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終わり続ける世界のなかで

Sense of Gender Award

終わり続ける世界のなかで

Chise Kasuya

A novel that layers a post-ending sensibility with the continuation of daily life. It portrays people trying to relate, think, and live while the world keeps ending.

end of the worldgendercontemporary fiction

Work Information

終わり続ける世界のなかで is an award-recognized work that follows its subject through 粕谷知世's distinct perspective.

終わり続ける世界のなかで is a work whose award recognition can be read alongside its publication record. It layers background, character choices, and social context, leaving room for the reader to think beyond the closing pages.

Review Summaries

  • Readers respond to the way the work approaches its subject and to its readability. The characterization and background detail give it the weight expected of an award-recognized work.

Book Information

Publisher
新潮社
Published
2011-11-22
Pages
348 pages
Language
日本語
Size
14 x 2.5 x 19.8 cm
ISBN-13
9784104506026
ISBN-10
4104506028
Price
3149 JPY
Category
本/文学・評論

Amazon.co.jp: 終わり続ける世界のなかで : 粕谷 知世: 本

Reviews

  • 「終わる世界」と「終わらないもの」

    3.11以降、毎日のようにネット上でささやかれる多種多様な終末予言。自分も含めそれにおびえる人たち。 そういえば、昔も1999年の終末予言に囚われていたよなと思い出させてくれる小説。 著者の前作「ひなのころ」と同じく主人公の子供時代からの丹念な描写が当時の空気をよみがえらせる。 読みすすめながら、いくつもの引っかかりが心に残った。「自分だったらどうするだろう、どう考えるだろう」と思いをめぐらせることの多い作品だった。 ひと一人が暮らしている「世界」というものは、あまりにも脆くはかないことは、2011年改めて思い知らされた。 でも、人は、一人きりで生きているわけではないということを改めて痛感した年でもあった。 これから先もこの「世界」は滅び続けるだろうが、「人と人とをつなぐもの」は変わらずにあり続けるのだろうと、ささやかな希望を抱きつつ本を閉じた。

  • それでも人生は続く

    主人公よりも3歳ほど年下で、性も異なりますが、同時代を生きてきたものとして共感を持って読めました。 オウム真理教を思わせる教団に自分の居場所を見つけ、のめり込んでいく後輩が年齢的に同じぐらいでしょうか。 僕もノストラダムスの予言を信じ、この世の滅亡と広島の惨劇のイメージと重ね、夜にうなされました。 世界の終わりを信じたものがどんな行動をとるか、あるいはとらないか。 このやわらかい物語は、いく人かのその軌跡を描いています。 主人公の作文でさらりと世界の歴史やら宗教やらが出てきますが、この物語は、難しい出来事や問題を理解する手がかりにもなります。 たとえば、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神を、たとえば末法思想が支配した日本の平安末期からの空気を……。 オウム事件のことや阪神大震災も描かれています。 読んでいて昨年の震災に心が向かいました。 オウム事件も原発をなくす運動も、共通するところがあると思わされました。後者に賛同するものですが……。 落語とは人間の業の肯定と言ったのは立川談志ですが、 滅私奉公で他者を救うことを求めたものが、反転して業の肯定を…そんな経由をして、ぼろぼろになりながら…人すなわち天、即天去私の海に出会う…。 読みやすい文章で、構成も巧みです。 読後に世界が少し変わりました。 自分たちの物語に出会えた気がします。 よい本をありがとうございます。

  • 登場人物たちと共に成長する読書にはならなかった。

    1969年生まれの伊吹は親友の瑞恵とともに、1999年に人類は滅亡するというノストラダムスの予言を固く信じる少女。その彼女の2000年までの人生の軌跡をたどる小説。 私も伊吹、そして作者の粕谷知世(かすやちせ)と同じく1960年代の生まれです。まさにこの小説に登場する若者たちと同じように、幼い時期にノストラダムスを信じた、全共闘世代のひとつ下の世代に属しています。 私たちの世代とは、先輩たちの情熱を吸い上げ、そして彼らの多くに狂気を注入していったマルキシズムとは大きく距離をとり、その代替物としてオウムというカルトに走ってしまった多くの同輩を持つ1960年代世代です。 自分の世代の歴史をなぞりながら物語を読み進め、前半部分こそ、そういえばそんな時代もあったなと懐かしく思ったものです。 しかし、後半になればなるほど、物語から気持ちが離れていくのがわかりました。 大学生となった伊吹たちが、自分たちの聖書を懸命に綴ろうとする姿には、少々花白む思いがしたほどです。 登場人物たちの青さは、まさにあの頃の私の青さに重なるのです。彼らの気持ちはわかります。 ですが分かるとはいえ、もうそれは既に私にとって通り過ぎて来た道。いまさら振り返りたいとまでは思わない場所です。 登場人物たちが蒙を啓かれていった道のりを、今日あらためて追体験する気にはなれないのです。 私もそれだけなんとか成長してきたのだという安堵の気持ちこそあれ、登場人物とともに成長することを望めないとき、小説の悦びは得られないということをかみしめた読書でもありました。 おそらく高校生くらいの若い読者であれば彼らに共感しながら頁を繰ることができるかもしれませんが、いまや主人公同様、40の坂を越した私のための書ではなかったようです。

  • 青春小説であり、哲学小説でもある。

    ノストラダムスの大予言を信じてしまったた少女の、その後20年間を描くストーリー。 一人の少女の内面の成長と、バブル期前後の日本の歴史の時間軸が重なりつつ展開する。 大人になってしまった主人公が抱える「10代の自分への罪悪感」や、自我との闘いぶりが切なく、安易なハッピーエンドに逃げ込まない物語のすすめ方がとてもよかった。 青春小説でもあり、哲学小説としても読める。10年後もまた読み返したい一冊。

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