Japanese Literary Awards

← Back to awarded works
なんでもない一日 (シャーリイ・ジャクスン短編集) (創元推理文庫)

Edgar Award

なんでもない一日 (シャーリイ・ジャクスン短編集) (創元推理文庫)

Shirley Hardie Jackson

悪の可能性 by シャーリイ・ジャクスン is crime fiction that focuses not only on the case itself but also on the tension created by human choice and unease. Within a compact form, it unsettles expectations and sustains psychological pressure to the end.

mysteryshort fictioncriminal psychology

Work Information

悪の可能性 is an award-winning work that brings together the mood of its time and the inner lives of people.

悪の可能性 is identifiable as an award-recognized work by シャーリイ・ジャクスン. The work does more than present its subject; it brings out the emotions and social background around it. As an award winner, it combines the concerns that reached readers of its time with a durable expressive force.

Review Summaries

  • Readers value the handling of suspense and the movement toward the ending. The work is often received less as a flashy plot than as a study of psychological dislocation, with the aftertaste of short fiction adding to its appeal.

Book Information

Publisher
東京創元社
Published
2015-10-30
Pages
411 pages
Language
日本語
Size
10.7 x 1.7 x 15 cm
ISBN-13
9784488583040
ISBN-10
4488583040
Price
1320 JPY
Category
本/文学・評論/SF・ホラー・ファンタジー

人間の裡に潜む不気味なものを抉り出し、独特の乾いた筆致で小説を書き続けたシャーリイ・ジャクスンは、強烈な悪意がもたらす恐怖から奇妙なユーモアまで幅広い味わいの短篇を手がけていたことでも知られている。死後出版の作品集Just an Ordinary Dayより、現実とも妄想のはざまで何者かに追われ続ける女の不安と焦燥を描いた「逢瀬」、中世風の暗黒ゴシック譚「城の主」など23の短編を選出し、エッセイ5編とともに収録した。

Reviews

  • 満足!

    面白い短編がたっぷりです。短くてもこれだけあればボリューム感すごい。 愉快な話、今ひとつ意味わからん話、人怖な話、色々です。 一気に読むと感慨が薄れそうなんで、少しずつ読みます。

  • いろいろベスト5と、「ネズミ」の謎の検討

    おことわり。 本レビューでは、最後に、傑作「ネズミ」の謎のラスト2行が、何を意味しているのか検討していますので、本レビューを読まれる方は、先に「ネズミ」を読まれることをお勧めします。「ネズミ」はたった6頁の傑作で、決して、読んで損することはありません。 概略 シャーリー・ジャクスンの短編23編、エッセイ5編の翻訳である。ここではエッセイについては触れない。シャーリー・ジャクソンの短編を23編続けて読むのは、なかなか気力を要することと思う。なぜなら、一筋縄ではいかない世界、人物、ストーリーが一作ごとにリセットされるからである。とても一気読みというわけにはいかない。ちょっと苦労して読んだ読者として、何かの参考にならないかと、以下、読みやすさ、読みにくさ、難解さ、つまらなさ、傑作のベスト5をあげる(なお、冒頭の青髭物2作は除く)。もちろん、個人的感想である。 読みやすさベスト5 一位「レディとの旅」。二位「貧しいおばあさん」。三位「店からのサービス」、四位「喫煙室」。五位「ネズミ」(難解だが、読みやすい) 読みにくさベスト5 一位「行方不明の少女」(難解)、二位「逢瀬」(難解)、三位「メルヴィル夫人の買い物」(長すぎる)、四位「インディアンはテントで暮らす」(ややこしい手紙形式)、五位「城の主」(唯一の時代もの) 難解さベスト5 一位「逢瀬」、二位「行方不明の少女」、三位「お決まりの話題」、四位「ネズミ」(伏線を全部回収したか?)、五位「よき妻」(だいたいわかるが・・)、次点「アンダースン夫人」(ラストが・・?) つまらなさベスト5 一位「貧しいおばあさん」、二位「店からのサービス」、三位「家」、四位「おつらいときには」、五位「偉大な声も静まりぬ」 傑作ベスト5 一位、「ネズミ」(衝撃)、二位「うちのおばあちゃんと猫たち」(スーパー猫とスーパーおばあちゃん)、三位「喫煙室」(非日常をコミカルに)、四位「「はい」と一言」(ピタリ)、五位「なんでもない日にピーナッツを持って」(アイデア)、次点1「レディとの旅」(いい雰囲 気)、次点2「アンダースン夫人」(なるほど) 最後に、「ネズミ」のラスト2行の謎を検討する ●謎は「マルキン氏はなぜ、妻を、見たこともないほど恐ろしい女だと気づいたのか?」である ●まず、マルキン夫人が殺したのがネズミか人間かだが、これは描写からみて、ネズミであることに間違いない ●ネズミの腹が膨れていた理由としては、一、食べ過ぎ、二、妊娠が考えられるが、食べ過ぎでは伏線を回収できないので、二、妊娠の方だろう。 ●妻が妊娠していたネズミをフライパンで叩き殺した理由は、「子供を持たず」とあるように、妊娠、出産に嫌悪感を抱いていたからだろう。 ●だが、それだけでは、マルキン氏の秘密預金が説明できない。これは、マルキン氏に秘密の愛人がいて、彼女が妊娠して、その出産のため、週に1ドルずつ預金していたということなのだろうか?? マルキン夫人は妊娠ネズミを叩き殺すことで、断固たる決意を表明した????

  • シャーリィの短編集はお好きなところからどうぞ。

    シャーリィの短編集。 ちょっとお高いのが残念だが、どこからでも読める短編集の美味なる良さはちゃんとある。 文脈や結末は個性的なシャーリィならではで、コレが好きな手の人はハマって読んでしまうだろう。 ただし白黒結末をハッキリさせたい人には、かなり宙ぶらりんな感じになるかもしれない。 好き嫌いが別れるとすれば、そこなんだろう。 だがそれがシャーリィの個性的なのだから、と割り切って楽しめる自分には面白かった。 ジグザグに読みやすい所から、暑い夏を紛らわす一冊に、暇潰しの午後に、秋の夜長にと、季節を選ばず読みふけるには丁度良い短編集のシャーリィ・ワールドだ。

  • 日常に潜む、豊かな悪意たち

    正直に言えば、私は著者の「くじ」を他のアンソロで何度か読んでいたが、イマイチぴんと来なかった。 何故かあの話、私の好きなホラーや、不条理系のアンソロジーには高確率で載っている。 「またこの話載ってる」って言うのが私のシャーリィ・ジャクスンの印象の全てだった。 だが最近知った所によると、どうやらシャーリィ・ジャクスンはかなり評価されてる作家らしい。 「タタリ」の原作者?「ずっとお城で暮らしてる」書いた人? 全部知ってるけどイマイチぴんと来なかったものばかりだ。 だが、前より若干大人になった今なら理解できるかと思い、ジャクスンを知るため、この短編に手を出したのだが、最初はマジでピンと来なくってこれは失敗かと思った。 しかし、読み進めていくと徐々に、この作家の持って回った言いまわしとか、比喩や暗喩に慣れてきて、何となく分かるようになってきた。「もっとはっきり言えよ」とは思うが。 この作家は悪意の描写に長けてるんだ。しかもその悪意は、酷く日常的。非現実的なものや、殺人鬼などミステリードラマでしか見た事のない悪意でなく、友人達のひそひそ笑いとか、同居人の唐突な敵意など、誰もが経験する生活の中の悪意だ。 特に、この短編の中にある悪意たちは、くじよりもより日常的であり、不気味であり、愛らしくもあったりする。 個人的には「レディとの旅」がかなり気に入った。 少年にとって、犯罪や悪が冒険と同義であると言う事を、女性がこれほどよく分かっていると言うのは実に興味深い話であると思う。或は、このシャーリィ・ジャクスンがそれだけ洞察力に優れてると言う事なのか。 何にしてもこの本は読んで良かった。 私は昔「くじ」を読んだときには、著者を底意地の悪い人間としか思えなかったのだが、この本を読んでいると、日常の悪意やすれ違いすら、ユーモアやロマンスとして昇華する著者の豊かな人間性が見えてきて、非常に愉快であった。 元より翻訳者の市田泉氏もそのつもりで「バラエティに富んだ」作品を選んだらしい。 「くじ」以上のパンチの効いた短編を期待すると肩透かしを食らうかもしれないが、ジャクスンの人間性の幅の広さを知るにはうってつけの本であると思う。

  • 「悪の可能性」

    原書は持っているが、拾い読みだったので、まとまった訳が出るのはありがたい。けれど54編中30篇のみの翻訳。この作家のものが次にまとまって翻訳される可能性は乏しいと思うので、何とかならなかったものか。それに配列も入れ替えてあるのはチト理解できない。その点を加味すると星3つといったところ。 確かに若書きが多いので、全体の出来は「くじ」あたりに比べれば落ちるが、「悪の可能性」は傑作。意地悪く考えれば、ミス・マープルへのオマージュ。原書ではこの作品がトリをつとめ、エピローグに到る。

  • 「短編の名手」この小説好きの心をうずかせる響き

    「短篇の名手」 この、小説好きをうずうずさせる響き。長大な小説を読み進み読了する喜びとは違う楽しみが短篇集にはある。そしてこのシャーリー・ジャクスンはまぎれもない「短編の名手」。 平易な文章、ほどよい長さでぞくぞくする小説を読ませてくれる。あまりに有名なのはやはり早川書房の異色作家短篇集シリーズの一冊でもある『くじ』に違いない。なかなか入手困難な一冊だったが、とうとう現在ではハヤカワ・ミステリ文庫で読むことができます。 ジャクスンの小説で好きなところは「ミステリ」でも「ホラー」でも「SF」でも「ダークファンタジー」でもないところ。まさに〈異色作家〉としかくくれないのだ。さらにジャクスンの短篇には「殺人」「暴力」「病気」のようなドラマティックな要素もあまり出てこない。しかし、怖い。「悪意」「誤解」といった日常の小さな負の感情がきっかけで落とし穴に足を踏みいれてしまった思ったら落とし穴ではなし話砂地獄だった、そんな読後感。 本書を読み通してみて「つまらない話が一篇もない」ことに驚嘆した。ランキングなど野暮だが個人的にベストは「悪の可能性」これはジャクスンの頂点の一つと言っていいいと感じた。 私事になるが、小説家デビューして短篇をこつこつ書いていたとき、担当さんから「長編でなければ売れません。長篇を書きなさい」と言われ(そういうものなのかな)と思いつつ、短篇集が作りたくてたまらなかったし、今でもそうだ。「上質の短篇集」には小説読みの心をうずかせる。 短篇のことばかりに触れてきたけど、ジャクスンは長篇も手がけており、『ずっとお城で暮らしてる』ぼくの大のお気に入りの一冊、ぜひ手にとってほしい。「ホラーが生まれるまでのホラー」。傑作です。

  • シャーリー・ジャクソンのトリビュート

    この人の短編は傑作「くじ」の時もそうだがショートショートに近い。しかし日本の星新一なんかを読みなれた者からすると最後が明快でなくモヤモヤするのが多いのだ。 このへんが他のレビューでも難解、と評される作品の比率が多い理由だろう。 ただ彼女の作品はとことん人間のあやふやさを見つめているので、あなたこのままで済むと思う?あてになんかならないわよ、という問いかけで締めくくっているんじゃないかと思う。つまりわざと読者に下す結論と印象をブレさせてるというか。 みんながこの作品集で傑作と挙げる「ねずみ」にしても、マルキン夫人は退治したのは果たしてネズミだけ?

  • 異能作家の知られざる片鱗が垣間見られる作品集

    名手、ジャクスンの短編を集めた短編集。 さすがに短編の名手だけあり、バラエティ豊かな短編を堪能できます。が、やはり、名作「くじ」を超える作品は見当たらなかったというのが、心情です。何編かは「くじ」に並ぶかも知れないと思う物もないではないですが、「くじ」の強烈さはさすがに本人でも超える事は出来なかったのかな、と思いました。23編もあれば当然玉石混交になるのは当たり前ですが、ジャクスンの短編集という事で期待しすぎる方もいるとは思いますし、私もそうですが、ここは大目に見て様々なジャンルの短編を楽しみましょう。 実を言えばこの人の長編で名作と言われる「山荘綺譚/丘の屋敷」をまだ読んでいないという不埒な読者で、いつか読まないとと思いながら、いつの間にか20年くらい経ってしまいまして反省しております。これから読もうと思います。 ジャクスンは最近になって再評価が進んでいるいる様でこれから知られざる傑作が長編等で沢山出る様で嬉しいです。この短編集がその流れに竿を指す役割を担うかも。「くじ」だけではないこの人の知られざる全貌が判ると思うと楽しみです。 異能作家の片鱗が垣間見られる短編集。機会があったら是非。

Related Literary Awards