Japanese Literary Awards

← Back to awarded works
日蝕

Akutagawa Prize

日蝕

Keiichiro Hirano

The Eclipse is a novella set in southern France on the eve of the Renaissance, where heretical belief is spreading. Through a young theological monk's experience amid inquisitorial pressure and alchemical wonder, Keiichirō Hirano explores faith, knowledge, and the body in a dense, classical style.

Inquisitionalchemyfaith and knowledgemedieval Europebody and spirit

Work Information

In southern France before the Renaissance, a young theologian encounters a world of heresy and alchemy.

Hirano's debut depicts the world of the fifteenth-century French Inquisition in a style reminiscent of classical Chinese prose. Seen through a young theologian, it is a literary investigation of ideas and desires beyond religious order, and it won the 120th Akutagawa Prize.

Book Information

Publisher
新潮社
Published
1998-10-01
Pages
192 pages
Language
日本語
ISBN-13
9784104260010
ISBN-10
4104260010
Price
53 JPY
Category
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第120回(平成10年度下半期) 芥川賞受賞

Reviews

  • 良い

    良い

  • 難漢字の多さで決めつけてはいけない

    なじみのない漢字が多く難解なように見えますが、文章にリズム感があって、さほど読みづらくはありません。ヨーロッパ中世史やキリスト教(カトリック)の知識がある程度あれば、大変興味深く読めると思います。お話は後半にかけてどんどん盛り上がり、クライマックスが見事です。

  • 賛否両論ある作品

    賞応募ではなく、直接出版社に送り付けた、というエピソードかっこいいと思って、芥川受賞直後にミーハーで読みました。 賛否の分かれる作品ですが、私は買ってよかったと思います。 実験的とか挑戦的とか言われていたような記憶があります。 難解な擬古文調の文章なのに、情景が目の前に浮かんでくる臨場感がありました。(情景が浮かぶにはなかなか強烈というかカオスなシーンもありますが) 「唖なんです」は夢に出てきた。 実験的と言われた所以かとは思いますが、ちょっと盛り込みすぎ感はあります。

  • 題名のインパクトに内容が負けている

    インテリが相当の努力をしたのだろうという印象はあるが、作家としての輝きは微塵も感じない。 題名などからも、三島由紀夫をリスペクトしているのだろうが、到底彼の足元にも及ばない。

  • 処女作

    平野啓一郎は決して泉鏡花のエピゴーネンなどではない。そう言う人がいたならば、私には鏡花を馬鹿にしているようにしか思えない。鏡花のイメージの絢爛さや、どこにどう繋がっているのか分からなくなるような美文は平野には見られない。まあ、漢字の使用は少し似ているかもしないが、『康煕字典』を使って漢字の使い方を練っていた鏡花には遠く及ばない。また、「三島の再来」というのも言い過ぎだろう。二人の文豪にはどう考えても及ばない。 本書は平野の処女作であるためか、技巧に凝りすぎている。古くさい言い回しは時代感を出すためかも知れないが、奇妙な使い方をしているところがちらほら見られた。 だが、平野はそう悪い作家ではないと思う。『葬送』などは構成もしっかりしているし、文章のぎこちなさが全くなくなっていて、平野の著作の中では一番の傑作だと思う。

  • キリスト教の歴史を知らないと理解するのに難しい!

    文章もさることながら、キリスト教の歴史を知らない方にはちんぷんかんぷんでしょう。 私は一応、聖書を何回か読んで、キリスト教の歴史を多少は知っていたので、付いて行けましたが、全く分からない方はキリスト教の基礎知識を先に読んでからの方がより、作者のこの本が楽しく読めると思います! 高見沢俊彦とアルフィーがお好きという、共通点にも惹かれました!

  • 著者の学生当時からの圧倒的な才能を実感したい誰かへ

    "それは雲ではなかった。太陽とそっくり同じ形をした黒い翳、今一つの黒い太陽。ー日蝕である。"1998年発刊、当時最年少の芥川賞受賞作として話題になった本書は、神学の知識に裏付けられた宗教と学問の対立、神秘体験を独特かつスタイリッシュな文体で描く【シンプルさと難解さを両立させた】意欲作。  個人的には、著者の本は提唱している『分人主義』他のエッセイ本こそ既読であったものの、実は小説は未読であった事から。最初の一冊として、受賞当時に賞賛と多くのバッシングの両方を浴びた(らしい)本書を手にとりました。  さて、そんな本書は物語としては舞台設定こそ(おそらく意図して)あまり日本人には馴染みがないと思われる15世紀後半の【宗教と学問、信仰と理性の狭間で揺れる】フランスを舞台にしつつも、割とシンプルなーそれこそファミコン時代のRPG【ドラクエの様な一方通行さ】で、修学中の神学者の神秘体験をファンタジー風味でありつつも迫力をもって描いていて終始圧倒されるわけですが。  一方で、本書で使用されている『江戸時代中期から明治にかけて,国学者が好んで用いた文体』擬古文(ぎこぶん)を模くしたらしい独特な文体は、古い異国の神秘的物語を描くには雰囲気づくりとしても一定の効果を果たしていると感じつつも、単なる難解さだけの中二病的な自己満足ナルシズムとも捉える事もでき。私はどちらかと言えば好みでしたが、ここら辺が読後に【評価のわかれる所】ではないかと思いました。  とはいえ、本書以降の著者のパターンに安住しない【挑戦的な執筆姿勢】を予感させる本作。若者らしい相当の覚悟や充分な推敲が文面から伝わってきつつも、ある種『若者らしくない』題材のこの作品を受け止めた、当時の芥川賞審査員の文壇の重鎮たちの当惑が浮かんでくるようで。何とも外野的に(失礼ながら)にやにやしてしまったり。  読みやすくも難解さに振り回される。そんな不思議な読後感の作品を探す誰か。著者の学生当時からの圧倒的な才能を実感したい誰かにオススメ。

  • ねらって獲った芥川賞

    擬古文調の文体、前半にこれでもかと出てくる中世ヨーロッパの知識、茶髪にピアスという風貌など全て作家としてデビューするため狙ってやったものでしょう。はったりが効き過ぎたのか出版社の一儲けしたいという意向なのか(近年ではKAGEROUのポプラ社)みごとに芥川賞を最年少(ここも出版社の興味を引いたに違いない)で受賞されています。擬古文はもうやめてしまっているようなので、やはり本人の本当の作風ではないのでしょう。 「鏡の影」の影響に関しては[...] に詳しいです。自分としては「鏡の影」に出てくる魔女焚刑、処女懐胎のモチーフを、魔女焚刑→神との合一(錬金術における黒化、白化、赤化)に変えただけのように感じます。個々のプロットの類似はむしろ消そうと努力している跡が窺われるのですが、小手先だけなのでうまくいかなかったのでしょう。 ただ、はったりに見合うだけの努力と、短期間で物にできる頭の良さを買って☆2つにしました。 (皮肉ではありません。かなり頭のよい人だとは思います)

Related Literary Awards