親愛なるレニー: レナード・バーンスタインと戦後日本の物語
A nonfiction work that traces the relationship between postwar Japan and music through letters addressed to Leonard Bernstein and the exchanges between Japan and the United States.
Work Information
Each letter sketches the contours of postwar Japan and music.
Published by Artes Publishing. The author revised and restructured the original English work into Japanese, creating a book that feels like an exchange of letters between music and memory.
Book Information
- Publisher
- アルテスパブリッシング
- Published
- 2022-10-28
- Pages
- 448 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 12.7 x 2.7 x 18.8 cm
- ISBN-13
- 9784865592658
- ISBN-10
- 4865592652
- Price
- 2750 JPY
- Category
- 本/エンターテイメント/音楽/音楽一般
図書館に人知れず眠っていたふたりの日本人からの手紙がいま、語りはじめる。 カズコとクニ、そしてレニー ── 芸術と愛に生きた巨匠バーンスタインの実像にせまる感動のノンフィクション! “……でもレニー、僕はあなたを愛してしまったし、 忘れることはできないのです。 あなたは僕にこう言いましたよね。 「誰かと恋に落ちたくはない、なぜならそれは、 自分の人生を変えてしまうから」"(本文より) ワシントンの図書館で著者が出逢った数百通の手紙。 それは、世界の巨匠レナード・バーンスタインと 知られざるふたりの日本人との心の交歓の記録だった。 カズコ──日本でおそらく最初の、そしてもっとも熱心なファン。 クニ──バーンスタインと激しい恋に落ち、その夢の実現に尽力した人物。 マエストロとふたりの日本人とが紡いだ愛の物語を軸に、 冷戦期アメリカの文化戦略、高度成長期日本に花開く音楽文化が描かれる。 感動の音楽ノンフィクションがここに誕生! レナード・バーンスタイン(1918-1990)は、 ニューヨーク・フィル、ウィーン・フィルなどのタクトをとった指揮者として、 《ウェスト・サイド・ストーリー》《キャンディード》など不滅の名作の数々を生みだした作曲家として、 米ソ冷戦期に反核や平和運動に精力的にとりくんだ行動する音楽家として、 20世紀を代表する芸術家の筆頭にあげられる巨匠。 スティーヴン・スピルバーグがリメイクし大ヒットした ミュージカル映画『ウェスト・サイド・ストーリー』(2021)や Netflixが制作し、スピルバーグ、マーティン・スコセッシらが名を連ねる 伝記映画『マエストロ』(2023年春公開予定)などで、 いまなお世界中から注目を集めている。 著者は『ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール──市民が育む芸術イヴェント』(2010)、 『「アジア人」はいかにしてクラシック音楽家になったのか?──人種・ジェンダー・文化資本』(2013)、 『私たちが声を上げるとき──アメリカを変えた10の問い』(共著、2022)など、 アメリカ文化史、ジェンダー研究などの分野で活躍する気鋭の研究者、吉原真里。 本書は著者が2019年にOxford University Pressから出版した Dearest Lenny: Letters from Japan and the Making of the World Maestroを みずから日本の読者向けに翻訳・再構成したものである。
1968年ニューヨーク生まれ。東京大学教養学部卒、米国ブラウン大学博士号取得。ハワイ大学アメリカ研究学部教授。専門はアメリカ文化史、アメリカ=アジア関係史、ジェンダー研究など。著書に『アメリカの大学院で成功する方法』『ドット・コム・ラヴァーズ──ネットで出会うアメリカの女と男』(以上中公新書)、『性愛英語の基礎知識』(新潮新書)、『ヴァン・クライバーン国際ピアノ・ コンクール──市民が育む芸術イヴェント』『「アジア人」はいかにしてクラシック音楽家になったのか?──人種・ジェンダー・文化資本』(以上アルテスパブリッシング)、共編著に『現代アメリカのキーワード』(中公新書)、共著に『私たちが声を上げるとき──アメリカを変えた10の問い』(共著、集英社新書)、そのほか英文著書多数。 著者ウェブサイト:Mari Yoshihara Official Web Site|吉原真里ウェブサイト 著者ブログ:Dot Com Lovers
Reviews
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惹き込まれる!!
友人の勧めで購入しました。 これまで、なんとなく知っていた音楽家が、日本人の大切な友人との交流がクローズアップされ、この本が日本で書かれた意味を知りました。 レナード・バーンスタイン? あのウエスト・サイド・ストーリーの作曲家、といえば、あああ、と思われるでしょうね。 厚い本ですが、一気に読むことができました。
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私のレビューデビュー
初めてレビューを書きます。 Amano、Kuny、Yoshihara の日本人3人を誇りに思う。深い愛に感銘を受け人を信じる力をもらった。この作家の誠実な姿勢に感動。ついバーンスタインの返信内容や書体を確認したくなるが一切触れず.、バーンスタインを守りながら本を世に送り出した。Kunyの手紙を読みたくて英語版も買ってしまった。
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ある愛の物語
バーンスタインの同性愛については有名だ、と思ってましたが案外、クラシックファンにも知らない人が多いようなので、ゴシップのような形ではなくて今回、このように真摯な研究の形で公開されることは好ましいことだ、と思います。 クニさんが、愛人との同居生活に失敗し、奥様も亡くされた直後のバーンスタインの心の隙間を埋めたろうことは、想像に難くありません。こういう話を、興味本位で扱ってはいけない。 それはさておくとして、彼の人生の結論、と言っても良い「静かな場所」の手痛い失敗には、いろいろと考えさせられました。 よりにもよって、テキサス州ヒューストンですよ。そりゃ、騒ぎにもなるでしょう。これがニューヨークやロサンゼルスならまた、違ったんじゃないでしょうか? 一度実演を聴いてみたいものです。
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文化交流をいきいきと
L.バーンスタインを通した日米文化交流史が手に取るように分かって面白いのと,文体が魅力的。
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素晴らしい!感動!多くの方に読んで頂きたい、珠玉の書籍です!
緻密な取材、愛情のこもった文体。バーンスタインの表現者としてのポリシーにも感服!
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レニーファン必読書
もう50年もレニーファンです。彼の一応の事は知っているつもりでした。しかしこの本を読んで驚愕でした。今までのどの本にも書いてないことが書かれています。彼の日本(人)への深い愛情!とにかく新しい発見があります。お薦めします。
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崇高な精神のあり方
バーンスタインに宛てて何十年にもわたり何百通もの手紙を書いた日本人二人の精神の気高さに感銘を受けました。読み終わってこんなに心が洗われた気持ちの読書は久しぶりです。その手紙をアーカイヴした議会図書館もすごい。日本の国会図書館も芸術家の手紙を含む一次資料をきちんとアーカイヴしてほしいものです。プライベートな手紙の執筆者の協力を得た著者の真摯な姿勢、力量にも感じ入りました。物事にはもちろん裏面もあるでしょうが、まず材料を提示することが大事と思います。
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英雄の私生活をどこまで書くべきか?
レナード・バーンスタインこそ「現代の英雄」と呼ぶにふさわしい。 第2次大戦中の1943年、ブルーノ・ワルターの代役で弱冠25歳ながらニューヨークフィルの指揮者としてカーネギーホールにデビュー。指揮者としてのキャリアを重ねつつ、作曲家としても「ウエストサイド・ストーリー」などで才能を発揮。また、自由と平和を求める国際運動の先頭に立って活躍し、戦後の「赤狩り」の対象となる一方(友人のJ・F・ケネディに助けられた)、冷戦時代は西側の音楽家の代表のように扱われた。本書にも挙げられている1985年の広島反核平和記念コンサートのシンボルとなり、ベルリンの壁崩壊時にはあの感動の第九を指揮。最晩年には札幌でPMF音楽祭を主催し、若手演奏家に感銘を与えた。 私自身、バーンスタインが1980年代に多数のオーケストラと録音したマーラー交響曲全集を首を長くして買いそろえたし、1970年代にグラモフォンに映像を残したウィーンフィルとのベートーヴェン交響曲全集やピアノ協奏曲全集は繰り返し見ている。 これだけ多彩な活動をしていたバーンスタインであれば、伝記として書くべきことは多数あると思うが、さらにそのプライバシーの深部にまで立ち入って本にする必要があるだろうか。 もちろん、日本人との親密な交流があったこと自体は驚きだし、彼らがバーンスタインの日本公演やPMF音楽祭を支えていたことは記録に値する。しかし、今で言う「推し活」のようなファンレターや同性愛者としての熱烈な長文のラブレターを全文掲載するのはいかがなものか。 特に、後者(「クニー」)はアメリカ議会図書館のバーンスタインコレクションに所蔵されていたその膨大な手紙を、非公開にもかかわらず著者に誤って開示されたのがきっかけという。クニー本人は著者のレターに対して、これを本で公開することを固く断っていた。当然だと思う。にもかかわらず著者の熱意で結局は押し切った形になっている。 確かに、バーンスタインとクニーの交流には興味深いものもある。特に、あの名盤『トリスタンとイゾルデ』のミュンヘンでの収録に同行した話、カール・ベームやカルロス・クライバー、フランコ・ゼフィレッリといった著名人とバーンスタインの親密な会合に同席した話などである。ただ、ゼフィレッリがバーンスタインに言った「海で釣った魚は戻してやらないといけない」という言葉は、彼らがクニーをどう見ていたかを暗示している。クニー自身は自らをイエスを慕う弟子ヨハネになぞらえていたというが。 とはいえ、バーンスタインの日本との関わりを中心にした伝記としては、弟子の小澤征爾や大植英次、佐渡裕らのことも言及しており、よく書けていると思う。 最後に、広島平和コンサートの際のバーンスタインの言葉を引用する。 「どんなに公式に正当化されたものであれ、殺戮は殺戮だということ。戦争は意味を失った過去の遺物であり、戦争の勝者などは存在しないということ、存在するのは敗者だけで、人類も動物も植物も含む世界全体が敗者なのだということ。そのことを世界が理解するよう、心の底から祈るのです。」