天地に燦たり
A historical novel that depicts East Asia shaken by Hideyoshi's invasion of Korea through three perspectives.
Work Information
Japan, Korea, and Ryukyu. Three perspectives illuminate an age of invasion.
Winner of the 25th Matsumoto Seicho Award. It portrays East Asia during Hideyoshi's invasion of Korea from Japanese, Korean, and Ryukyuan viewpoints.
Book Information
- Publisher
- 文藝春秋
- Published
- 2018-07-06
- Pages
- 349 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 13.8 x 2.4 x 19.4 cm
- ISBN-13
- 9784163908700
- ISBN-10
- 4163908706
- Price
- 1584 JPY
- Category
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
この熱量はすべての読者を圧倒する。 衝撃の松本清張賞受賞作。 戦を厭いながらも、戦のなかでしか生きられない島津の侍大将。 被差別民でありながら、儒学を修めたいと願う朝鮮国の青年。 自国を愛し、「誠を尽くす」ことを信条に任務につく琉球の官人。 豊臣秀吉の朝鮮出兵により侵略の風が吹き荒れる東アジアを、 三つの視点から克明に続く。 なぜ人は争うことを辞められないのか。 人と獣を分かつものとは、一体なんなのか―― 京極夏彦、三浦しをんら選考委員も絶賛した 傑作歴史エンターテイメント。
Reviews
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そこでどう生きるか
普段は歴史物も戦争物も読みませんが、沖縄に起きた事なら知りたい、と思い購入しました。 3つの国の立場の違う3人から見える世界の違い、戦いの描写はきつかったですが、どう展開していくのか、面白くて早く先が読みたい本でした。 松本清張賞の受賞作だったんですね。次作の「熱源」も読みたいです。
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読み応え満点。登場人物が皆、魅力的!
「熱源」を先に読んでいるのですが、この作品も「熱源」同様、異なる文化、人種、育ち、思想、欲望の複数の登場人物が歴史の畝りの中でもがき、苦悩し、絶妙に繋がり合い、最終章に向かっていく流れは似ています。今回は、秀吉の朝鮮出兵の時代という自分的には教科書でしか知らない時代背景の中、朝鮮国と琉球王国、倭の島津藩が絶妙に絡み合って読み応え満点です。難しい漢語や儒学の文体が出てくるけど、それを差し引いてもストーリーテリングが秀逸で、登場人物それぞれが魅力的で面白い。この作家さん、ハマる。
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みんな大好き!! 高橋紹運が出てくるよ!!(ひどい誤解を招くタイトル)
第一章だけだけどね!! というか、こんなレビューが一番槍でよろしいの!? いやぁー、島津対大友。熱い、熱いよね。この九州地方の派遣争いは、戦国末期を避けて通れない熱さがありますよ。 そんな戦いの中、岩屋城で壮絶に討ち死にした紹運パッパが「王に仕えよ」とか、敵方の島津武士に言っちゃったからですよ。 王とはなんだ。人は王になれるのか。天地と参なることはできるのか。 そんなことをもんもんもん主人公の島津武士――大野七郎久高は考える。 戦国のキリングマシーン集団島津。けれども彼らにはちゃんとした心があった。 苦界の日々に、仏も神も信じられず、俺たちはなんなのだと久高は自問自答する。 今で言うところの自分探しですな。 まぁ、それは冗談として、誰だって一本筋の通った生きるための根拠を求めるのは、時代という荒波を生きる男の常。 彼は「高橋紹運」の残したその言葉の意味を追って、多くの経験を積み重ねていきます。 そして、時代はすでに決まっているもの。彼に待ち受ける運命もまた決まっている。 朝鮮出兵・琉球制圧。逃げ場のない戦場と戦いの中で、必死に彼はそれが何なのかを探し求める。 物語の最後の最後まで――。 一方、彼の周りに現れた、朝鮮人と琉球人。彼らもまた、自らの信じる王を求めてこの時代をうつろう。 時にこの三人が交差し、同じ王を求めながら、憎しみあい、拳を交え、あるいは談笑する。 そんなやり取りの果てに待っていた最後の結末は。 天地に参することが人はできるかは――。 本のタイトルでお察しください。 帯にある通り、礼に始まり礼に終わる話。 礼を知りたいと獣の生を駆け抜ける島津。 礼を知ってなお憎しみに突き動かされて戦場を行く朝鮮人。 そして、礼に生きると腹を括りながらも、礼に生きるとはなんなのかと自答する琉球人。 儒学はよくわかんないですけど、男たちが、生き方に悩み苦しみ、最後の最後まで何に殉じるのか、それを思い悩む姿は激熱です。 ちょっと漢語とか出されても難しいですしおすしとか言わずに、読んでみると意外と面白いですよ。 熱い戦国モノを読みたいのであれば、今はこれという作品です。
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知識量が「面白さ」につながっていない
これを書いた人は、かなりの知識人だと思われる。戦国時代の島津、沖縄、朝鮮などの事情に精通している ようだ。松本清張賞の授賞は、その「膨大な知識量」に対するご褒美か? だが、エンターテインメントとして考えた場合、「すごいなあ、けどイマイチ面白くない」としか言えない。 戦国物が好きな人は多いと思うが、儒学だとか覇だとか礼だとか、理屈っぽい部分が多く、次のページをめく らせるだけのパワーがない。辞書にもなかなか載っていない熟語や表現が多々見受けられ、スピード感が削が れている。たとえば、「薬臭い」という言葉など、何を意味しているかすらわからない。また、戦いの最中に 儒学的な問いをするために、わざわざ敵の武将に会いに行くなど、実際にはあり得ないこと。 ラストは沖縄の首里城のシーンで終わるが、そこの門の扁額を取り替えることにどれだけの意味があるのか。 それを納得させるには、登場人物の心理面を読者に共感させる必要があるのだが、私はあまり共感できなかった。 これだけの知識があるのなら、もっとハラハラ・ドキドキ・ワクワクという要素を高めて欲しい。そうしない と、一部のマニアックな読者以外は離れていくのではないか? これが処女作だそうだから、それなりの力はあ るのだろう。が、作家として続けていけるかどうかは、2作目以降にかかっている。作者には、上記の部分を学 んでもらいたい。
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最後まで興味深く読めた。
倭・朝鮮・琉球の青年久高(ひさたか)と明鐘(めいしょう)と真一(まいち)の三人を描く。久高は島津家の重臣で勝つためにのみ生きる武士、明鐘は白丁ではあるが儒学を学び、戦に紛れ戸籍を焼き壮丁として生きる、真一は商人を装う官人で琉球を守る。それぞれの立場で命をかけ生きていく姿がうまく描写される。全編を通し、自分が「何のために生きるか」を考えさせてくれる。三国の特色と関係も歴史的にうまく示している。興味深く読め、とてもよかった。 「なあ、礼を知らぬ樺山(久高)よ」 棘のある言葉だが、洪(明鐘)の声は諭すような和やかさがあった。 「礼を説く大明国を目指し、礼を尊ぶ朝鮮国を攻め、礼を守る琉球国を獲る。この後、倭は、どこへ行くんだ」 最後のところで三人が出会う場面、とても印象に残るところだ。いろいろと考えさせてくれる。
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戦国時代末期の日中韓の創造的関係性
戦国時代の小説となると、どうしても京都や近畿が中心となる。権力者の集まるところだからだ。 この作品の特異な点は周辺からの視点で描かれていることだ。しかしその周辺は外国との接点という意味ではダイナミックで国際的なドラマが作れて面白い。確かに周辺も中央からの影響は無視できない、いやむしろその影響を否が応でも受けている。その交わる地域で生きる者はその渦に巻き込まれてしまう。 この作品はそんな運命に翻弄されながらも、最終的には「生きる」という解を提案している。 それこそが矛盾や二者択一の厳しい状況の中で人が選ぶべきものではないだろうか。 読者は大いに励まされるに違いない。
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「熱源」から先に読みました
島津の侍大将、朝鮮の白丁、琉球の密偵の視点を寄せていって、「武」による征服と「礼」の普遍力を対比するという主題を描いている長編でした。なんだか憲法9条に関する論争を読んでいるようで、全体的に「薬臭い」気がしました。地の文に難読漢字を多用する反面、会話文がちゃらく、ちぐはぐ感もありました。 けれども、これを会社員がデビュー作として書いたことを知ると、称賛・驚嘆せざるをえません。編集者の解説がすごくよかった。
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思わず
思わず涙がでてきました。単なる日本の武士の生きざまを描いたのではなく、当時の世界事情を取り込んで物語が展開していったのが、私には斬新でした。現実もこんな交流ができればいいのに、と切に願います。