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画商の罠 (ミステリアス・プレス文庫 85)

The Nero Award

画商の罠 (ミステリアス・プレス文庫 85)

Aaron Elkins

画商の罠 is a work by Aaron Elkins recognized by the The Nero Award. It can be read as a work shaped by the award's literary field, with attention to narrative, character, society, and history.

award-winning literaturenarrativeliterary recognition

Work Information

A work by Aaron Elkins recognized through the The Nero Award.

画商の罠 was recognized in the 1994-1 edition of the The Nero Award. The work reflects Aaron Elkins's concerns and style and is read in the context of that prize.

Book Information

Publisher
THE MYSTERIOUS PRESS
Published
1995-03-01
Pages
362 pages
Language
日本語
ISBN-13
9784151000850
ISBN-10
4151000852
Price
1 JPY
Category
本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学

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Reviews

  • 驚くべき諧謔を弄ぶ、大人の奇巧に満ち溢れた良質な快作

    骨董小説という高雅な小説の伝統が明治からあるそうである。これは古物、美術品、骨董品を主題とし、その真贋だとか、所在はどこかとか、美術品が謎の主体になって主人公が右往左往という内容で、近くは細野不二彦「ギャラリーフェイク」もそうだろうし、謎ではなくて美術品に関する断想という趣の洲之内徹「気まぐれ美術館」なんかもそのジャンルに広く言えば包括できるのではないかと思う。 ミステリでは陳舜臣「漢古印縁起」などもそれにあたるだろうし、黒川博行「絵が殺した」とか、江戸川乱歩の少年探偵団ものとか、怪盗アルセーヌ・ルパンものはやたらと美術品が盗まれるが、ここら辺も広く見れば骨董小説と見えなくもない。 本題を離れてウロウロとその周辺をぶらついているのは、この小説が確かに殺人はあるしその謎解きもあるけれども、正統的にミステリと言うにはあまりにも余裕がありすぎて、骨董小説として「真作なの?贋作なの?」と読者である私が楽しく迷う時間が長く、あんまりミステリとして読む感じではなかったからだった。 すなわち… 美術館の学芸員クリス・ノーグレンが「レンブラントの絵を寄贈してあげる。その代わり鑑定は一度だけ、肉眼でするだけで判断せよ。寄贈してから5年間は【レンブラント作】として美術館にかかげること」と条件付きのエサをぶら下げられ、ところがその申し出をしてきたのが札付きのユカイ犯の画商ルネ・ヴァシーで、もしかしたら真っ赤な贋作を掴まされて「そんなのも判別できない事象専門家の目が節穴の集団」と笑いものにされるか「本物だったのに偏見に惑わされたばかりに断ったリトルハート」か、どちらにしてもあざ笑われ、専門家のメンツまるつぶれという前門の虎・後門の狼の罠に引っかかる…という内容。 が、レンブラントやその弟子だとか、そもそも17世紀では工房で絵を作っていたから画家本人の絵と言えるのか、と、20世紀の「画家」崇拝の傾向をチクリと批判しつつ、レンブラント没後は「徒弟修業」の成果として、高弟たち(ダウとかファブリチウスといった、世間的にはほぼ無名だが、技術的には世界的なレベルに達している)「二代目レンブラント」式にそっくりの絵を(当時ではむしろ折紙付きで)堂々と売り、愛好家も寧ろそれを「レンブラント・ブランド」として喜んで買い求めたとかの17世紀の美術事情がスリルとサスペンス調で解説されるので、その解説がまた読ませる楽しい娯楽として成立しているものだから、ミステリというより美術ものの歴史小説でも読んでいるようだった。 とはいえちゃんと20世紀の殺人小説の義務を果たして(笑)殺しも謎解きも展開するのだが、そのラストでは現代美術界のタブー「ナチスに略奪されたユダヤ人の財産だった絵画を、半世紀後に被害者の子孫たちが名乗り出て返還を要求」というおなじみの悪夢が展開し、それも快刀乱麻を断つがごとくに解決。 将棋の棋譜のようにすべての伏線がラストで解決され、工芸品のような完成度だった。 しかし主人公クリスの性格の良さとヒロイン・アン・グリーンの魅力で不自然さはなく、また最後まで読み通すことでこのトラップを仕掛けた画商の精神の複雑怪奇さが良い味を出してくる。 娯楽としてこの一幕を仕掛けてきた画商ルネ・ヴァシーの悪意のない怪物ぶりにつくづく感嘆。 このシリーズ、もっと続いてくれないか。 と思ったが、発表は1993年で2023年現在からは一世代が経過している。 もっと凄いのだが、著者アーロン・エルキンズ(1935-)は2023年現在88歳でご健在。 しかし年齢的に新作は難しそう…なのでこれはこの著者の最大のお楽しみ、という事になってしまいそうで、そこだけ、このシリーズはここで終わりな所だけが唯一の欠陥か。残念…。

  • 2016年5月末小説がマジになった。

    「パナマ文書」が喧しいが、ナチス・ドイツが掻っ払って行方不明になっていたモジリアニの絵の持ち主が判明し「悪意の第三者」認定となり20億円で元の持ち主の手に戻ることになった。 エルキンズの手慣れた予定調和が心地よい。筆力が有るし翻訳も原典の印象を崩さず良い感じです。

  • レンブラント、真作か、贋作か。

    シアトルの美術館学芸員クリス・ノーグレン・シリーズ第三弾。 今回クリスは、フランスに飛びます。 ヴァシィという画商が、レンブラントの絵をシアトル美術館に寄贈するという。 ただし、科学的な検査をしてはいけないという。 画商の狙いはなんなのか? これを推理するのが楽しいです。 クリスは画商の狙いを解明することができるのか。 そして、レンブラントの寄贈を受けるか受けないか。 1作目、2作目とくらべても一番面白かったです。

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