夏の辻: 百々登美子歌集
夏の辻 is an award-winning work by 百々登美子. The available bibliographic record identifies it as the work associated with this award entry.
Work Information
夏の辻 by 百々登美子.
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Book Information
- Publisher
- 砂子屋書房
- Published
- 2013-09-01
- Pages
- 191 pages
- Language
- 日本語
- ISBN-13
- 9784790414742
- ISBN-10
- 4790414744
- Category
- 本/文学・評論/詩歌/歌集
カットグラスに茗荷の花を咲かせ置く秋のはじめの小さき伝言 思ひざま泣く子は羨し越冬の蠅を追ひ出す窓の外側 2006〜2010年の447首を収めた第10歌集。【「TRC MARC」の商品解説】 書名の『夏の辻』は、母が幼い私へ教えた言葉なのである。『辻」は「見知らぬ所へ行く道」で「迷うと元の場所へは帰れない」といい、長くそこに佇っていてはいけない、と教えた。それが民俗的なものであることを後に知ったが、私にとっては特別な場所として残っていて、今でもふと不安な気持ちになることがある。 (本書「あとがき」より) つぎつぎに幼児泣きてものひとつ熟れゆくに似る夏の医院に 雁殺しとふ石の投げ方も忘れ果つ夕のさくらは水より昏れて 海見たしといへば同じと言ひたまふ師と暁の夢で逢ひしも 善良な人の眠りの中に啼く梟といふはときにおもたし 弄られ役、打たれ役などあると聞く笑ひの場見ぬひもじき夜に 盛りあがる土竜の穴をつぶしきて口中ひとつ甘味与ふる ・サングラスかけ試す人ふふと笑む構内にある眼鏡の売場 ・真夜高くビルは灯せり眠るなき人と寄り合ふ椅子おもひをり ・指に這はす天道虫のゆくさきに孤絶してゐる草地見ゆるも ・不在者の多き昼なりのつたりと猫は膝よりおりてゆきたり ・子の自立雪の町より届ききぬ遅れたる子は花屋となりて
Reviews
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加藤治郎著 東海のうたびと で歌人の紹介があったので手に取りました。自分の好きな水関係の短歌を引用させてください。
声明(しやうみやう)のなかにゆだねてかなしまむ一枝のはなの淡き水いろ 玻璃打ちて雨は過ぎたり顔よりも言葉たたせて近づける死者 つぶさにもひとりの生に真対ふとおもひし自負も雨音に消ゆ 井の水のあふれのなかに放ちやる睡蓮の紅けふ捨て身とす まふたつに割れたるものを隔て置くふたつの真中川流れゐむ 觜(はし)をもてすくひし水に丹念に羽しごきゐる水張田の鴨