Japanese Literary Awards

← Back to awarded works
わたしたちの怪獣 (創元日本SF叢書)

Seiun Award

わたしたちの怪獣 (創元日本SF叢書)

Mikihiko Hisanaga

Mikihiko Hisanaga's Watashitachi no Kaiju is a science-fiction short story in which a monster appears in Tokyo Bay on the day the narrator's sister kills their father. To protect her sister, Tsukasa plans to take their father's body into a Tokyo ravaged by the monster.

familymonstersTokyothe extraordinary

Work Information

To protect her sister, Tsukasa takes their father's body into a Tokyo where a monster is rampaging.

The title story sets a family crisis alongside the appearance of a monster, depicting fear and hope emerging in everyday life. It appears in the 2023 collection of the same name and won the 55th Seiun Award for Japanese short fiction.

Book Information

Publisher
東京創元社
Published
2023-05-31
Pages
304 pages
Language
日本語
Size
19.4 x 13.2 x 2.1 cm
ISBN-13
9784488018504
ISBN-10
4488018505
Price
1490 JPY
Category
本/文学・評論/文芸作品

わたしはこれから、 お父さんの死体を棄てにいく。 怪獣の暴れる東京に。 短編として初めて日本SF大賞候補作となった表題作をふくむ全四編。 『七十四秒の旋律と孤独』の久永実木彦、驚異の新境地。 運転免許証を取得したつかさが家に帰ると、妹が父を殺していた。立ち尽くす姉妹。その時、テレビから東京湾に怪獣が出現したという緊急ニュースが流れる。つかさは父の死体を棄てに東京にいくことを思いつく。短編として初の日本SF大賞候補作(「わたしたちの怪獣」)。伝説的な“Z級”映画の上映会中、街にゾンビが出現。参加者たちは館内に籠城しようとするが……(「アタック・オブ・ザ・キラー・トマトを観ながら」)。『七十四秒の旋律と孤独』の著者、新境地。 ■目次 「わたしたちの怪獣」 「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」 「夜の安らぎ」 「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」 著者あとがき

Reviews

  • SFの要素と追い詰められている登場人物が違和感なく描かれている

    登場人物たちの閉塞感、焦燥がヒリヒリと伝わってくる。 その上でSFの要素が加えられ、まったく違和感なく読むことができ、その加えたSFの要素により独特の展開や着地点を生み出しています。 あとがきも、センスがあって良いです。

  • 自己中な主人公のオンパレードだと思う⋯

    意図的なのか?自己中な主人公のオンパレードだと思う。わたしたちの怪獣-親の虐待を見て見ぬふりをした贖罪か、妹が殺した父親を棄てる為に怪獣の元を目指す。ぴぴぴ・ぴっぴぴ-無思慮に時間を遡って事故を無かったことにする世界で、故意に災害を見過ごして動画撮影する青年。夜の安らぎ-血に魅せられて採血を盗む少女は、吸血鬼に出会い自らの望みを押し付ける。『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら-紛れ込んだ映画館で終末を迎えた青年は、短慮な正義感に目覚めて⋯。著者あとがきのメルヘンな戯言が一番の自己中かもしれない。

  • 傑作揃いのSF短編集

    充実の短編集。独特の読み心地があると感じた。だんだん世界観に飲み込まれていき、いずれの短編ももう少しこの世界に浸っていたいと思わせる。ファンタジー要素とSF要素がうまい具合に溶け合っているので、テクニカルタームに頭が痛くなることもない。SFは読み慣れぬという人にもおすすめ。 「わたしたちの怪獣」は表題作に選ばれるだけあり、きりっとしまった不条理譚だ。怪獣だけの話ではない。 「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」とてもユニークなタイムトラベルもの。無機的な世界観からこぼれる落ちる人間性に魅力がある。 「夜の安らぎ」世の中に受け入れられないと感じている女子高校生。彼女の妄想が現実を突き破る。 「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」小さな映画館に閉じ込められた人びと。まさかのラストに戦慄する。 怪獣とかタイムトラベルとか吸血鬼とかゾンビとかよくあるテーマから異端の旋律が奏でられる。

  • 絶望の闇に救済を見出す傑作幻想文学

    SF・ホラー・ファンタジーの題材を使って絶望的な状況の中から救済を見出す人間の姿を巧みに描いています。主人公たちの切実な想いに胸を打たれました。美しく読みやすい文章で非常に文学的な作品だと感じます。お気に入りは表題作ですが四つの中編は全て素晴らしく名作映画を観た時のような満足感が得られました。

  • 「夜の安らぎ」と「著者あとがき」が良かったっすね。なんか癒やされましたわ。

    収録四篇のなかでは、吸血鬼と吸血鬼になりたい少女との物語「夜の安らぎ」が気に入りました。ラストの光景に、こちらの気持ちも羽ばたいてました。 ほかの三篇、「わたしたちの怪獣」「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」は、いまいち、話に乗りきれなかったかな。 どの話も根底に、主人公が感じているこの世界への疎外感、怒りとかやりきれなさみたいなのがあると思ったんだけど、その辺も私には共感しきれない、理解しきれないところがありました。うーむ。残念す。 あ。巻末の「著者あとがき」の読み心地が、なかなかに良かったです。飼っている猫と遊ぶ著者の様子に、すっと気持ちが癒やされました。

  • 1作品ずつゆっくり楽しみたいSFファンタジー♪

    ショートよりももう少し長めで読み応えもある4作品。 面白いので一気読みもありですが、私的には読み終わるのがもったいなくて 時間をかけてひと作品毎読んでいきました。 どの作品も冒頭からひきこまれ次はどうなるのかと読み進めていってしまいます。 文章が読みやすいだけではなく、緻密なのか、読んでいるとダイレクトに 自然に頭にイメージが浮かんできます。特に「ぴぴぴ·ぴっぴぴ」は硬質な イメージや無機質感があり印象的でした。また最後の「アタック・オブ・ザ・ キラー・トマトxx」はタイトルだけでワクワクしちゃいますが、映画好きは より一層楽しめる作品です♪ さらっとしてるように見えて中身は意外と濃かったり、ありえないけど ありえるかもと思わせたり、冷徹なのにところどころ温かい視点も見え 隠れしていたり。どの作品も読後感が、嫌な感じがしないのが作者の 個性なのでしょうか。安心して読めました。黒よりは白や薄い黄色の イメージです。 「夜の安らぎ」は続編もありそうな雰囲気で楽しみです。

  • 私の求めているSFとはほど遠いもの。

    ●本書には怪獣やタイムパトロール、吸血鬼、ゾンビを題材とした4つの短篇が収録されている。それぞ れSF的(風)ガジェットが用意されているが、科学的根拠の妥当性を云々するよりユニークなアイディア を楽しむツールという位置付け。 表題作「わたしたちの怪獣」は日本SF大賞候補となったもの。女子高生の日常生活やJKらしい思考回路 と同一レベルの延長線のSFであり、第3話「夜の安らぎ」も同様である。主人公の時に短絡的、時に理解 困難な思考回路が微妙に興味深い。が、両方とも私が求めているSFとはかなり距離感のある作品だった。 おそらく玄人受けのするSFなのでしょう。 ー蛇足ー 短篇全て書下ろしなのか初出誌が存在するのか、その記載がなかった。細かいことながらちょっと気に なりました。 2023.06.23追記 最近、投稿者に対する批判のレビューが見受けられますが、作品に対するものにして頂ければと思いま す。勿論、私も本作品への評価は4~5だと思いますが、読者の好みが分かった方が参考になると考えて います。色々な考え方がいらっしゃることが面白いのでは?と考え自分の好み(好き嫌い)をレビューし ています(読解力のなさも好き嫌いに繋がりますが・・・)。なので、高い評価をされているレビューを 参考にし、自分の感受性不足分や視点の違いなどを学んでいます。言葉が足らず不快な思いをされた方に は、お詫びを申し上げます。これからも宜しくご教示のほどお願い致します。 最期に一つお願いがあります。自分の考えと異なる意見を攻撃あるいは排除する考えは非常に危険なこ とです。なぜなら、それは独裁者やテロリズムの思想につながるからです。多様性を尊重しましょう。

  • もしかして

    「わたしたちの怪獣」に出てくる「浅黄首相」って映画の平成ガメラシリーズに出てくる「草薙浅黄」からネーミングした? 読んでいて筒井康隆っぽいなと感じた。映画が好きな筆者だなあとニヤリ。

Related Literary Awards