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夏のロケット

Suntory Mystery Award

夏のロケット

Hirito Kawabata

Natsu no Rocket is a coming-of-age novel about five young people who cannot let go of a dream from their high-school days and begin building a rocket on a deserted island. As they try to launch it beyond the atmosphere, the police take notice of their unauthorized project.

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Work Information

Five young people on a deserted island try to launch a real rocket into space, pursuing their dream at the boundary between aspiration and reality.

Hiroto Kawabata portrays young people seeking to launch a rocket, centered on an interest in science and a handmade challenge. Natsu no Rocket received the Excellence Prize of the Suntory Mystery Award in 1998.

Book Information

Publisher
文藝春秋
Published
1998-10-01
Pages
339 pages
Language
日本語
ISBN-13
9784163180205
ISBN-10
4163180206
Price
2654 JPY
Category
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

高校時代の夢が忘れられず無人島で非合法ロケットを作り始めた五人は、警察にマークされる。サントリーミステリー大賞優秀作品賞

Reviews

  • ロケットを飛ばす

    高野は新聞記者である。今は科学部にいるが、社会部時代の同僚、純子からある記事を見せられた。テロリストのグループに入っていた男が、ジャイロスコープ付きのロケット弾を作ろうとして火薬が爆発し、大やけどを負って意識不明だという内容だ。純子から見せられたロケット弾の写真に何か引っかかるものを感じた高野は詳しく調べてみることにした。 宇宙少年だった高野は、高校に入ると北見という同級生に誘われて天文部に入った。ロケットを作って飛ばせると言われたのが大きかった。ロケット班のメンバーは個性的だった。ロケットや天文学に詳しく、「教授」と呼ばれる日高、手先が器用で壊れた物を何でも直せる剛太、遅刻や欠席ばかりなのになぜか成績がいい氷川京介。そして、体育会系で強引な話術のある北見だった。5人でのロケット打ち上げはすべて失敗した。5人はそれぞれの特性を生かした道に進んだ。 前述のテロリストが作ったロケットの噴射版はブーメラン型だった。これは「教授」が選んだ噴射版と同じだった。教授は現在、宇宙開発事業団に勤めているが、連絡は取れなかった。 そこで高野は、教授の行方を知っているかもしれない氷川に会いにいった。氷川は人気ミュージシャンになっていた。 高野は簸川の後を追い、昔の仲間4人と再会した。4人は、マーズロケットを製作しようとしていたという。それも、本気で。 果たして、ロケットは無事に打ち上げられるのか?そして、教授とテロリストの関係は? 東大卒という著者の経歴のせいか、ロケットや金属についての専門知識があちこちに散りばめられていて、この物語にリアリティーを与えている。高校時代の夢の続きを追うだけの単純な物語ではない。高野以外の4人は「目的」と「打算」があってこのプロジェクトに参加したとはっきり言う。単なる夢物語ではないのだ。それでも、5人の行動の根幹には「火星にロケットを飛ばす」という思いが横たわっている。文学賞を受賞するだけはある内容だ。金も技術も不足している5人が火星にロケットを飛ばす?そんなあり得ない野望の実現を納得させてくれる快作である。

  • 物語としてのバランスがいい

    本作品は主人公である科学部所属の新聞記者、高野の視点から描かれています。 ところどころで登場人物たちのあまりのハイスペックぶりに若干萎えてしまう部分はあるのですが、 全体を通しては非常にバランス良くまとめられています。 主人公をはじめとした「ロケット班」のメンバーは皆それぞれに個性豊かで、一貫してブレのない 人物像で描かれています。子どもの心を忘れない大人たちが、大人になった今、それぞれの立場から 何を考え、何を行うのか。一見して相当入念な下調べや取材を経て完成したものであることが伺われ、 航空宇宙産業やその歴史に関心のある人はもちろん、そうでない人であっても、製作シーン含めて 興味深く読めるのではないでしょうか。 個人的に何より舌を巻いたのが、散りばめられた様々な要素を隈なく回収してフィナーレへと持って いく、そのシナリオ展開の周到さでした。人間関係や個々の心情、科学技術と社会、倫理といった テーマを、火星への有人飛行、そして自らの手によるロケット発射というロマンのもとに結集し、 それらを相互に関連させながら、最後のラウンチまでを滑らかな筆致で語っています。 決して強烈なインパクトのある作品ではありませんが、著者の誠実な執筆への姿勢が感じられる一冊です。

  • 宇宙への憧憬

    夏になると不意に思い出して読み返したくなり手をとるのだが、著者の博識ぶりを再認識すると 共に新たな発見と出会える。 宇宙への取り巻く環境が年々進歩し、『スタートレック』じゃないけど最後の秘境たる宇宙が身近に なりつつあるがそれでもまだまだ一般人には遠い世界だ。 ジャンプじゃないけど友情・努力・勝利といった三原則の要素が含まれていて、技術・工学的な知識が 薄いものでも投げだしたくならずエンタメとして楽しめた。 老若男女問わず本書を手にとり未知の世界への造詣を深めたいものだ。

  • 夢のロケット

    高校時代からの夢はそのままに色んな思惑がありながらも、実際にロケットを飛ばして実現したメンバーの情熱がアツかった。

  • 宇宙への憧れがある人なら絶対楽しめる

    本当に面白かった! タイトルから、高校時代にロケットに取り憑かれた主人公たちが大人になっても夢を忘れないってまあよくある話かと思ったが、ロケットにまつわる膨大な情報が背景にどっしりあって予想以上に読み応えのある小説だった。 高校時代のロケット班のメンバーが皆、専門分野がバランスよく違う方面で超一流だったり、トラブルがシンプルに絞られて割とあっさり解決しちゃったり、ちょっと乱暴かなあと思わないでもないですが。 ここのレビューを見ると、技術に関する箇所が余計だと感じる方も居られるみたいでしたが、個人的には吸収した知識を綺麗に咀嚼してさらっと書かれたんだろうなあ、と感じました。 京極夏彦だったらこの3倍はページが必要だっただろうなあ…、と。 主人公が、なんとなく他のメンバーと少し離れた立ち位置なのがちょっと寂しかったんですが、これは作者さんがジャーナリストだからでしょうか。 他の作品も読んでみたくなったけど、続編が出てるんですね。 まずそちらを入手したいと思います。

  • 面白いです・・・が

    気になったのは文中の口語。 高校時代の同級生、しかも仲の良かった連中に「です、ます、はい」みたいな丁寧な言葉は使わない気がするんですよね。「ボク」という一人称も文章中ならまだいいけど、口語なら「オレ」。その辺が気になりました。 中身はおもしろい!の一言。あまり知識がない私でも楽しく読めました。と同時にうらやましく。いつまでも少年の心を持ち続けるのは大変だけど、あることをきっかけに再度持つことも可能なんだなとかんじました。 大人になった人に読んでほしいですね。

  • 大人でも、こんなに夢中になれる

    高校天文部「ロケット班」の5人の少年たち。一癖も二癖もある彼らは、何とか本物のロケットを宇宙に送り込もうと四苦八苦の取り組みを続けたのでしたが、残念ながら、その奮闘が報われることはありませんでした。 卒業後、それぞれの路を歩み、各自の持ち味を活かして各分野で活躍中の彼らですが、三十路に入った頃、かつての夢の続きを追うために再び宇宙への挑戦に立ち上がるのでした。技術的な困難や予算面での厳しい制約に加え、ミサイル製造を行う過激派との関係に目をつけた公安当局までもが彼ら元ロケット少年の行く手に立ち塞がっています。高まる緊張感と些かの謎を孕みつつ、彼らのプロジェクトは一歩一歩実現に近づいていくのでした。 この小説がどこまで現実的なのか、いろんな捉え方があることと思います。でも、自分もこんな夢を見てみたい、何かに夢中になってみたい、という気持ちは、読者誰もが抱く感慨なのではないでしょうか。読後感は限りなく爽やかです。 また、宇宙開発やロケットに関して、平易で丁寧な説明がさりげなく散りばめられており、「宇宙ファン」が読むにも十分耐える内容になっていると思います。 若き日の真摯な情熱を思い出してみたい方や、宇宙を愛する向きには是非一読をおすすめしたいと思います。

  • そこまで面白くない

    作者による知識自慢が鬱陶しかったです。 もっと簡潔に説明できるはずなのに、 わざと回りくどい感じで自己陶酔しながら ロケットの部品やら燃料などの話をします。 それが10ページ程度なら我慢できたのですが、 100ページくらいあるのではないでしょうか? 何度も「また説明か・・・」と思いました。 しかもその知識を知っても作中ですら役に立ちません。 こういう豆知識は最初か最後に辞書風に書いておいて、 興味のある人にだけに調べさせて読ませるべきだったと思います。

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