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日中国交正常化 - 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦 (中公新書 2110)

Osaragi Jiro Tribune Award

日中国交正常化 - 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦 (中公新書 2110)

Ryuji Hattori

A modern-history study of the normalization of diplomatic relations between Japan and China, following Kakuei Tanaka, Masayoshi Ohira, and foreign ministry officials through records and testimony. It condenses issues that continued to shape East Asian diplomacy, including Taiwan, reparations, and the United States alliance.

diplomatic historyJapan-China relationspolitical leadership

Work Information

日中国交正常化 is an award-recognized work that follows its subject through 服部龍二's distinct perspective.

日中国交正常化 is a work whose award recognition can be read alongside its publication record. It layers background, character choices, and social context, leaving room for the reader to think beyond the closing pages.

Review Summaries

  • Readers respond to the way the work approaches its subject and to its readability. The characterization and background detail give it the weight expected of an award-recognized work.

Book Information

Publisher
中央公論新社
Published
2011-05-25
Pages
262 pages
Language
日本語
Size
11 x 1.3 x 17.5 cm
ISBN-13
9784121021106
ISBN-10
412102110X
Price
880 JPY
Category
本/歴史・地理/日本史

1972年、歴史認識、戦争賠償などの対立を越え、結ばれた日中国交。外交記録、インタビューからその過程と問題を描く現代史の意欲作。

Reviews

  • 関係者の証言が多数収録されている。

    まず、各章がコンパクトにまとめられていて、読みやすいです。 副題に田中首相と大平外相の名前が挙がっていますが、 実質的に果たした役割が大きかったのは外相と官僚だったので、 首相のことよりも外相たちの活躍ぶりの方が印象に残ります。 (著者が意識的にそちらに傾斜して執筆したという意味ではない。) 私は台湾に関する情報ほしさに、中公新書『台湾』読後に本書を読みました。 日中国交実現のための最大の問題が台湾であることが、同書でもこの本でも確認できました。 日米中台、それぞれの国の外交を主題に描いても、 台湾問題はおそらく必ず出てくるでしょう。 色々な角度から中国と台湾の関係について考えてみる必要があると思います。 本書はその意味で役立ちました。

  • 歴史的な国交正常化の現場が生き生きとよみがえる

    現在(2012年10月)、日中国交正常化40周年の節目を迎えながら、 尖閣諸島問題で日中関係は危機に瀕しています。 40年前、当時の政治家・官僚たちが困難を乗り越えて どのように国交正常化を果たしたのか知りたくて本書を読んでみました。 目覚ましい成果の陰には、財界人・官僚・政治家の地道な努力があったこと 当時「権力の絶頂にあった」田中首相の決断力と大平外相の緻密な折衝、 そして田中首相をして「世界一の政治家」と言わしめた 周恩来首相の力が大きく寄与していたことがわかりました。 周氏の頭脳の回転の速さ、そして度量の大きさには感服させられます。 今の中国指導部に氏のような懐の深さは期待できないのかもしれません。 時は冷戦時代、中国側には日本との関係を改善することが 国益にかなうという計算も当然あったでしょう。 反共の気風が今とは比較にならないほど大きかった当時、 帰国した田中・大平両氏はタカ派議員たちから激しい罵声を浴びせられます。 さまざまな駆け引きや困難を乗り越え、大きな歴史的偉業を 成し遂げた両氏の胆力・判断力には敬意を覚えますし、 今の日本にこのような優れた政治家がいないことに慨嘆を禁じ得ません。 田中首相の豪快さ(上海行きの機内、なんと周総理の隣席で爆睡!)、 大平外相の繊細で周到な気配り、毛沢東主席との会話など興味深いエピソードも盛りだくさん。 尖閣諸島をめぐるやり取りも記され、現在の日中関係を考える上でも なかなか参考になる良書だと感じました。 当時を知らない若い方たちにも御一読をお薦めします。

  • 角さんの真の目的が知りたい

    盟主アメリカに背き、「油の傘」から脱出を企図し、台湾を切り捨ててまで進めた日中国交正常化。大平外相の意図は理解できても、お金以外、政治的な理念や信条をもたない角さんがこだわった真の目的は何だったのか、とても興味ある。その結果、キッシンジャーにはめられてしまう哀れな結末を誰が予想できたであろう。

  • 真の政治主導を見せつける、6日間の外交ドラマ

    田中首相・大平外相のコンビが外務官僚と一丸となって、日中国交正常化を成し遂げる経過をドキュメンタリータッチに紹介する。前半では、下交渉や台湾への断交通告を、後半で田中・大平が訪中し交渉した6日間を書いている。日中の一次史料はもちろん、下交渉を主導した橋本中国課長、共同声明文を起案した栗山条約課長など、枢要な人物に直接インタビューし、交渉現場の空気をそのままに描く。その筆致はまさにドラマチックの一言だ。 中盤のヤマは台湾との「円満断交」。断交なんてしたら普通は戦争状態。猛反対されるのはやむなしだが、民間レベルの友好は維持したい。日本政府はまず、親台派の椎名悦三郎を派遣し、当時実権を握っていた蒋経国と会談させる。本当は相思相愛なのに「もう断交だ」「断交といえた義理か」と、椎名・蒋とも互いの発言をウソと知りつつ勧進帳をやりあう。「断交の話を伝達した」日本と「断固反対と答えた」台湾、互いの顔を立て「会談成立」とする過程が実に読ませる。椎名特使随行議員団の末席にハマコーがいるのだが、ホテルへ車で向かう途中、官製デモ隊(「ケガはさせるな」と指示までされた、これまた勧進帳)にフロントガラスを叩き割られる。だが、あの短気な男・ハマコーが「我慢しよう」と呼びかける姿が何ともいい。 ハイライトである訪中交渉では、中国の絶対条件「台湾は中国領であると認めよ」、「日華条約は無効とせよ」という主張に対し、日本は、前者については栗山課長の腹案「日本は台湾独立も、中国領の主張も受け入れない」、後者については、橋本課長の提言「不自然な状態」を採用して決着させた。 主眼は題名の通り日中国交正常化だ。しかし著者は、真の政治主導のあり方は何かを、戦後外交最大の難関だった日中正常化交渉から見出そうとしている。なぜ今政治主導か。今の首相とその与党を見れば明らかだ。消費増税、TPP、最近では、エコタウン、1000万軒太陽光発電…大プロジェクトをぶち上げては何もしない。あるいは、何でも自分たちで決めないと気が済まない割に、与党内すらまとめられない。原発事故収束も、震災避難者の生活再建も道筋が見えないのに、「自然エネルギーへの30年来の思い」とやらをブログに延々と書き綴る首相。これほど「政治主導」に泣かされている時代はない。 田中は「正常化すべき」という橋本課長の助言で正常化を決断し、交渉の条件設定まで外務官僚に任せる。その一方で、官僚は首相、外相と密に連携を取り逐一報告する。北京での最終交渉が暗礁に乗りかかっても田中は「大卒が何とか考えろ」と冗談を飛ばし、場を和ませる。帰国してからの右派議員の激しい怒号は、政治家である田中・大平コンビが受け取る。本書の巻末で、田中のリーダーシップの要素として、企画構想力・決断力・実行力・包容力を、大平のリーダーシップについては綿密な準備と調整力を、そして両者とも人を使う才があったと、直接仕えた官僚たちは見る。田中の決断と大平の周到な準備、そして両人が責任を負う覚悟なくして、正常化はあり得なかった。そして、田中、毛とも絶大な権力を持っていたから、いの国内で反対の多かった国交正常化を実現できたと、著者は指摘する。「角さんがいれば」とは思わないが、せめて、震災の失態を忘れさせるための派手な「新政策」をぶち上げて目をくらませるだけの「政治主導」に、与党がおさらばして、被災者の生活再建を地道に支えてくれれば……と本書を読んで思う。 300を超える脚注を従え、本書はあたかもその場に席を同じくするかのように、状況説明、舞台の情景描写、登場人物の会話や時に心情まで立ち入って解説する。厳密な史料研究と聞き取り調査に基づきつつも、長編ドラマを見るかのようだ。そして、主役の田中・大平はもちろん、台湾へ詫びに行き袋叩きにされるチョイ役・ハマコーすらかっこいい。また、外交史に「政治主導のあり方」という、今まさに問われている国内の政治課題を、テーマとして重ね合わせる手法。新書としての完成度は非常に高い。「政治主導とは何か」、考えたい人には読むことを勧める。

  • 良い本だと思うが、外交交渉の全体像が見えてこない

    2011年度大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞特別賞の、ダブル受賞本。しかし、外交交渉相手である中国側の存在が見えてこないので、日本側の独り相撲記録のような印象を受ける。しかし、日本の動きとそこでのロールプレイに的を絞って読めば、一定の収穫はある。

  • 生き生きと描かれ、綿密な調査で品も感じさせる良書

    これは大変面白い本です。 日中国交正常化は、中国側は革命第一世代の周恩来が交渉に当たり、日本側も田中角栄という力のある政治家が、田中さんの盟友大平さんと言う実力者が交渉に当たった事、大平さんは外務省の官僚と良いチームを作っていた事、詰めの交渉は中国で非常に短期間にまとめられ、その分緊張感とドラマがある事などが、本書を生き生きとした歴史本にしていると思います。登場人物も又生き生きとリアルに描かれていて、田中さんと、大平さんの人となりについても書きたかったと言う著者の意図は成功していると思います。 かねてより私は、この交渉で台湾を切った事から、マイナス評価をしていました。しかし本書を読んで、台湾との関係維持についても、色々な工夫やご苦労があったことを知りました。台湾側に申し訳ない気持ちは変わりませんが、良い勉強になりました。 現在尖閣問題で中国との関係が非常に悪くなっていますから、周恩来と田中角栄が居た当時を逃していたら、交渉締結までには、更に時代を経たかもしれません。又交渉時間ももっと掛かり、締結の条件も厳しい物になっていたかもしれません。又本書を読み、そう思える程の知識を得られた事も幸いです。 ダイナミックの交渉を生き生きと描いており(この本をベースに面白い映画が出来そうです)、そしてしっかりした調査が背景となっているので、良い歴史書の品格も感じる本でした。一読を強くお勧め致します。

  • 天才的なカリスマ首相とそれを支えた名参謀。当時の高度な外交手腕により現在の日中友好関係があるのだと感じた

    また周恩来の政治家としての優秀さも印象に残った。尖閣諸島などまだ棚上げされた問題は抱えるが、無理に解決案を出さないことも外交上大切なのかもと思う

  • 簡にして要を得た迫真のドキュメント

    本書は、田中角栄と大平正芳を中心に、日中外交正常化のプロセスを当事者の生の証言を史料として描いたドキュメントである。近年、田中・大平両元首相に関して再評価が進みつつあるが、本書もそうした動向に棹さすものであろう。 中国側に関する記述が弱いという欠点を抱えているものの、日本側の動向を理解するためには、本書は不可欠な一冊であろう。個人的には、台湾との断交交渉を描いた部分が興味深かった。その部分に十分な目を向けた研究は少ないのではないか。 特筆すべきは、簡にして要を得た文章である。現代史研究は、しばしば事実経過の無味乾燥な記述に終始しがちなのであるが、本書の記述は実に生き生きとしている。日中国交正常化について知識のない人、関心のない人でも楽に読み通せると思う。

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