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殺人者の顔 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M マ 13-1)

Glass Key award

殺人者の顔 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M マ 13-1)

Henning Georg Mankell

The first Kurt Wallander novel follows an attack on an elderly couple in southern Sweden. Behind the violence emerge local anxieties and attitudes toward immigration.

crime fictionimmigrationlocal society

Work Information

A word left in snowy Skane awakens a society's unease.

Originally titled Mordare utan ansikte, this is the first Wallander novel by Henning Mankell and one of the key works behind the international reach of Nordic crime fiction.

Review Summaries

  • Readers value its serious social concerns and patient investigative detail, seeing it as the book that established Wallander as a weary detective figure.

Book Information

Publisher
東京創元社
Published
2001-01-25
Pages
430 pages
Language
日本語
Size
10.5 x 1.8 x 15 cm
ISBN-13
9784488209025
ISBN-10
4488209025
Price
1430 JPY
Category
本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学

【CWAゴールドダガー受賞シリーズ/スウェーデン推理小説アカデミー最優秀賞受賞】 雪の予感がする早朝、動機不明の二重殺人が発生した。男は惨殺され、女も「外国の」と言い残して事切れる。片隅で暮らす老夫婦を、誰がかくも残虐に殺害したのか。燎原の火のように燃えひろがる外国人排斥運動の行方は? 人間味溢れる中年刑事ヴァランダー登場。スウェーデン警察小説に新たな歴史を刻む名シリーズの開幕!

1948年スウェーデン生まれ。作家、舞台監督、劇作家。〈刑事ヴァランダー・シリーズ〉の第1巻『殺人者の顔』でガラスの鍵賞を、第5巻『目くらましの道』でCWA賞のゴールドダガーを、更に Svenska gummistövlar で同賞のインターナショナルダガーを受賞。他に児童書やエッセイなども書いた、人気実力ともに北欧ナンバーワンの作家である。2015年没。 1943年岩手県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業、ストックホルム大学スウェーデン語科修了。主な訳書に、インドリダソン『湿地』『緑衣の女』『声』、マンケル『殺人者の顔』『イタリアン・シューズ』、シューヴァル/ヴァールー『ロセアンナ』等がある。

Reviews

  • トンデモ刑事

    知人に北欧小説をオススメされてまずはシリーズの第1作から。 以前から感じていたことだが、北欧の空気感は日本の冬の感じに似ている。 そのためか、読みながらイメージが湧きやすかった。 主人公のヴァランダーは、仕事中もプライベートのことで頭を悩まし、さらには罪まで犯してしまうトンデモっぷり。 読んでいて飽きなかった。 事件の核心については、好き嫌いが分かれるかもしれない。 また、作中で知ったのだが、スウェーデンでは許可がおりるまでは警官は銃の所持が禁止されているらしい。 総じて楽しく読めたので、次も読んでみようと思う。

  • 普段海外の警察小説を読まないが、充実感をもって読み終えた

    普段海外の警察小説は読まないのですが、大田弘子氏(政策研究大学院大学学長、元経済財政担当大臣)が日経新聞(2024年7月6日)の「リーダーの本棚」の中で取り上げていたので、読んでみる気になりました。 スウェーデンの地方警察の刑事達が残虐な難事件に取り組む様子が高いリアリティで描かれていています。登場人物のキャラクターも立っていて、北欧の自然や地方都市の暮らしも目に浮かぶように書かれています。事件の捜査も刑事達の活動、議論などが丁寧に書き込まれています。充実感をもって読み終えました。主人公のヴァランダー刑事もなかなか魅力的な人物です。 ただ、主人公が真相にたどりつくまでの過程が、論理よりも勘が先に立つスタイルなので、その点に若干不満が残ります。本格推理ものではないので仕方のないことかもしれませんし、実際の犯罪捜査もそういうものなのかもしれませんが。総じて作品としての水準は高いと思います。

  • 新刊の様に美本

    安価でファーストリーダーの気分です。

  • 面白かった

    最近読んだなかでは面白かった。日本作家のものが当たりはずれが最近多かった。

  • 等身大の刑事像。

    人間的に強くなく家族のトラブルで悩みばかりの刑事が、しかし殺人事件の捜査は執拗に行っていく。背景に移民・難民を多数受け入れ、一方で外国人排斥の動きが強まってきているスウェーデン社会が描かれる。面白い。

  • 刑事ヴァランダーが人間ヴァランダーでもある面白さ

    ヘニング・マンケルの本を生前一冊も読んでいなかったくせに、昨年読んだ、ノン・ミステリー、ノンシリーズの単独作品『イタリアン・シューズ』の書きっぷりが一発で気に入ってしまって、ついにはまり込んでいる最近である。 訳者の柳沢由美子さんは、アイスランドのやはり小説名手であるアーナルデュル・インドリダソンの作品のほうで、その名訳に唸らされていたので、マンケル作品でも信頼が置けて、ぼくには心地のよい日本語文章としてすんなり入ってゆけるのだ。北欧ミステリーで目立つ自然描写や季節変化については、やはりこの人の訳が一番空気感を味わえると思う。 さて、刑事ヴァランダー・シリーズは海外ドラマとしてもプライムやWOWOWなどで楽しむことができるので、ぼくはそちらを先に体感してしまった口なのだが、先にシリーズの最終作を先日読んだばかりということで、時間をかけても一作目から順番に読んでゆき、その後にまたドラマを見ることで二重三重の娯しみを期待している。 本作は、シリーズのスタート作として相応しい、非情なまでのバイオレンスと、当時スウェーデンの抱える移民問題と外国人排斥の不穏な動きなどの社会的環境とを見事にクローズアップさせる捜査シチュエーションの中で、例によって主任捜査官としての刑事というだけでなく、ヴァランダーが個人として抱える家族や恋愛の物語をも軸にしつつ、語られてゆく。 万能ではなくむしろ弱さだらけのように見える人間主人公の個としての人生物語と、複数の事件捜査が併行して語られる。込み入って取り散らかされたような、彼の時間をきめ細かに追いつつ、事件にもスピード感を持たせるという語り口が、本シリーズの際立った特徴なのだろう。ヴァランダーの持つ長所も欠点も、どちらも物語に付随する問題として読者は付き合っていかざるを得ないのである。 複雑に関係する二件の事件。その裏側を読み解く愉しみに加えて、ヴァランダーは娘リンダの不安定と、高齢によるアルツハイマーが疑われ始めた父親の環境変化、己の孤独とその対策、等々、読者の側とも共有できそうな多様な問題に解決を与えてゆかねばならない。だからこそ刑事ヴァランダーは人間ヴァランダーなのである。 ページを繰り始めると次々に彼を襲う多忙な出来事に悲鳴をあげたくなるくらい、彼も読者も多忙になる。最終ページを閉じてほっとするこの瞬間の満足度は、いったい何だろう、ヴァランダーと一緒に、すべてを解決してゆこうとする疲労、その対価であるカタルシスが、どうやらこのシリーズには仕込まれているらしい。 まだ一作目。本シリーズを楽しむ時間はこれからまだまだたっぷりある。

  • 北欧ミステリの第一人者による代表シリーズ一作目(ネタバレなし)

    ミステリのなかには、犯人やトリック、プロット等を知った上での再読にも耐え られる良質な作品があります。例えばレイモンド・チャンドラーの小説がそうで あるように、このヘニング・マンケルもそういった作家のひとりだと思います。 警察小説の流れを組む本シリーズは、特別なスキルやカリスマ性もなく、決して ヒーローとは言えない、それどころか酒で人生を台無しにしかけているダメ男の 冴えない中年刑事、クルト・ヴァランダーが難事件を追う姿を描いたものです。 老夫婦への恐ろしい暴力事件から始まり、数多くの出来事(概ね良くない事)が ヴァランダーに降りかかります。時に心身を痛めつけられ、気持ちが折れそうに なっても諦めず困難を乗り越えようとする…そんな彼の生き様が最大の魅力です。 ちなみに本作のメインテーマになっているのはスウェーデンが抱える移民問題で すが、これは令和の日本国内でも身近に感じられる内容で、本書が翻訳出版され た当時よりもリアルな状況として読者に強く訴えかけてくるように感じました。 北欧ミステリといえば、暗くて重いというイメージがあり敬遠している方もいる かもしれません。マンケルもカジュアルで明るい作風ではありませんが、意外と 読みやすい部類だと思いますので、警察小説が好きな方には強くお薦めします。

  • 等身大の刑事、丁寧に記述される社会背景

    出版社のコピーに、「スウェーデン警察小説に新たな歴史を刻む」とある。 あながち誇張でもない。欧州で最も民度の高い国の一つスウェーデンで、 刑事クルト・ヴェランダー・シリーズは驚異的な売れ行きを見せた。 本書はその第一作。 何が人をひきつけたのだろう。人はもはやかっての現実離れした不死身の スーパー・ヒーローや、凝った殺人トリックという「作り物」にあきたらなくなった のだと思う。 主人公ヴェランダーは中年男。減量もうまくゆかず容貌はさえない。 妻や娘は家を出てゆき、痴呆が始まった老父を抱えている。複雑化する社会、 凶悪化する犯罪に対処するには自分より新しい世代の警察官が求められている んではないかと感じている。読者はそこに我々とさほど違いのない等身大の 警察官を見、共感を覚えるのである。 小説はまた興をそがない程度に、豊かな高福祉国家スウェーデンの負の側面-- 老人問題、移民に対する排外主義の高まりなどを記述している。本シリーズが 1990年代のスエーデン社会をもっともよく描写した小説と評されるゆえんである。 翻訳もよくできていて一日で読み切ってしまった。普通なら縁遠い スエーデン警察小説の名作を身近に読むことが出来るのは 有難いことである。

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