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ミス・サンシャイン

Shimasei Romance Literary Award

ミス・サンシャイン

Shuichi Yoshida

A novel in which graduate student Okada Isshin helps sort the belongings of the legendary film actress Waraku Kyoko, also known as Ishida Suzuko, and comes to know her life in cinema and memories of the atomic bombing. Through an exchange across generations, it quietly explores Nagasaki, wartime memory, aging, and renewal.

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Work Information

A veteran actress and a graduate student open up the memories of Nagasaki and the atomic bombing through their exchange.

A long novel by Shuichi Yoshida published by Bungeishunju in 2022. It centers on the exchange between a veteran movie star and a graduate student, layering film memory over the history of Nagasaki as a hibakusha city.

Review Summaries

  • The quiet structure that traces the actress's life and the lingering effect on the young protagonist as he changes through contact with the past are well received. Many readers find the layered treatment of film and memory compelling.

Book Information

Publisher
文藝春秋
Published
2022-01-07
Pages
288 pages
Language
日本語
Size
13.6 x 2 x 19.5 cm
ISBN-13
9784163914879
ISBN-10
4163914870
Price
1742 JPY
Category
本/文学・評論

僕が恋したのは、美しい80代の女性でした…。大学院生の岡田一心は、伝説の映画女優「和楽京子」こと、鈴さんの家に通って、荷物整理のアルバイトをするようになった。鈴さんは一心と同じ長崎出身で、かつてはハリウッドでも活躍していた銀幕のスターだった。せつない恋に溺れていた一心は、いまは静かに暮らしている鈴さんとの交流によって、大切なものに触れる。まったく新しい優しさの物語。 吉永小百合、推薦。 「彼女は亡くなり、私は生きた」 鈴さんの哀しみが深く伝わって来ました。 作家の故郷への思いを 私は今、しっかりと受け止めたいです。

Reviews

  • 思わず泣いてしまういい作品

    大学院生の岡田一心は伝説的な名女優和楽京子の身辺整理を手伝うことになる。戦後日本だけでなく世界の 人たちのあこがれとなった彼女も今はいいおばあさん。一心はこの矜持を持って凛とした女性の過去に触れる ことでいろいろなことを学んでいく。ここら辺のストーリーは、戦後日本映画と銀幕のスターたちへのオマージュと なっている。一心は昔自分の幼い妹を病で亡くしている。そして激しい失恋も経験する。和楽京子と語り合うことで 長崎で被爆した彼女の過去の人生を知ることになる一心。大きな事件は起きない。感動的な言動もない。だが、 和楽京子やその周りの人々の話は強く胸を打つ。一心はここで貴重な人生勉強をすることになる。読みながら 胸があつくなる佳作である。

  • 何気ない日常の何気ない出来事に引き付けられる

    モデルになってる人がいるのだろうかとか だとしたら誰だろうと想像しながら読み進んだ。

  • たくさんの人に読んでほしい物語

    女優、和楽京子の生き様に魅了されつつ、物語に没頭。 被爆した友人への思いを知ったときには涙、涙。 たくさんの人に読んでほしい物語。

  • 感動するようなしないような

    うーん、なんだろう。鈴さんと一心、昌子とのやりとりは時々クスっとさせるものがあります。ただ鈴さんが女優になった背景と一心の人生がもう少しクロスオーバーして感動すると思いきや今一つのめり込めない。 最後の方は少し飽きてきた感があります。

  • 生きることの気高さ

    文庫化を機に、国宝に続き吉田修一氏の作品を読ませてもらった。 帯書きや、文学賞で主題が男女の恋愛物なのかと読んでみたがそうでは無く、主題は、戦争、原爆や病により人生が翻弄されようとも、ミスサンシャインと被爆を陰で揶揄されようとも、幸福とは何か、生きることの気高さとは何かを考えて欲しいということなのでしょうか。一心の鈴に対する思いは、男女の恋愛感情ではなく、鈴の生きることに対する気高さに対して、尊敬や慕う気持ちなのでしょうか。

  • 戦争はいやだ

    戦争は悲しみしか残さないと思います

  • 涙腺崩壊ではなくて

    最近、安易に涙腺崩壊という言葉が用いられています。この作品も涙腺崩壊必至だそうですが、私は長崎の方々の叫びと読みました。夏になると戦争や原爆のことが丁寧に長崎では語られますが、他県ではそんな事はない、という現実を長崎から出て初めて知る、なんで?長崎を忘れるな、作者の叫びとして読み終えました。

  • 涙腺崩壊させる壮大な歴史小説

    吉田修一という作家は名前も知らなかった。金沢学院大学の友人が同大学が主催する「島清恋愛文学賞」の受賞作品として推薦してくれたので、読んでみた。最初は文体の軽さ、描写の底浅さに、読み通す価値があるかを疑い、投げ出しそうになった。ところが途中からグイグイと引き込まれたではないか。最後の、アカデミー賞授賞式に特別招待された和楽京子の、ついに読まれなかったスピーチの原稿を主人公の一心が読むところで涙が止まらなくなってしまった。 これは恋愛小説ではない。並の恋愛小説ならこんな涙腺崩壊に至るなんてありえない。恋愛を、性愛を超えた深く純粋な愛を描く小説であり、20世紀後半の日本の歴史を辿る壮大な歴史小説であるからこそ、深く心を抉る、揺さぶるのだ。大女優、和楽京子(鈴さん)、肉体派女優として出発し、演技派女優となり、テレビの台頭で映画が衰退するとテレビ女優、さらに舞台女優として活躍を続ける。実在したさまざまな女優たちがモデルとなって重ね合わされている。彼女の人生の軌跡は第二次大戦後の日本の歴史をなぞっていく。その出発点にあるのは長崎の原爆だ。終戦直後の長崎を舞台としたカズオ・イシグロの『遠い山なみの光』を想起せざるを得ない。吉田修一もイシグロも巨大な悲劇を正面から描こうとはしない。しかもここにあるのは死者たちが生きた生への絶対的肯定だ。幼くして病死した一心の妹、一愛(いちえ)と鈴さんの親友、原爆症で死んだ林佳乃子は、幸せであったことを告げて逝く。 (一愛)「一愛のこと、幸せな女の子だって思っててね。だって、本当にそうなんだもん。」 (佳乃子)「こんな楽しい人生ば過ごせた人なんて、そうそうおらんよ。うちは本当に恵まれとる。こんな幸せ者はおらん。……ね? 鈴ちゃん、そうやろ?」 この二人の背後には戦争による非業の死を迎えなければならなかった幾千万の魂が見える。和楽京子は彼らの身代わりとして激しい情熱で生き抜いていったのだ。

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