Japan Juvenile Writers Association Award
スクラッチ
A story of Suzune and Chiaki as they face their final summer of middle school during the COVID-19 pandemic. With a volleyball tournament and an art exhibition both cancelled, they work through disappointment and frustration while searching for their own forms of expression and a path forward.
Work Information
In a final middle-school summer seemingly painted over in black, two students try to leave a mark of their own.
Suzune, captain of the volleyball club, grows increasingly angry when the tournament she awaited is cancelled. Chiaki, head of the art club, keeps working on a painting of student athletes even after the municipal art exhibition loses its judging. When ink unexpectedly splatters across the canvas, their loneliness and hope intersect within a daily life that has come to a halt.
Book Information
- Publisher
- あかね書房
- Published
- 2022-06-21
- Pages
- 333 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 13.7 x 2.5 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784251073129
- ISBN-10
- 4251073126
- Price
- 1650 JPY
- Category
- 本/絵本・児童書/読み物
コロナ禍で「総体」が中止になったバレー部キャプテンの鈴音。美術部部長の千暁は出展する予定の「市郡展」も審査が中止。「平常心」と自分に言い聞かせ「カラフルな運動部の群像」の出展作を描き続ける千暁のキャンバスに、鈴音が不注意から墨を飛ばしてしまい…。コロナ禍で黒く塗りつぶされた中三の夏。そのなかでもがきながら自分たちらしい生き方を掴み取っていく中学生たちの、疾走する”爪痕”を描く物語。
1975年、東京都に生まれる。図書館司書、保育士として勤めながら、創作活動を続け、デビュー作『シーラカンスとぼくらの冒険』(あかね書房)で第41回児童文芸新人賞受賞。その後愛媛県に移住。現在、小中学校で子どもたちの学校生活に関わりながら、作品を書き続けている。
Reviews
-
いまこのとき
新型コロナ禍の現代におけるひと夏の中学三年生の青春の切り抜き。 内容はネタバレになるので伏せるが、YA(ヤングアダルト:小学高学年から高校生くらいまで)に向けて書かれた物語で、何より物語の内容とリンクした「スクラッチ」というタイトルが秀逸。 人間ドラマとして完成度が高く、「あの夏」を思い出したい大人たちにもお勧めできる作品。 いまこの時代だから書かれたことは間違いない。この時代を代表する作品になるかも知れない。
-
独特のリズム感ある物語
老輩には分かりにくい若者言葉はあるものの、そのリズムに乗せられて一気に読了。 やや暗い世相の中でもたくましく成長していく若者の姿を爽やかに描いています。 愛媛の片田舎で頑張っている作家さんを知って何だか誇らしい。
-
お宝本に出逢えた!
主人公はクールな美術部男子と 元気印のバレー部女子を中心とした4人の中学3年生。 コロナ禍もあり不完全燃焼気味だった彼らが、 さまざまな制約の中で関わり、刺激を与え合って、 本当にやりたかったことに目覚めていきます。 自分を偽ってきた少年の覚醒っぷりが良かった! 正直、ノーマークの著者でしたが、 描かれる子どもたちが瑞々しく、まぶしくて、 心が躍る読書体験になりました。 ちょっと変わった先生たちの役どころも絶妙の一言。 こういうお宝本にまれに出逢えるから、 やっぱり読書探索はやめられないですね。 (対象年齢は12歳半以上かな?)
-
コロナ禍の青春
コロナ禍という時期を題材として扱った佳作。後にコロナ禍の資料ともなるのではないか。もとより、児童文学という枠に留まらぬ意味で。大枠で言えば片田舎の中学が舞台で、バレー部の鈴音、美術部の千暁が語り手となり、青春のとば口であり、人生のとば口での葛藤しながらの前進が描かれる。生々しく、活き活きした中学生らしい中学生、彼らをとりまく人らの息吹きが、わが息吹きと重なって感じられる。著者の、さぁなんというのだろうか、ざっくりと掴みとる、それでいて過不足ない消息に、充たされる思いのある。最後に鈴音が、ぐちゃぐちゃだと言うが、まさにぐちゃぐちゃで、さりながらまっすぐな情熱があるのは青春の特徴であり、この著書の特色でもあるのではないか。こんな場面がある。仙先生に「楽しかったか?苦しかったか?」と問われ千暁は答える。「楽しかったし、苦しかったし、何より夢中でした」。そぞろに、著者がこの作品を描いた感想に重なるのではないか、そんなふうに感じられる。
-
コロナのプロパガンダ本
コロナと中学生生活を描いた作品、謎多きコロナ設定を苦しみながらも粛々と受け入れていく主人公たち。最後に鈴音が、将来の夢は「コロナ専門家になる」的なことを言って物語は終わる。物語自体は楽しく読めたが、こういう「コロナプロパガンダ」を読書感想文の課題図書に持ってくるのはいかがなものかと親としては子供に読ませて良い本かどうか悩みました。