新・紫式部日記
The New Diary of Murasaki Shikibu is a historical novel that reimagines Murasaki Shikibu's life and the creation of The Tale of Genji. It links court politics, literature, and women's lives while asking how storytelling confronts power.
Work Information
The brush of a woman writer illuminates the shadows and ambitions of the court.
Winner of the 11th Nikkei Novel Grand Prize. NDL confirms the original Japan Economic Newspaper Publishing edition, ISBN, and page count. A later PHP paperback exists, but the award-period hardcover is used here.
Review Summaries
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Readers respond to the modern reframing of a woman writer within a classical subject. The balance between historical detail and narrative drive is often appreciated.
Book Information
- Publisher
- 日本経済新聞出版
- Published
- 2020-02-22
- Pages
- 232 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 13.6 x 2.2 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784532171544
- ISBN-10
- 4532171547
- Price
- 1584 JPY
- Category
- 本/文学・評論/歴史・時代小説
あなたは使い捨てられてはなりませぬ。私のように―― 栄華をきわめつつある主の藤原道長から、物語の女房を命じられ、華麗な「源氏物語」を書き継いできたが…… 宮中に渦巻く陰謀に、物語が切り結ぶとき。 第11回日経小説大賞受賞! (選考委員:辻原登・髙樹のぶ子・伊集院静) 『源氏物語』を書いた紫式部の一代記。「紫式部日記」が実在の作品であるだけに、あえて「新」とタイトルにつけフィクションを紡ぎ上げたところに、作者の周到な企みがうかがえる。 本作には最新の源氏物語研究の成果が活かされている。紫式部の生涯や、『源氏物語』誕生秘話を描いた著作は、専門家によるとそれほど珍しくはない。しかし、本作は、平安時代においては、物語を書く行為そのものが政治性をおびていたことを明らかにするところが新しい。 「日記文学の傑作、しかも『源氏物語』の作者の日記に新たな日記を捏ち上げ、ぶつけるという、これほどの大胆不敵はない。パロディならともかく、真正面からオーソドックスに、とはハードルが高過ぎる。 しかし、作者は鮮やかにそのハードルを跳び越え、極上の宮廷物語を物した。『源氏』を構成の中心に据え、それを下支えする本物の「紫式部日記」、それに被せるように架空の「日記」、そしてもう一つの物語『伊勢物語』を、有機的に、歯車のように嚙み合わせ、重層的な展開が可能になった。『源氏物語』そのものが、一層の輝きを放って読者に迫って来るという功徳も齎された」(辻原登氏選評より)
夏山 かほる 作家 1969年佐賀県生まれ。福岡女子大学文学部卒、九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。大学非常勤講師などを経て、主婦。第11回日経小説大賞を「新・紫式部日記」で受賞し作家デビュー。
Reviews
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楽しかったです♡。
昨年は大河ドラマがきっかけで読みました♡。物語の展開は違うけど…色んな作家さんも、自分流に平安時代(当時)に想いを馳せながら書かれてるのかなと思いました。 ありがとうございました…楽しかったです。
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新(シン)・紫式部日記ってなんだ
紫式部日記と思って購入したが、新(シン)・紫式部日記ということで、どこまでが紫式部日記でどのあたりがオリジナルな創作なのかもやもやする。小説シン・紫式部日記とすべきではないのか? 純粋な紫式部日記も読んでみたいのだがどういう題の本を探せばいいのか迷いに迷う。 内容自体は面白かったので評価は★4ですが… 。
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歴史の中に息づく『源氏物語』
そもそも詩吟の先生の奨めで始めた声を出しての夫婦の読書。「声に出して読みたい日本語」全6冊から始まった。毎朝ラジオ体操の後、『谷崎源氏』(中央公論社)を大塚ひかり訳『源氏物語』(ちくま文庫)を手引きに、家内と読んでいる。2020年の暮れから始めて、今ようやく宇治十帖の始まり「橋姫」。全1692頁の1226頁。まだ72%。10分〜15分の朝の楽しみ。 そんな折、日経連載「陥穽ー陸奥宗光の青春」の辻原登氏が選考委員を務めた日経小説大賞受賞作、夏山かほる著『 新・紫式部日記』を知ってKindle版で一気に読んだ。 手に汗握るともいえるクライマックスシーンで道長の妻倫子が藤式部(紫式部)に向けて発する言葉、《あなたは源氏の物語の中で、あわれなる人の情は止むにやまれぬものだということを、幾度も描いているではありませぬか。止むにやまれぬ思いが人の心を動かすのです。人の性とはそういうもので、それを失ったら人ではなくなるのかもしれませぬ》 (p.99) それぞれの「止むにやまれぬ思い」に納得させられながら、史実とフィクションを交差させて織りなす物語世界に引き込まれる。その基調をなすのが「人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道に惑ひぬるかな」。紫式部の曽祖父藤原兼輔の歌。 漠然と読んできた『源氏物語』が、俄然この著によってリアリティをもって歴史の中に息づいてきた。
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大胆すぎる設定がどこまで楽しめるか
紫式部日記は中宮彰子の第一皇子出産のところから始まるが、この小説はそれ以前で約半分の分量を費やしている。したがって、フィクションの部分がかなり多いわけだが、著者は元専門研究者であり、源氏物語や紫式部日記の現在の研究状況をある程度は踏まえたものであろう。 その意味で、紫式部と源氏物語の背景となった時代と人々を知る一助となるだろうし、小説としてはそれなりに面白く書けている。 ただ、中宮彰子の出産をめぐるエピソードが、想像を働かせたフィクションであるにしても大胆すぎて、いくら何でもありえないという印象を持たざるをえず、それが物語の核心部分となっているだけに私としては十分楽しめなかった。フィクションと割り切って読めば楽しめるかもしれないが。 また、中宮彰子のサロンの他の女房歌人である和泉式部や赤染衛門らと紫式部との交流(源氏物語の展開に影響があったはず)が全く触れられていないことや、紫式部日記で酷評されている清少納言が尊敬すべき先輩のように描かれているのも違和感があった。 なお、紫式部の子は記録上は死別した夫藤原宣孝との間の娘賢子(大弐三位)のみであり、出産は中宮彰子に仕えるかなり前である。 まあ、作家デビュー作の意気込みを多とすべきか。
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藤原北家の末裔、道長と紫式部が政治と文学の巧みな力をもって、二人の秘密の子を帝に仕立てた話に思わず万歳!
気に入ったことは本の題の付け所です。「紫式部日記」は何度も読み、紫式部の生い立ち等読み知っている私には、 ”それはないでしょう”という 内容が多く、反って”それはないでしょう”探しが面白くなっていった気がします。古のこと、本当はどうだったのか色々に想像はokですものね。きっと本の題名が他の題に付けられていたら買わなかったかも。 気に入らなかったことは、「日記」と呼ぶからには「蜻蛉日記」程度の日記の体裁はとってほしいのにそこが曖昧で残念。 紫式部は当時の作家であるうえに写真家ではないでしょうか。その写真家としての眼力と作文力が道長の目に留まり、通り一遍の男の日記ではなく、一葉の写真を見る如く細やかに描かれる紫式部の筆による日記に孫(将来の帝)誕生の記録を残させたに違いないと思っています。 この本に誘われてさらに紫式部の日記の書き方の諸々に興味が湧きました。
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全力でオススメしたい平安フィクション
「紫式部日記」などの作品・文献を下地に、源氏物語や紫式部を利用しようとする藤原道長の陰謀や、紫式部の内面の葛藤などが描かれたフィクション作品。 源氏物語や紫式部日記について知識がある人であれば、史実とされる部分とフィクションの境目を楽しみ、より深くこの作品を味わうことができる。しかし、古典にほとんど触れたことがない人にとっても、決して堅苦しくなく進んでいくストーリーは読みやすく、非常に面白い。 私自身、古典の知識は浅いものの、紫式部を始めとした登場人物の思いや葛藤に共感し、ハラハラしたり喜んだりしているうちに夢中になり、一気に読んでしまった。 古典ファンだけでなく多くの人に勧めたくなる本でした。
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虚実取り混ぜて
寂聴さんの源氏物語を読んだので紫式部には興味があった。そこで本作は藤原道長、藤式部、清少納言等の実在の人物の虚実を取り混ぜて源氏物語創作の過程を描く。こうしたこともあったかもと思わせる物語性が良かった。現代人が書くので貴族社会の品の良さが伝わらないのは寂聴源氏の文章とは違うところ。
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源氏物語の深読みに繋がる
源氏物語を一度読んだことがあったが、後半の光源氏の人生が転がり落ちてゆく様変わりの展開に、何があったのか疑問でしたが、この本を読んで合点がいきました。