滝沢馬琴 (上) (文春文庫 (224‐3))
滝沢馬琴 is an award-winning work by 杉本苑子. It follows personal memory, place, and the pressure of everyday life through a voice shaped by its period.
Work Information
A compact work in which 杉本苑子 traces how memory and daily life shape a person's sense of belonging.
This award-winning work by 杉本苑子 presents its characters and themes through a restrained, period-conscious style. It is best read as a literary work rooted in its original moment while still showing the author's lasting concerns.
Review Summaries
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The work is valued for the way its subject and style reflect the literary climate of its time. Its readership is now more limited, but it remains a useful point of reference for the author's career.
Book Information
- Publisher
- 文藝春秋
- Published
- 1983-06-01
- Pages
- 282 pages
- Language
- 日本語
- ISBN-13
- 9784167224035
- ISBN-10
- 4167224038
- Price
- 3198 JPY
- Category
- 本/文学・評論
第12回(1978年) 吉川英治文学賞受賞
Reviews
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滝沢家のホームドラマ
朝ドラになりそうな滝沢家のホームドラマです。同居の家族はもちろん、馬琴の妹 甥 姪、嫁のお路の実家の面々など個性豊かな人物がたくさん登場します。 また、同時代の文化人 葛飾北斎や渡辺崋山が物語の随所に姿をみせます。特に只野真葛ゆかりの堀内節子は深くかかわってきます。
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興味深く,面白く読める
それぞれの人物の性格描写が優れていて面白く読める.特に,馬琴の妻のお百さんの性格は身につまされる.崋山こと渡辺登(のぼる)の姿も爽やかで印象に残る.馬琴の一途で凄まじい生涯を初めて知った.他の馬琴の話も読みたくなって,目下,朝井まかてさんの『秘密の花園』を読んでいるが,これも劣らずにいい.馬琴が作家さんにそんなに魅力があるとは知らなかった.お二人とも文章力があって見事だと思う.★崋山の字が間違っていました.
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硬骨の作家滝沢馬琴
江戸後期の最大の作家馬琴の生涯を描いた大作。武家出身の誇りを戯作者となっても捨てられず、生きるのが下手な硬骨漢滝澤解のさまざまな苦労が伝わってくる。口うるさい妻お百、神経質でまじめだが病弱の宗伯、無口で無愛想な嫁のお路等々のキャラクターもみごとに描かれている。同時代の画家の葛飾北斎とその娘おえいの痛快な活動も本編の巧妙なスパイスとなっている。
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見て来たような・・・
上下巻を一気に読み終えるほど面白い馬琴小説です。馬琴贔屓が読めば、きっと杉本苑子贔屓にもなること必至です。 「見て来たような嘘をいい」という言葉がありますが、「完璧な嘘」ならば書物の中では現実のものと化すものです。プロの技というに相応しい出来栄えは、決して期待を裏切らないでしょう。一級の娯楽伝奇小説と断言します。
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不遇の中にも執念で生きた作家魂が感動を呼ぶ
戯作者と侮られようとも、学者・文明批評家として読本に重厚さをそなえる。伝記小説の主人公に仕立て上げるには、日常生活の現実と闘う家長としての人間馬琴を描かねばならなかった。不朽の大作『八犬伝』の大団円を目指す辛苦の日々があった。 馬琴は現実的には不幸だった。家計の逼迫、相続く窮乏、身内の死、同業者との軋轢、親友渡辺崋山を裏切った自責の念、失明していく苦渋・失意の中にも必死に生きていく。その意固地なまでの底知れない作家魂で生きた男の美学。そういう類い稀な一人の男の執念に深い感動を覚える。
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同じ記述の繰り返し少々うんざりさせられました。
上下巻で「書き下ろし千枚の長編歴史小説」と帯にありますが、滝沢馬琴の家庭事情、しかも同じ内容が繰り返し書かれていて、少々うんざりさせられます。著者杉本苑子氏の作品は例えば「影の系譜」「絵島生島」等の作品では、そのストーリーの巧みさと文章力で読者を惹き付けどんどんと読ませる展開だったのですが、この作品は馬琴の性格描写・妻を始め家庭の人間関係に恵まれていないこと・金銭的な不遇等が何度も繰り返し書かれているだけで、読み本作家としての世間での人気とそこからくるエピソード(例えば他の作品ならば、活劇・ストーリーとも言える部分でしょう)がただ語られるにとどまり、進展した物語として展開していません。少々うんざりしました。 親族関係に触れるにしても、どうにもややこしく、ただ馬琴が不満を述べる為に書いただけ。特に兄妹に近親相姦などは何のために書かれたのか、ただ書かれただけで、その意図が解りません。同じ様に他の戯作本作家の名前を何人もあげ、かつ渡辺崋山までも登場させますが、何の為に名前をあげたのか?その意図が不明です。その作家たちの作品との比較、競い合いも具体的に書くわけではなく、作品やその後の経歴など資料だけの丸写しの様な印象を持ちます。 著者は馬琴伝を書きたかったのか、それとも資料をなぞりたかっただけなのか、杉本氏のファンだけに期待外れの作品でした。