私家版・ユダヤ文化論 (文春新書 519)
A critical study that rereads Jewish culture and antisemitism through intellectual history, questioning the assumptions behind fixed ideas.
Work Information
私家版・ユダヤ文化論 draws readers in through its focus on Jewish culture.
A critical study that rereads Jewish culture and antisemitism through intellectual history, questioning the assumptions behind fixed ideas. The award brought renewed attention to the work, and it remains an important point of reference in the author’s career.
Review Summaries
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Readers value the accessible approach and the way the subject is handled, while some find the heavy themes or distinctive voice a matter of taste.
Book Information
- Publisher
- 文藝春秋
- Published
- 2006-07-20
- Pages
- 248 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 18.2 x 10.3 x 1.3 cm
- ISBN-13
- 9784166605194
- ISBN-10
- 4166605194
- Price
- 990 JPY
- Category
- 本/社会・政治/社会学/社会学概論
ユダヤ人はどうして知性的なのか? なぜ、ユダヤ人は迫害されるのか? レヴィナスらの思想を検討し難問に挑む。小林秀雄賞受賞
Reviews
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非常にスリリングな論考であるけれど
内田先生とユダヤ人に両方、少しずつ興味があったので購入しました。 購入してからしばらくほっといたのですが、休日で暇を持て余した手に取って読み始めたら一日でした。 読み始めたら止まらない!! まるで推理小説かなにかのような中毒性があります。 様々なところに、最後の結論となる伏線を用意し、最後の結論、つまりユダヤ人とは○○○○○であるとの指摘はエクスタシーを感ぜずにはいられません。 なるほど!! そうか、そういう風に落とすんだぁ、とか。 そして内田先生と自分との圧倒的な差に落ち込んだりします。 この本は決して簡単ではありませんが、内田先生著の「寝ながら学べる構造主義」とか「現代思想のパフォーマンス」とか読んで 構造主義についての知識を蓄えておけば、なるほどなるほど、と読み進めていくことができると思われます。 ただ、先生自ら師と仰ぐレヴィナスの影響が結論に影響しすぎていることは否めません。 というか、内田先生の思考自体がレヴィナス及び構造主義的な雰囲気で、独自な意見というのはどこまであるのか?というのは疑問でした。 理解力があり、論理力があり、よって聡明であることはわかるのですが、著者自身の言葉は意外に少なく、下手をすると著者を著者の中でいわれる、反ユダヤ主義的な人間にカテゴライズしてしまいそうな欲望に負けそうになります。 この本は解説書的にすてきだなと思いました。 物足りないのは、中性っぽい冷静さが熱さをたえず押さえていたところです。 続きが読めるのでしたら、大爆発を起こした先生を期待いたします。
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「飴と鞭」よりも「成熟への期待と悩み」。その精神が「知性」そして「ユダヤ」
人類を見守り、絶対の力で救いをもたらす神はいない。現代に「神」は必要ない。 ホロコーストの歴史やカルト宗教の陰惨さを知り、そう考えたくなった十代のころ。 旧約聖書のヨブ記も知ったが、消化できないまま長らく、抱えていた。 それでは多くの大人は、何を信じているのだろう、何のために生きているのか、自分はどうするのか。 まともな大人って何だろう。 この青臭いかもしれない疑問に、内田先生が、「はい、これどうぞ」と渡してくれるリレーのバトンのような論考。 ユダヤの神は、善行へのご褒美や、悪行への懲罰で人を追い立てはしない。 「神は現れてはくれない、それでも『どこかから(もしかしたら自分自身から)求められる善きもの』を無視できず、悩み、日々を営み、人は成熟する。そのような精神を受け継ぐ人の存在が、神の存在を証している」。 このような精神性が「ユダヤ的」であり、人類の「知性的」と呼ばれる資質そのものではないだろうか。 人類が知性的である限り、これを激しく求め、得られず憎む「反ユダヤ」も消滅しない。 なるほど小林秀雄賞、と思わせる、わけの分からなさ(洞察なのか、論理の飛躍なのか、丸め込まれそうな出来のよい物語なのか)。それも内田先生の狙い通り。 一見するとすぐには役に立たない。エンタメ的に爽快、明快、高揚感あふれる話でもない。 でも実はここにある何か、大切にリレーされてきた知性のバトンが、ノーベル賞的イノベーションや、豊かな映画音楽を育て、人の世界を支えている。 「サピエンス全史」がなぜ、イスラエルの歴史学者による著者なのか、再読すると気付きがあるかもしれない。
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良かった
良かった
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「ユダヤ的知性」へのオマージュ
この本を読むことで 新たに知ることの出来る事実や考え方は多い。 そこにある歴史や現実に迫ろうと 著者が懸命に思弁する姿が、そこにはある。 そしてそのように思弁することそのものが 「ユダヤ的知性」へのオマージュとなっていく。 客観的なユダヤ論は 著者の内なる憧憬の発露へと変っていく。 この本が「私家版」であるのは その思いのためである。
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「ユダヤ問題」に果敢に取り組んだ内田流読み解きの書
[ユダヤ]に関しては、多くの世界的賢者が論じて来た如く、相当厄介な問題らしい。「ユダヤ問題」とは何か? ユダヤの歴史のほんの少し、ユダヤ教、ホローコーストなどは知っている人は結構いると思うが、なぜ、世界の大哲学者たちが、困難を極めてそれを探求し、解釈してきているが、何なのか。 著者は「あとがき」で、この本は大学での3回の講義のあと学生からレポートを集めたら「ユダヤ人が世界を支配しているとは、この講義を聞くまで知りませんでした」と言うものが散見され、これは困ったことになった。「ユダヤ人が世界を支配している」と言う人間がいるが、そういう奇想天外なる発想はどこから生成したのかという事を論じたのだが、これではまるで私が反ユダヤ主義的デマゴギーを教壇からまき散らしてる様ではないか」「あわてて翌年、後始末のつもりでこの書を書いた(前年の学生はもういないので、取り返しがつかないのであるが)」とある。 さすがの内田樹先生も慌てて、内田先生独自の解釈を分かりやすく丁寧に書いたものがこの書であるらしい。したがって「私家版」なのであり、どうも読んでいくと「ユダヤ人陰謀論、世界を操るユダヤ人」と言う大問題がなぜ生まれ、また、存在し続けているのか、どうしてそうなっているのか」を、内田先生らしく常識的だが、人の世界は裏表があり、それを丁寧に読み解いていかないと、ついつい人間は簡単な明確な言説に飛びつく。はたまた、とんでもない荒唐無稽な言説で惑わし、そうなんだから信じろ式の言説もあり、まして、この問題にはどう説明してよいか非常に難しい問題であるらしい。 つまるところ、ユダヤ式思考方法は、キリスト教式思考方法などとは相容れない思考であり、一般常識的とも異なった思考をする。そして、ユダヤ人には優れた人物が多い。こうなると、「奴らは何を考えているか分からない、悪賢い奴らだ(私の解釈)」的に見られる要素がユダヤ人の思考にあるとし、其処に人は面食らい、訳が分からない奴らだと決めつけ、魔女ではないが陰謀集団の様に、そのすごさを認めるがゆえに恐怖を感じているのではないかと、言う様な分析をしているように感じた。何かわけのわからない良くないことがあれば、「それは、そのせいだ」とすれば一般的には片づけられる。 この書は「小林秀雄賞」を受賞しており、「ユダヤ文化論」として一定の評価を受けている様であり、読んでみる価値はある。ただ、極力わかりやすく書いてあるようだが、かなりしっかりと読み込まないと、何が言いたいのか、「ユダヤ問題」とは何かをなかなかつかめない。 正直、一度読んだだけでは、私はまだつかみ切れていない。しかし、読んでみることをお勧めする。
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利害でなく愛と憎しみが形作る世界。
この本は、非常に面白いです。 タイトルから中身が想像できなかったのですが、実はそのものズバリだったんですね。 この本の面白さは、著者の思考過程を追体験あるいはロジックと対話するところにあるのだと思います。 「私家版」と名づけているのは、通説ではない、かなり暴走するかもしれない、ということに対する断り書きの意味です。 ユダヤ人問題というのは、日本人にとって理解しがたい事柄の一つであるでしょう。 本書にも、ユダヤ人にとって日本に対する関心は無に等しいことが記されています。 であるのに、日本にも「反ユダヤ主義」が存在しているという事実。 この特殊性。日本という物指しをあてて、ユダヤを語り始めているあたり非常に理解しやすい入り口になっています。 ユダヤ人とは誰のことか?を定義するために日本人とは誰か?を考察します。 それによって、ユダヤ人が極めて稀な人々の集団であることなどが提示されていきます。 ユダヤ人ほど、迫害の運命を背負った民族(といっていいのかどうか)はありません。 このことを追求してゆくと、世界を動かしているのは利害という論理思考ではなさそうだと思えます。 人間とは如何に不可解な生き物であることか。 軽妙な語り口が読みやすく、知的な推理ドラマのようにも感じられます。 ユダヤ文化が如何に世界に影響をあたえているかを同時に学ぶことができます。
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何か自家撞着 しているの感が最後まで抜けきらなかった。
ユダヤ人とは何かを定義できないまま、 ユダヤ文化論を論じるのは何か自家撞着 しているの感が最後まで抜けきらなかった。