想が重なるこの小説の構造は、少し複雑で、かならずしも明確ではないのです。(かと言って、けっして読みにくいわけではありません。重松さん特有の子どもの語りは健在です)。けれども、空間が単純で一つしかなければ、逃げ場がまったくなくなってしまうでしょう。世界は一重ではなく、いくつも折り重なっている、これが希望なのです。 このように空間がやや難しく重なりあう中で、とてもわかりやすい希望も描かれています。「早く続きを話せ」と急かさないで聴いてくれるおとな。「きみのつらさを、わたしは知っているよ。だから、無理しなくていいよ」と言ってくれる人。 そして、先立った人をひとりぼっちにさせまいと、想像力で文字をつづる作家。 イジメは卒業すれば終わる。終わっても学校生活はやり直せない。けれども、死なないでいれば、おとなになって、親になる者もいる、うちの子がそうだ、と語る、もうじきおじいさんになるお父さん。 こうしたことに加えて、文学そのものが希望の作業だと著者は示唆しています。文学の役目は、生き残っている者の役目は、死者たちの生にあった大切な意味を探し求め、見つけ出し、語ること、これがほんとうの希望ではないかと。 また、絶望一色だったとしか思えない死の間際にさえ、じつは、死者は希望を抱いていたのではないかという思いを重松さんは、家族や第一発見者たちの言葉に託しています。追い込まれた死の美化、と誤読される恐れを顧みずに。「あの子は飛べると思ってしまったのだ」。「ケガや出血の様子は、もう忘れたよ」。これだけでなく、さらに心を打つ詩のような言葉が登場人物に委ねられています。 ところで、川や海、豪雨など、水が出て来るこの小説は、少し形を変えたポスト3・11文学のようにも思いました。(大幅加筆修正はあったものの、雑誌連載は大震災以前ですが)。 イジメのむごたらしさ、大震災、大津波、原発事故の引き起こした大惨事。その圧倒的絶望。絶望的圧倒。逃げ場のなさ。 けれども、そのままでいいのか、絶滅、完全なる虚無に陥ってしまって良いのかという作者の問いと応答が聞こえてきました。

  • 想像の世界の力強さ。親の視点でみるとつらいが…

    けっこうな長編である。最初はなんだかわからない、不遇な子どもたちの冒険をだらっと読んでる感じ。 しかし、後半に突如その意味がわかる。小説家の先生が紡ぐ物語と、少年たち。空想か現実か…、 なかなか複雑なつくりである。後半意味がわかってから、悲しみが胸を支配した。 日本の総自殺者数が下がっている。しかし、唯一上昇しているのが十代の自殺者である。 原因の多くを占めるのはイジメではないだろうか。 イジメられている君へ、という有名人からの励ましのメッセージも効かない。 絶望は過去にあるのではなく、現在にある。 過去の絶望は終わったものであり、現在の絶望は終りが見えない。 当事者にとっての問題は、今の絶望を、具体的にいつ、どのように解消するかである。 かつて子供だった視点と、今、子を持つ親になった視点。 どうやったって自分は、今の親の視点で見る。そうなるとこの物語の結末は、哀しすぎて胸が苦しい。 現在進行系で苦しんでいる子に向かって、耐えろ、その先に希望がある…とはいえない。 ではどうすればいいか。難問である。物語はひとつの、ささいな救いである。 重松作品をそこまで読んでいないので、途中ででてきたキャラクターがわからなかったのは少し残念だった。

  • 説明のつかない涙

    あまり得意な分野ではなかったのだが、このところ我が子からの影響で重松清さんの小説を続けざまに読んでいる。 その中でも、今までの作者の全てが詰め込まれているように感じられたこの作品がお気に入りだ。 重松さんのお話は、ご自身の身近なところでおきた出来事を元に創作されているように感じるためか、淡々としている中にも柔らかさ、悲しい状況でも温かさを感じる。 なんとも形容し難い涙が流れるが、本読みさんには非常に面白い構成となっており、彼のファンの方はもちろん、初めて手に取る方もこの作品をきっかけに次々と他のお話も読みたくなってしまうのではないでしょうか。

  • ゼツメツしそうな少年

    小説家の「センセイ」。地味な小説ばかり書いていたが、ある時タケシという中学2年生の男子と、リュウという小学校5年生の男子、ジュンという小学校5年生の女子から手紙が来る。このままだと僕たち3人はゼツメツしてしまう、センセイが3人の小説を書いて3人を救ってほしいと頼まれる。 そこでセンセイは3人の物語を書くことにした。ここから、タケシたちの物語が始まる。 リュウは夏休みに合宿に参加する。リュウの父が隊長で、中学校の理科の先生だ。副隊長2人はおばさんで、やはり学校の先生である。一行がやって来たのは化石の発掘現場だ。不登校の子どもを集めた合宿のようだ。リュウは不登校ではないが、いじめに遭っている。 その参加者の中にジュンもいた。そして、化石を見つけたらしい中学生に話しかけると、彼は化石を見せてくれた。それがタケシだった。 リュウは、ずるいことやひきょうなことが大嫌いな正義感の強い少年だった。学校でいじめられていたニシムラという少年を助けたのだが、代わりに自分がいじめられるようになった。そして夏休みになり、リュウたちは合宿に参加している。 1日目が終わり、全員がアンケートに自分の将来を書いたのだが、ジュンはそこに「ゼツメツしている」と書いた。 翌日は海水浴の予定だったが、リュウ、ジュン、タケシの3人だけ化石発掘のほうに行くことになった。 リュウは体育が得意だが、タケシはかなり鈍い。 タケシも「ゼツメツする」という言葉を使う。学校で弱いヤツは負けて、負けたヤツは追い出されるしかない。そして、自分たちはゼツメツしそうな種族なのだと言う。 タケシは小学校の時、年下の生徒からもいじめられていた。そんな状況を作ったのは彼の実の兄だった。 ジュンは学校に行けないのではなく、行きたくないだけだと言う。蛍雪セミナーという英才塾に通っていて、成績はトップである。だが、人間が嫌いなのだ。 タケシの発案で、3人は合宿の後で家出をすることになる。タケシは自分たちをイエデクジラと名付け、学校以外の場所で生き延びなければいけないと言った。 とりあえず、3人は家が不動産屋のタケシが鍵を持っているアパートに行くことにした。 タケシは数学で「3x+3y」とノートに書いてあるのにそれを黒板に書く時には「3x-3y」になってしまう。社会でも、平安京ができたのは794年だと覚えているのにテストでは749年になってしまう。そんな生徒である。 「大事なのは想像力だ」と言うタケシがセンセイに書いてくる手紙は、現実と虚構がない交ぜになっている。センセイの小説の登場人物とタケシたちが会っていたりするのだ。 タケシたちが遭っているいじめの様子はリアルで、涙が出そうなほどである。ジュンはジュンでなかなか深刻な問題を抱えている。 物語になっても、現実の問題が解決するわけではない。センセイは思う。「現実では決して起きない奇跡を信じるために、人は物語を語り続けてきたのではないか」と。 ちょっと荒唐無稽なところもあるが、心を動かされた作品だった。

  • 楽しく読まさせて頂きました。

    歳のせいか、最近、感情が鈍くなったように感じていました。ゼツメツ少年、何だかもう一度読み返します。

  • 重松清著 さすがです

    題名からは想像出来ない作品でした 決して明るい内容ではなく、どちらか言えば、重松さんの重~いジャンルの作品かと思います しかし1度は読んだほうが良い一冊だと感じました

  • 高学年〜中学生の子供にも読ませたい

    通勤の車内で読みながら何度も涙が込み上げてきました。重松作品で出会ったことのある、あの人やこの人にも会えます。悲しくて温かい作品です。

  • やっぱりダメだ

    いじめられっ子が自殺して初めて世間は騒ぐ。生きていてあいつにいじめられたと告発しても何も起きない。そういう構造は良くない。作者はそういう構造を利用している。まじめな主題で幽霊を出してはいけないが、それも侵犯している。重松清はいじめっ子だったそうだ。なら、この小説家をいじめっ子だったことにするのが筋ではないか

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