夏光
An early story collection by Ruka Inui. Its stories circle memory, loss, and childhood wounds, unfolding with shadows that contrast with the brightness of the title.
Work Information
Behind the bright light lies the shadow of memory that will not disappear.
第86回オール讀物新人賞受賞作を含む短編集。日常のすぐ裏にある痛みを、静かなサスペンスと感情の揺れで読ませる。
Book Information
- Publisher
- 文藝春秋
- Published
- 2007-09-13
- Pages
- 285 pages
- Language
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163263106
- ISBN-10
- 4163263101
- Price
- 1572 JPY
- Category
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
哲彦が疎開先で出会った喬史の顔の左半分を覆う黒痣。村人たちはスナメリの祟りと忌み嫌うが、喬史の左目にはそれ以上の秘密が……
Reviews
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読むのが楽しみ
まだ読んでいませんが商品はとてもよい状態でした。 ほぼ新品のような状態で、絶版になっていた本が手に入りうれしかったです。
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ネタバレしてます・表題作のオチが大嫌い
表題作は出だしから本当に引き込まれました。疎開中の少年と皆から忌避されている少年との友情。田舎の言い伝え。少年達の軋轢。 作品全体に漂う絶望感や厭世感の中で小さく、でも確かに描かれる優しい少年達の交流。いいなあと思いながら読みました。 だからこそとってつけたようなオチが本当にガッカリ…何これ…ドリフのコントか。収集がつかなくなったから天井から水落としてセット回転か。 このオチのおかげである意味とても解りやすい筋の話になってしまった表題作。世にも奇妙な物語とかの原作にいいかも。 そのかわり今まで繊細に描かれてきた作品世界ぶっこわし。 本当にすごく面白く読んでたので残念でした。 他の作品はなかなか良かったです。
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お世話になりました‼️
ありがとうございました‼️
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いい加減にしてください
そりゃあ、「オール…」の受賞作かもしれないけれど、どこまでこういう、不思議感とリア ル感をちらつかせるだけで実は底の浅い「ホラー」を讃えれば気が済むのでしょう? 日本の「若い文学界」は、線の細い、ただのセンチメンタルに酔っているんですか? 中学生だって読めちゃう簡単な本なんですよ? なのに、心に向けた毒と刃物が満載! ハマりまくるように作り込まれたゲームだの、視聴率ゲットなら何でもするTVだの、大人が私 利私欲で子どもをメディア漬けにして、とことん前頭葉を破壊しておきながら、この作品を 讃える「良識のなさ」に、オトナたちは恥を感じてほしい! もう私たちを、こんなものでいじくり回すのはやめてください! 別に、乾さんが悪いんじゃないけど、今のオトナ世界って自己満足で壊れてる! そうハッキリ確信した本です!! いい加減にしてください!!! オトナが未成年の「人間」を自ら壊しにかかってることに、慄然とします! 星1つは、装丁が誠実だったことと、とにかく「書きました」という作者への労に。
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短篇だけど濃密
オール讀物新人賞受賞作「夏光」を含む全6編の短編集。大正・戦時中と現代という時代で分けられた2部構成で、顔のパーツに纏わるダーク・ファンタジーです。 前向きな気持ちになるラストもありますが、基本的に暗く残酷な話が多いです。特に少年同士の友情をはじめとした登場人物達の心理描写が実に繊細で、それが切なさ、やるせなさを際立たせています。 最後の「風、檸檬、冬の終わり」は、顔の一部に持たせた特異機能を巧みに活かした練られた物語で、余韻の残るラストでした。
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独特な雰囲気が魅力
「 プロメテウスの涙 」から読んだので 近代的なミステリを書く作者さんかと思ったら 随分、色々な作風を書ける方なんですね… 一応ホラー作家寄りにジャンル分けされているようですが 何ともいえない独特な雰囲気があります。 体の一部を題材にした短編集。 特に子供の視点から見たその夏の美しさ、日の濃さ 残酷でいて寂しいというか… 個人的には「夏光」「Out of This World」が好きです。 人の気持ちを「匂い」として感じることができる 「風、檸檬、冬の終わり」も良かったです。
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驚嘆すべき新人作家の誕生
驚くべき筆力を備えた新人が現れたものである。この作家の扱うテーマは重苦しく、ホリブルで、その表現力は腐臭漂うグロテスクな世界を描き出しており、正視するに耐えない。しかしそれだけでは、この作家を凡庸なホラー作家へとしてしまっただろう。 では、この作家の魅力とは何か。 作品の筆致は繊細で、虐げられし者への哀切に満ちている。また表題作で扱われる「原子爆弾」に象徴されるように歴史社会的な的視点も組み込まれる。「ホラー小説」というジャンルを超えて、この作家のグロテスクなまでのイマジナリーな視点は、私たちを新しい世界へと連れて行く。この小説のイマジナリーな世界こそ、実のところ、リアルな世界に通じているのだ。これこそ小説を読む悦びではなかったか。この作家が凡庸なホラー作家でない証左である。卓越した作品ほど「ジャンル分け」することは空しい作業だ。 『夏光』は新人作家の小説として今年一番の収穫である。次回作に心から期待したい。
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好き嫌いの分かれる著者だと思います
表題の「夏光」、続く「夜鷹の朝」などに顕著ですが、非常に細やかな描写を描く事の出来る、文章力のある作者さんだと思います。ただしお話は、青春物にホラーを引っ掛けたグリム童話―のような味わいの作品集なので、その独特なテイストに惹かれるか嫌うか、好みが分かれるところでしょう。ちょっぴり切ない感じを残しながら終わる作品がほとんどですが、全体としてみれば何か後味が悪い…。そんな感想を持ちました。