Japanese Literary Awards

← Back to awarded works
屍者の帝国

Seiun Award

屍者の帝国

EnJoe Toh

The Empire of Corpses is a science-fiction novel completed by Toh EnJoe from Project Itoh’s manuscript and plan. Set in a late nineteenth century where corpse technology supplies global labor, it follows John Watson in pursuit of mysteries around the soul and records.

steampunkcorpsessoulalternate historycollaboration

Work Information

In a world where the dead work, a journey begins in search of the soul.

Published by Kawade Shobo Shinsha, the novel completes Project Itoh’s unfinished final work through Toh EnJoe’s writing, combining adventure momentum with philosophical inquiry.

Review Summaries

  • Its appeal lies in carrying the unusual circumstance of one writer completing another’s unfinished plan while balancing adventure momentum with speculation about the dead.

Book Information

Publisher
河出書房新社
Published
2012-08-24
Pages
459 pages
Language
日本語
Size
13.9 x 3.1 x 19.6 cm
ISBN-13
9784309021263
ISBN-10
4309021263
Price
1980 JPY
Category
本/文学・評論/SF・ホラー・ファンタジー

フランケンシュタイン技術が全世界に拡散した19世紀末、秘密諜報員ワトソンの冒険が始まる。日本SF大賞作家×芥川賞作家の大作。

伊藤計劃 1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。 円城塔 1972年札幌市生れ。東京大学大学院博士課程修了。2007年、「オブ・ザ・ベースボール」で文學界新人賞受賞。12年、「道化師の蝶」で芥川賞受賞。著書に『Self-Reference ENGINE』他。

Reviews

  • もっと

    読んで欲しい

  • 映像化して欲しい!

    設定が素晴らしいです。 舞台は大英帝国がグレート・ゲームを展開している19世紀。 実在した米国の大統領とか、英国の“あの医者”とかが出てきます。 大きな違いは、人類が死者を操る技術を確立しているということ。 この技術と、国際情勢とが複雑にからみあって、壮大な物語が紡ぎ出されていきます。 ストーリーは掛け値なし。本当に面白いです。 ただ、いかんせん、多少の予備知識が必要となってしまう。 また、物語のテンポが良すぎる反面、「もうちょい背景とか記述してほしかった」と思ってしまうところはありました。 この点が気になってしまい、☆4つです。 それでも、ストーリーは大変に面白い。 アニメでも実写でも、映像化したらなかなか面白い作品になるんではないかと、素人ながら思ってしまいました。

  • A satisfied online shopping experience

    A gift for my son who is learning Japanese. His feedback is quite good. I am satisfied with this online shopping.

  • 勢いよく進むストーリー

    円城らしくもないし、伊藤らしくもないし うーん評価に難しい ただ展開はしていくので読んでいて面白くないとか詰まるとかは無い 割合に分かり易い話 個人的にロシア文学好きに読んでほしい、たまげるから 自分はある人が本作に出てきて椅子から落ちて笑った そういう面白さはある

  • 「人が他者の物語を語り継ぐことの意味」

    屍体蘇生技術が進歩し、「屍者」が労働力として使役されていた十九世紀後期。医学生ジョン・ワトソンは、民間伝承の研究家にして精神医学教授ヴァン・ヘルシングに、とある場所へと連れて行かれる。そこでワトソンは諜報機関にスカウトされるが…。 伊藤計劃が残した原稿用紙三十枚ほどの未完の遺稿を、円城塔が完成させたのが本書です。 円城の作品は難解なことで有名ですが、本書は伊藤が残したあらすじに基づいていることから、充分に娯楽作品としての性質を残しています。じっさい本書はもともと「荒唐無稽な軽い読み物として構想されて」いたと円城があとがきで述べていますし、円城も伊藤の意向を尊重しているのだと思います(ほかのレビュアーも指摘されていますが、あとがきは最後に読んでください)。くわえて物語の定型的な “文法” に従っているので、円城の諸作品のように(内容はともかく)形式として難しいところはありません。 伊藤の作品は多少の瑕疵があっても、気にせずぐんぐんとページをめくってしまわせるほどの推進力が持ち味でしたが、残念ながら本書でそれは失われています。伊藤のドライブ感ある文体が、円城のロジカルで緻密な文体に置き換えられているからです。 反対に、伊藤の(否定的な意味ばかりではなく)着飾ったような “軽さ” はなくなり、“密度の濃い” 文体になっています。ですので伊藤単著の作品よりも読み進めるうえでは遅くなりますが、個人的には収支としてはゼロだと思いました(もちろん伊藤ファンにはおおきなマイナスでしょうが)。 本書はいわゆるパステーシュ小説です。主人公兼 “語り手” は『シャーロック・ホームズ』のワトソン。『吸血鬼ドラキュラ』や『フランケンシュタイン』のキャラクターたちも登場し、それらフィクション上の人物と史実上の人物が織りなす「荒唐無稽な」物語となっています。 したがって名だたる諸作家のオマージュやパロディが散りばめられていたり、過去に実在した人物や団体や出来事に関連するネタが随所に仕込まれています。もちろん読み飛ばしてもいいのですが、そのつどネットなどで調べながら遊び心ある仕かけを探して読んでも楽しむことができるでしょう。 テーマとしても “言語” や “意識” という伊藤が好んだものがあつかわれています。ほかにも現在の社会、経済、政治に対する風刺がふくまれていますが、もしかすると、それも作品に政治性を取り込むのを好んだ伊藤に対する円城なりのオマージュなのかもしれません。 なにより読解の鍵となるのがエピローグ。そこに本書が “共著” であることの意味が示されています。物語の “語り手” とはどのような存在か、他者の物語を語るとはどのようなことかを考えさせられる内容や構成になっているからです。 生前、〈メタルギア ソリッド〉という “他者” がつくったゲームのノベライズを執筆した伊藤。彼はそこで「人が他者の物語を語り継ぐことの意味」について考察しています。彼によれば、「人が物語っていくその方法というのは、『物語そのもの』と同じくらいの意味や価値を持ちうる」。それゆえ「他者の物語」であっても「語り口において自らの物語を語」ること、すなわち批評的視点から「他者の物語」を語り直すことが可能である。だからこそ、語り継がれた「他者の物語」とは、「物語を語ることの意味を語る、物語についての物語」となりうる、と彼は語っています(『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』あとがきより)。 言い換えれば、伊藤はたとえ「他者の物語」であっても、雰囲気をなぞっただけの模造品を描くことを潔しとはせず、自らの語り口で語ろうとしました。 伊藤の遺稿を引き継ぐとき、そうした彼の想いに対して円城は自分なりに応えようとしたのではないでしょうか。本書で語られた物語は、伊藤の物語を語り継ぐことの意味を円城自身の語り口で語った、「物語についての物語」なのです。エピローグまで読むと、そう思えてなりませんでした。

  • やっと読了。良作でした。

    色々なご意見ありますが、読み易いか?と言われれば読み難い類でした。でもSFはそんな文体のものが多く、まだ読み易いほうですかね、 伊藤計劃氏が遺されたブログ、作品に目を通してきましたが、氏の思想や精神がここにはあります。実装が円城塔氏によるものではないか?プロローグは伊藤計劃氏、エピローグは円城塔氏?などと勝手に思いを馳せながら、これから円城塔氏の作品を読んでみたいと思います。

  • 難解だがエピローグと文庫版あとがきを加味して星5

    伊藤計劃は虐殺器官とハーモニー、円城塔は短編を一編か二編読んだ程度。 同じSF作家?でも伊藤さんはエンタメ、円城さんはメタ系得意の純文寄りという印象でいまさらながら読み終えた。 他の方のレビューにある通り、恐らく他の方同様、伊藤計劃的作品を好んでこの作品を手に取った私としては、本作のこれでもかと言わんばかりに用語をちりばめる文体や、googleMapを脇に控えさせたくなるような展開、そして予定調和風なモノローグと台詞回しのひとつひとつをとっても、伊藤計劃の前二作に似ていることは承知しつつも、それらよりなんだか腑に落ちづらい小説だなぁと感じたりもした。正直なところ読み終えたは良いもののどんな話であったうまく答えられる自信はない。これは私の読解力の問題にとどまらないと思う。 とはいえ粗筋は好きだ。死者が労働力として使役されるというスチームパンク的退廃感はそそられる。シナリオだってつまらなかったわけじゃない。取材と知識に裏打ちされた文章というのはそれだけでも価値がある。だから本作の内容も決して悪いとは言えない。手放しでは褒められないけど、星4くらいかなと感じた。 ただ、記録筆記用の屍者であるフライデーと円城さんを重ね合わせたような(それはフライデーの自我が恐らくヴィクターの「手記」により生じたことや、主人公一行が過ごした「三年足らず」の旅という表現に示唆されるように思う。というかフライデー自体がそう言う意味でのメタ的なキャラクターなのだと最後になってようやく気付いた)エピローグにはやはり感慨深いものがあるし、文庫版あとがきに記された円城さんの、この類のあとがきにありがちなウェットさを感じさせない、かと言ってドライでもない適度な空気感の、そして謙虚な文章は好感がもてる。 以上の点を加味して星5にした。作品自体の評価でないから健全でないと思われるかもしれないが、作品周辺の付加情報や文脈も、作品の評価を構成する一要素としてあっても良いのではないだろうか(歴史的古典などはそれが顕著だと思う)

  • 伊藤計画が書ききった本作を読んでみたかった

    正直、自分には響きませんでした。伊藤計画が好きで、期待して読んだのもあり、その分ガッカリが大きかったです。世界観や設定はとても良いのですが、話の構成というか進み方というか、とにかく読むのに疲れました。せっかく伊藤計画の名を冠している作品だからと、何とか最後まで読んだ、そんな感じです。

Related Literary Awards