刀と傘 (明治京洛推理帖) (ミステリ・フロンティア)
Katana to Kasa: Meiji Keiraku Suiricho is a linked historical mystery set in late-Edo Kyoto. Owari retainer Moromitsu Kano and the future justice minister Shinpei Eto confront locked-room puzzles, poisonings, and strange deaths while the novel also captures the sorrow of ordinary people caught in political upheaval.
Work Information
Two investigators illuminate mysteries born in the shadows of late-Edo Kyoto with rigorous logic.
Published by Tokyo Sogensha's Mystery Frontier line in November 2018, the book includes the Mysteries! Newcomer Award-winning story Kangokusha no Satsujin and won the 19th Honkaku Mystery Award for fiction. The publisher lists it as a 262-page volume with ISBN 9784488020064.
Review Summaries
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The book is praised for balancing the texture of historical fiction with the mechanisms of fair-play mystery. By placing a historical figure in a detective role, it offers both puzzle-solving pleasure and evolving character dynamics.
Book Information
- Publisher
- 東京創元社
- Published
- 2018-11-30
- Pages
- 256 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 13.4 x 2.2 x 19.3 cm
- ISBN-13
- 9784488020064
- ISBN-10
- 4488020062
- Price
- 1346 JPY
- Category
- 本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
慶応三年、新政府と旧幕府の対立に揺れる幕末の京都で、若き尾張藩士・鹿野師光は一人の男と邂逅する。名は江藤新平――後に初代司法卿となり、近代日本の司法制度の礎を築く人物である。二人の前には、時代の転換点ゆえに起きる事件が次々に待ち受ける。維新志士の怪死、密室状況で発見される刺殺体、処刑直前に毒殺された囚人――動乱期の陰で生まれた不可解な謎から論理の糸が手繰り寄せる、名もなき人々の悲哀を活写した五つの物語。破格の評価をもって迎えられた第十二回ミステリーズ! 新人賞受賞作「監獄舎の殺人」に連なる時代本格推理、堂々登場。
Reviews
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二人の推理が維新の影に墜ちた者たちの悲哀を炙り出す傑作歴史ミステリー
王政復古直後の京で、二人の男は出会った。一人は、できたばかりの新政府に参加している尾張藩の藩士、鹿野師光。もう一人は、佐賀の鍋島閑叟から送り込まれた江藤新平(後の初代司法卿)。この二人の行く手に、いくつもの事件が立ちはだかる。 剃刀のような切れ味の頭脳を持ち、傲岸不遜で目的のためには手段を選ばない江藤。江藤に劣らぬ洞察力と論理的思考力を持ちながらも、あくまで職務と己が使命に忠実な鹿野。 二人の推理合戦が一番の見所だが、敬服、友情、対立などがない交ぜになった二人の複雑な関係が、実にうまく表現されている。 五つの事件を通じて著者が投げかけてくるのは、維新の栄光の反作用として生じた影だ。志半ばで落命した志士、明治初期の権力闘争の捨て駒とされた小役人、新政府に反旗を翻したかつての顕官や徳川方の残党など、影に墜ちた者たちの姿は、深い悲哀に満ちている。 薩長藩閥の打破と司法権の独立という大目標に向かって、すべてを踏み台にして邁進する江藤だが、その度合いが増すにつれ、やがて生じるであろう反作用は激烈なものとなることを示唆している。このあたりの構成もうまい。 歴史ミステリーと呼ばれるジャンルで、連作短編集で、これほどまでに深みと凄みのある作品には、そうそう出会えるものではない。
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ドラマ化するなら……
本を読んでいる間、江藤新平が長谷川博己で、鹿野師光が濱田岳をイメージしました。
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新人とは思えない見事な構成
倒幕後から明治初期を時代背景にした全5作の連作ミステリー。密室殺人、眼前で毒殺された死刑囚の謎、倒叙もの等バラエティーに富んでおり、全作品ともミステリー好きには溜まらない謎解きがしっかり用意されています。 一方、探偵役は近代日本の司法制度の礎を築いた江藤新平と尾張藩士鹿野師光のコンビですが、この彼らの出会いから別れまでが、全編を通じて描かれています。そこにはこの激動の時代だから故の二人の関係性が、物悲しく炙り出されており、何とも言えぬ感傷が残る幕切れでした。
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時代ミステリ
「黒牢城」を読んで歴史ミステリに興味がでてきたので。 切れ味の鋭い本格ミステリ短編集。新人賞受賞作「監獄舎の殺人」がいちばん面白かった。最終話の「そして、佐賀の乱」は読むのが辛くなるほどに心に迫る話だった。しかし、主人公だけ台詞の方言があるのはなにか理由があるのだろうか? いっそ全員方言なしでもいい気がして不思議。
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素晴らしい構成でした
素晴らしい作品でした。作者はこれが初めて出した本なんですね。構成がとても素晴らしかったです。 ただ鹿野との再会〜二度目の別離が少し慌ただしかったので、間にもう1作江藤&鹿野がタッグを組んでの探偵譚を挟んであると良かったのかもしれない。 それでもラストにかけては物語への引き込む力がとても強く、多少の違和感は吹き飛びます。 江藤も鹿野も水と油のように相容れない性質を持っていても、それでもお互いへの親しみを捨て去る事はなく、結果、あの結末へ辿り着くしか道はなかったのかもしれないと、読んでいて心から納得してしまった。 ミステリ部分は、二人とも有能な探偵の才能があり、どちらの視点でもかなりロジカルな推理で解決してくれるので、読んでいてとても楽しい。
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小品の佳作
実在の人物を絡めた面白い時代設定です。ミステリーとしては、あまり凝った内容はなく、個々の話には無理して基本設定に組み込んだ印象のものもありますが、結構、楽しめます。 実在の江藤司法卿ではなく、元尾張藩の主人公は武士らしい潔さが印象的です。特に2019年このミス国内1位作品の後味の悪さにいら立った後に読んだ為、良い口直しとなりました。
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史実に基づくミステリー
江藤新平を中心に、尾張藩士出身の架空の人物が明治前後の時代で活躍。 大きな時代の動きの中のある動きを、一志士達が歴史の片隅でになった役割が本当にあった出来事のようにに仕上がっている。 ミステリーだけでとらえれば、特段の仕掛けがない部分もあるが、江藤新平の人間的な偏屈さなど歴史的な局面から読んでも面白い。 表舞台には立たずとも、歴史の狭間で役割を全うした人物達にの悲壮が伝わる。
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おもしろくないなぁ
ミステリー好きとしては、全くつまらない。 伏線をあちこちに置いているせいで途中で結末がわかってしまう。 本のタイトル自体が結末を誘導している。 結末を読んで、やっぱりと思ってしまう。実につまらない。