にっぽん音吉漂流記
This nonfiction work follows Otokichi, a sailor from Owari whose shipwreck carried him to North America, Macao, and Shanghai, placing him on the margins of East Asian diplomacy before and around Japan's opening. By reconstructing one castaway's life from limited records, it connects the Morrison incident, trade, missionary activity, and interpreting to illuminate late Tokugawa Japan from the outside.
Work Information
Through a castaway's life that cannot be reduced to homesickness, the book opens another entrance into late Tokugawa diplomacy.
Nippon Otokichi Hyoryuki is a historical nonfiction work centered on Otokichi of Chita, Owari Province, his shipwreck, and his subsequent life abroad. It follows his arrival in North America, the failed attempt to return him to Edo Bay, and his later activities in Macao and Shanghai, showing how castaways became involved in trade, missionary work, and Japanese-language interpreting. By tracing the movement of an individual often left outside official state records, the book shows how Japan under seclusion was already linked to the wider world in complex ways.
Review Summaries
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The work has drawn attention as a subject of historical discussion, especially for rereading late early-modern foreign relations through the life of a castaway. It is valued not only for its narrative force, but also for the way it draws diplomatic complexity from fragmentary sources.
Book Information
- Publisher
- 晶文社
- Published
- 1979-05-01
- Pages
- 289 pages
- Language
- 日本語
- ISBN-13
- 9784794959362
- ISBN-10
- 4794959362
- Price
- 792 JPY
- Category
- 本/歴史・地理/日本史
第6回(1979年) 日本ノンフィクション賞受賞 第11回(1980年)大宅壮一ノンフィクション賞受賞
Reviews
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鎖国制度にはじき飛ばされた日本人の物語に感動!
天保3年(1832年)11月3日、尾張国知多郡小野浦村(現美浜町)の150石積みの千石船「宝順丸」は江戸へ向けて鳥羽港を出版した。遠州灘で難破して漂流し、実に14ヶ月もの間太平洋をさまよい、現在のバンクーバー近くの島に漂着したとき、生き残っていたのは14名の乗組員のうちのたった3人だった。 そのうちの一人、音吉の数奇な生涯について記した著作である。1979年大宅壮一ノンフィクション賞を受賞している。 膨大な資料を丹念に調べ、脚注をつけているので、大変に分かり易い。 14歳の時に炊(かしき~雑用係)として乗り込んで遭難に巻き込まれた音吉は、ジョン万次郎やジョセフ・ヒコなどよりも早い時期の漂流であり、鎖国制度が厳格さの局地を保っていた頃なので、有名なモリソン号事件で知られるように、生涯帰国がかなわなかった。文字通り時代の波に翻弄された人物である。 著者は、近代における日本と中国の関係論が専攻であり、なおかつなるべく文学的な叙述を排し、歴史叙述に徹するという姿勢をとっている。その点、吉村昭の諸作のように、想像力を駆使した評伝文学としての本書を期待する向きには、少し味気と感じられるかもしれない。
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部分的に知っている
徳川時代、モリソン号に乗って帰国しようとしたが砲撃されて叶わず、マカオやシンガポールで一生を終えた音吉の話。はじめシアトル辺へ漂着した時に、太平洋を渡ってくる者は初めてだったと書いてあるが、これより前に日本で通商を断られたレザノフはアラスカ経由でカリフォルニアへ来ているはずで、のちにレザノフの名も出てくるが、疑問を抱いた。 音吉については断片的にしか分からないのだが、淡々としている部分と、妙に力こぶを入れて理論化しようとしているところがある。清国を「中国」と呼ぶのはどうかとも思った。最初の著作だから未熟なところがあるが、昔の大宅賞はこれでとれたのか、と思う気持ちもある。(今の大宅賞は足で歩いて取材しないととれないらしい)
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漂流民が諸外国によってどのように扱われたか
音吉については分からないことが多いので、本書でも彼についての言及は少ない。むしろ、漂流民が諸外国によってどのように扱われたかという観点からの世界史、日本史の書。文章に難があるので☆は2つ。
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幕末開国前の重要な検証・それは漂流民が仲立ちしていた。
春名徹著『にっぽん音吉漂流記』・晶文社・1979。 人類は地球が丸いことを発見する。船や航海術が発達し、やがてヴァスコ・ダ・ガマ はポルトガルからアフリカの喜望峰を回ってマラッカまでインド航路を切り開く。 一方、中国や琉球など東洋からは、東南アジアなどを経てこの地まで貿易が広がり、 東西はつながって行く。19世紀に入り、列強諸国の東洋への覇権拡大への進出が 強まり、開かれていなかった国々を脅かす。 日本沿岸で海運や漁業をし、運悪く遭難して太平洋の只中に流され、運良く救助され ることもあり、異国の人々や文化・文明に触れ、帰国する事例もあった。 そんな一つに、尾張・知多から出帆した宝順丸は難破・漂流し、死の寸前で救けられ も、鎖国の日本には帰れないまま、米国・ハワイ・南米・英国・アフリカ・インド・ 東南アジアへとひきまわされた音吉たちの数奇な運命がここにある。 やがて、開国を迫ろうとするモリソン号に乗せられて帰国を果たそうするが、日本の 山河を前にして追い返される。やむなくルソンなどでギュツラフなどに日本語や 聖書の日本語訳などに加担したりする。 幕府も方針を変え、使節団を送り、上海なで福沢諭吉や森山栄之助などに会うが、 音吉は帰国を諦めシンガポールで死す。 そんな幕末期の世界情勢を俯瞰しながら、開国の一端を漂流民たちが仲立ちしていた 歴史と数奇な人生を考証している。 33年前の出版であるが、改めて著者に敬意を払いつつ読み返した。
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僕の人生に大きな影響を与えた本。
学生時代に教授に紹介され、読んで以来、物事への向かい方が変わった本。 うまく説明できないけど、はじめて「歴史」と「事実」が繋がった気がする。 当時から絶版で、神保町の古書店街を探しまわっていた頃が懐かしい。 今はAmazonで簡単に手に入るんだなぁ。
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最大規模の漂流!激動の時代にもまれた男たちの生涯
ジョン万次郎、ジョゼフ・彦など、江戸時代に漂流してアメリカに接した日本人は何人かいたが、音吉という男性は、14か月という長期間漂流した点と、直接アメリカ大陸に到達したという点で特異である。 その後、ネイティブ・アメリカンにつかまり、白人に救出され、イギリス経由で日本帰国を目指すが・・・?その後彼はアヘン戦争や日本の開国に関わり、ラナルド・マクドナルド、森山栄之助、幕末の蘭学者たちにも大きい影響を及ぼすこととなる。その受難劇は、悲劇であったが、歴史を間違いなく前進させたものであった。 同テーマをより詳しく描いたものに 海嶺〈上〉 (角川文庫) 、後半生については 海商 異邦の人ジョン・M・オトソン 、森山やマクドナルドについては 海の祭礼 (文春文庫) という作品がある。