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利生の人 尊氏と正成

Nikkei Novel Award

利生の人 尊氏と正成

夜弦雅也

A historical novel tracing the collapse of the Kamakura shogunate and the Nanboku-chō turmoil through the aspirations and conflicts of Takauji, Masashige, and Emperor Go-Daigo.

Nanboku-chō periodAshikaga TakaujiKusunoki MasashigeEmperor Go-Daigohistorical fiction

Work Information

The ideal of risho splits the three men into enemies and allies.

Published by Nikkei BP / Nikkei Publishing. The winner of the 12th Nikkei Novel Grand Award, it depicts the turbulent shift from the late Kamakura period to the Nanboku-chō era while incorporating recent historical research.

Review Summaries

  • It is praised for digging into the inner lives of Kusunoki Masashige, Ashikaga Takauji, and Emperor Go-Daigo, turning a chaotic era into human drama.

Book Information

Publisher
日本経済新聞出版
Published
2021-02-19
Pages
328 pages
Language
日本語
Size
13.7 x 2.6 x 19.5 cm
ISBN-13
9784532171612
ISBN-10
453217161X
Price
1700 JPY
Category
本/文学・評論/歴史・時代小説/19世紀

【内容紹介】 第12回日経小説大賞(選考委員:辻原登氏・高樹のぶ子氏・伊集院静氏)受賞! 鎌倉末期から南北朝時代へ移る混沌とした世の人間ドラマを、最新の研究成果を取り込みながら描き、まったく新しい足利尊氏、楠木正成、そして後醍醐天皇を造形。選考会では確かな歴史考察と文章の安定感、潔い作柄のまっすぐさが評価された期待の歴史小説の新鋭の登場だ。 「利生」とは衆生に神仏の利益をもたらすこと。上下の別なく、民が国を想う志を持ち寄って各々の本分を為せば、きっと日本は悟りの国になれる――幾度も苦難にあいながら、北条得宗の悪政から世を立て直すため鎌倉幕府を倒した後醍醐天皇。帝と志を同じくした楠木正成と、鎌倉幕府の重鎮でありながらその志に共鳴し倒幕へと寝返った足利尊氏。三人は同じ禅宗の同門だった。そして彼らが共有した志とは、仏や菩薩が人々に利益を与えることを意味する「利生」という言葉が表す世を実現すること。理想の世をかかげた建武の新政が始まったが、公家もそして武家も私利私欲がうごめく政治の腐敗は止めようがなく、尊氏と正成の運命は引き裂かれていく。 【目次】 序法燈 壱挙兵 弐新政 参決裂 四湊川 終利生

天津 佳之 作家 1979年生まれ。静岡県伊東市出身。大正大学文学部日本語・日本文学科卒業。書店員、編集プロダクションのライターを経て、現在は業界新聞記者。大阪府茨木市在住。本作で第12回日経小説大賞を受賞し、作家デビュー。

Reviews

  • プレゼント

    新聞広告に掲載されたようで 実母に頼まれて注文しました。 室町時代の名人の気高さを知る良書です。

  • 無し

    問題無し

  • 読み返したくなる、清新な南北朝小説

    私は南北朝時代が面白いと思うのだが、世間様からは「難解」「イデオロギッシュ」などと誤解?され、戦国、幕末に比べると小説は圧倒的に少ない。司馬遼太郎も結局この時代を描かなかった。 しかし本書では作者の流麗で優しい筆致が心地よく、ページを繰る手が止まらない。 そして合戦シーンは迫力があり読みごたえがある。 中でも特筆したいのは、南北朝のドロドロしたイメージを覆し、清新な尊氏、正成、そして後醍醐天皇を見せてもらったことだ。佳き世を創りたいという願い「利生」は三人に共通し、特に尊氏と正成は互いに魅かれ合う。 建武の新政が実現し、束の間の平和を得た京の都。尊氏が正成を自邸に招き、語り明かす一夜が良い。この一夜限りの逢瀬、古い映画「マディソン郡の橋」を思い出した…ちょっと違うか。最近の言葉ならバディなのだな、二人は。 しかし最後には悲劇が待っている。悲劇だが少しの希望と爽やかさがある。読後感がよく早速読み返したくなる作品だ。 最後に疑問点。正成の作る玄米ご飯、本当に美味しいのだろうか。これって不味いとと評判の「楠公飯」ではないのか?尊氏は美味しいと言っていたが。 それはともかく、難しい時代を美しく纏め上げた作者の手腕に拍手を送りたい。 そして現実に戻り、新型コロナの状況を見るに、現代も利生未だ成らずだな、と思った。

  • 尊氏と正成の接点

    尊氏と正成の接点が渋い 一期一会だけれどその瞬間に分かり合える きっと当時そうだったんだろうと思えました

  • 新しい足利尊氏と楠木正成に出会えた

    後醍醐天皇、足利尊氏、そして楠木正成。室町初期の混乱期を生き抜いた三人は、「利生」という同じ志を共有していた。最新の研究をもとに、新しい足利尊氏像を描いた作品です。 「利生」とは、仏や菩薩が人々に利益をもたらすという意味。「民衆が利生を為し合う世」という理想を抱き、悩みながら進み続けた後醍醐天皇、そして同じ理想のもと、敵対しようとも其々の本分を為そうとする尊氏と正成の姿に胸が熱くなりました。 迫力ある馬上の組打ちや騎馬武者の素手の格闘シーン、温かい気に満ちた、正成の焼き飯作りの場面など、何度も味わいたくなる描写が随所にあります。 死地に駆けていく正成の後ろ姿を見ながら、良庵が正行に 「あれこそ、来世の我が師の姿にございます」と厳かに語る下りで、涙が止まらなくなりました。

  • んーおもしろかった。

    密度の濃い内容でした。 戦場での人の動の映像がイメージできました。 太平記をあらためて書いていただきたいです。

  • 太平記のダイジェスト版

    太平記の足利尊氏が反旗を翻した頃から、湊川の戦いまでをコンパクトにまとめた一冊。 後醍醐天皇・足利尊氏・楠木正成の三人を利生(衆生に神仏の利益をもたらす)の人ととらえ、各人が理想的な世の中にしようとしていたとして、物語を描いている。 評者の認識としては、後醍醐天皇は平安時代初期の天皇が中心となって世の中が動いていた頃を理想として、何とかして時計の針を巻き戻そうとしていたとしていただけとしか思えないし、武士は貴族にへつらうのが当たり前だとしか思っていなかったと考えている。 足利尊氏にしても、どうして鎌倉幕府に反旗を翻すことにしたのか、読み続けてももう一つピンとこなかった。 後醍醐・尊氏・正成の三人は世の中をただそうとした利生の人として描く筆致に対して、人物を単純化しすぎじゃない、と突っ込みたくなった。特に後醍醐天皇は「異形の王権」と形容されるほどの天皇だけに、「それはないでしょう」と言いたくなった。 正成の死後、南朝が成立して後醍醐天皇が逝去するくだりは、ちょっとはしょりすぎじゃない、と感じた。

  • 利生の人とは

    尊氏と正成。共に後醍醐天皇の理想の実現に協力しながら、相対せねばならなかった運命を描いて秀逸な作品。建武の親政は後醍醐天皇の理想の実現には程遠い、凡庸な公家と強欲な地頭によって歪められた悲劇であるが、戦前の皇国史観で歪められた歴史を正す作品が更に生まれることを期待したい。

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