佐川君からの手紙: 舞踏会の手帖
Sagawa-kun kara no Tegami begins with a letter from a man involved in a Paris case and follows the narrator's journey to seek a meeting. As strange encounters blur fact and fiction, Jūrō Kara's theatrical imagination examines love, desire, and the limits of understanding another person.
Work Information
A literary journey through Paris, set in motion by a letter and shaped by the shifting boundary between fact and fiction.
Set in Paris, this novel follows an attempt to visit the sender of a letter. Rather than treating its source event as a simple record, it layers encounters and narration to question what it means to understand another person. It received the 88th Akutagawa Prize.
Book Information
- Publisher
- 河出書房新社
- Published
- 1983-01-01
- Pages
- 173 pages
- Language
- 日本語
- ISBN-13
- 9784309001173
- ISBN-10
- 4309001173
- Price
- 320 JPY
- Category
- 本/文学・評論
第88回(昭和57年度下半期) 芥川賞受賞
Reviews
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購入間違い
事件について詳しく知りたかっただけなので、この本はちょっと的外れでした。芥川賞受賞作だもんねー。
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人肉食
私がこの本に出会ったのは 学生の頃… 一日で読破しました。 パリで 好きだった女性を射殺して、切り刻み その肉を食した 佐川君… オッパイは 黄色い脂肪ばかりで、トウモロコシみたい…フライパンに置いたら、プクーッとオッパイが膨らんだ… って 凄いなぁ この人 こんなんやった人なのに、日本で普通に生活してて、 奈良のサカキバラ事件では、本も書いてるんだよね(笑) まぁ とにかく 読んだ後は ちょっと 異時限にいるような感覚になりました
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人を喰った話
どこまでが虚構なのだろうか?と思った。なんとも幻想的な感触だった。事件自体が非現実的なために、すべてが佐川君を中心に回っているメリーゴーランドのようだった。 本書を読んでこんなことを思った。なにもかも定められた歯車のように、すべてあるべきところに収まっていれば誰も足を踏み外したりはしない。どこかで油が切れるか、歯車が欠けるとかそういう何百万分の一の確率でしか起こらない出来事がたまたま起きてしまって、誰かがどこかで暗い穴の縁に立たされることになってしまうのだ。 本書は著者の唐十郎に佐川君から手紙が届くところから幕をあける。それを端に著者と佐川君との文通がはじまり、やがて唐は佐川君に会いにパリに渡る。 ここらへんから、だんだん現実感が薄れていく。現実が虚構に侵食され、物語内の作者と一緒に読者もあわい幻想の世界へと踏み込んでいくのである。実際にあった事なだけに、この現実と虚構の混在という描かれ方は的を得ていると思う。この話の中に出てくる佐川君は実際人の肉を喰っているのだ。なんとも血腥い話ではないか。自分で殺し、自分でさばき、自分で料理して人の肉を喰っているのである。これをドキュメントで読まされたら、こちらも受ける衝撃の度合いがかなり違ったものになったであろう。昔からカニバリズムを題材にした小説というのはかなり書かれていて、数えあげていったらその多さに驚いてしまうほどなのだが、それだけこの人類最大の禁忌といわれる行為は人を魅了するものなのだろう。やってはいけないことというのは、反対にとてもやりたくなってしまうもの。しかし、人を喰うなんて行為は、あまりにも悪魔的な行為なのでやりたいとかやりたくないとかいう以前に遺伝子レベルで拒否反応 が起こってしまうものだ。だから、そのあまりにも高いハードルを乗り越えてしまった人に対して畏怖にも似た興味をかきたてられてしまうのだろう。 本書は、芥川賞を受賞している。万人に認められた書だ。人を喰った人の話であるにも関わらずにだ。これは凄いことだと思う。
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幻想的
高校時代に学校の図書館で借りて以来の再読。高校時代は何がなんだか解りませんでしたが、人間年をとると人生経験も少しは増えて、ちょっとですが物語の世界観を知れた気分になりました。現実の事件と作者が辿る幻想的なパリの街での出来事。幻想と現実が結びついた瞬間に作者の内面が飛び散るのである。内面をえぐられる感覚ですが、ラストが素晴らしい。このラストによって本作は一級の芸術作品となったのであろう。芥川賞受賞とは関係ない部分で、素晴らしい作品である。自分の内面を知る手がかりを得たい人は必読です。決してカニバリズムの物語ではないので、そちらに興味のある人は肩透かしを食らいます。