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第5回(1977年) 受賞受賞作: 怪しい来客簿
『怪しい来客簿』は、色川武大が日常の隙間に現れる奇妙な人物や記憶を清冽な文体で描いた連作短篇集。戦後の混乱、無頼の感覚、幻想めいた出会いが入り混じり、作者独自の世界を形づくる。
日常の裂け目から、奇妙で忘れがたい来客たちが姿を現す。
310ページ幻想戦後無頼記憶短篇集
色川 武大
いろかわ たけひろ
Irokawa Takehiro
別名:
阿佐田 哲也 / 井上 志摩夫 / 雀風子 / 御仲 十
ペンネーム:
阿佐田 哲也(麻雀小説などで用いた代表的筆名),
井上 志摩夫(娯楽小説・時代小説で使用した筆名),
雀風子(麻雀講座などのコラムで使用),
御仲 十(その他の娯楽作品で使用した筆名)
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1929-03-28 (東京府東京市牛込区矢来町(現:東京都新宿区))
- 死没
- 1989-04-10 (宮城県栗原郡瀬峰町 宮城県立瀬峰病院(現:栗原市)) 60歳
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 居住地歴
- 東京都(牛込/新宿) → 岩手県一関市(終焉前の在住) → 宮城県栗原郡瀬峰町(入院地)
経歴
- 職業
- 小説家, 随筆家, 雀士, コラムニスト
- 活動期間
- 1950年〜1989年
- 所属
- 桃園書房(編集), 週刊大衆(寄稿), 週刊ポスト(寄稿・観戦記), 近代麻雀(寄稿)
- 所属団体
- 新日本文学会
- 影響を受けた人物
- 藤原審爾, 山田風太郎, 武田泰淳, 三島由紀夫, ドストエフスキー, 五味康祐
- 影響を与えた人物
- 北野英明(漫画家), さいふうめい(原作者), 麻雀小説・麻雀漫画の多数の作家と麻雀文化
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 旧制東京市立第三中学校(現:東京都立文京高等学校) | — | — | — | 1941–1945(中退) | 日本 |
旧制東京市立第三中学校(現:東京都立文京高等学校)
期間:
1941–1945(中退)
国:
日本
無期停学処分のため中学を中退。戦後は各種の職を転々とした。
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1961 | 中央公論新人賞 | 黒い布 | — | 中央公論社 | Winner |
| 1977 | 泉鏡花文学賞 | 怪しい来客簿 | — | 泉鏡花文学賞選考委員会 | Winner |
| 1978 | 直木三十五賞 | 離婚 | — | 直木賞選考委員会 | Winner |
| 1982 | 川端康成文学賞 | 百 | — | 川端康成文学賞選考委員会 | Winner |
| 1989 | 読売文学賞 | 狂人日記 | 小説賞 | 読売新聞社 | Winner |
中央公論新人賞
1961
対象作品:
黒い布
主催:
中央公論社
結果:
Winner
泉鏡花文学賞
1977
対象作品:
怪しい来客簿
主催:
泉鏡花文学賞選考委員会
結果:
Winner
直木三十五賞
1978
対象作品:
離婚
主催:
直木賞選考委員会
結果:
Winner
川端康成文学賞
1982
対象作品:
百
主催:
川端康成文学賞選考委員会
結果:
Winner
読売文学賞
1989
対象作品:
狂人日記
部門:
小説賞
主催:
読売新聞社
結果:
Winner
受賞・候補エディション
泉鏡花文学賞
1回登壇
直木三十五賞
1回登壇
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第79回(1978年) 受賞受賞作: 離婚
『離婚』は、色川武大が男女の別れと奇妙な同居感覚を描く小説である。深刻さをかわすような軽みの中に、関係が終わった後も残る情やずれを浮かび上がらせる。
別れたはずの男と女の間に、可笑しさと寂しさが居残る。
210ページ男女関係別れユーモア日常
川端康成文学賞
1回登壇
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第9回(1982年) 受賞受賞作: 百
百歳を前に老耄の兆しを見せる元軍人の父と、無頼の日々を送ってきた「私」の関係を描く短編小説。父の死を前にして揺らぐ語り手の記憶と自己認識を通じ、親子の結びつきと人生の重みを見つめる。
老いゆく父を前に、語り手は自らの過去と親子の関係を見つめ直す。
304ページ親子関係老い記憶と自己認識
読売文学賞
1回登壇
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第40回(1988年) 受賞受賞作: 狂人日記
狂人日記は、色川武大による文学作品。人物の選択と時代の空気を丁寧に追い、静かな余韻を残す物語として読まれてきた。
狂人日記は、色川武大による文学作品。
253ページ文学人物時代余韻
作品
代表作
麻雀放浪記
1969年 自伝的小説/ギャンブル小説自伝的色彩の強いシリーズ小説。主人公「坊や哲」の麻雀遍歴と放浪を描き、1970年代に麻雀ブームを生んだ。
麻雀ギャンブル青春アウトロー運と技術
映像化・舞台化
- [映画] 麻雀放浪記 / 和田誠 (1984)
- [漫画] 哲也-雀聖と呼ばれた男 / さいふうめい(原作)・星野泰視(作画) (1997)
怪しい来客簿
1977年 短編集/随筆随筆や短編を集めた作品集。色川名義(本名)で刊行され、泉鏡花文学賞を受賞した。
人間関係日常の怪異ユーモア回想
離婚
1978年 小説事実とフィクションが入り混じる結婚・離婚をめぐる長編。第79回直木三十五賞受賞作で、夫人を巡る逸話が知られる。
結婚離婚家族私小説的要素
百
1982年 小説人生の断片や人間模様を集めた長編的作品。川端康成文学賞を受賞した。
人生の断章記憶人間ドラマ
狂人日記
1988年 小説晩年に刊行された作品で、ナルコレプシーに伴う幻覚・幻聴など精神の不安定さを反映した内容。読売文学賞受賞作。
精神疾患幻覚自己と現実の境界
全著作
- 怪しい来客簿
- 離婚
- ぼうふら漂遊記
- 生家へ
- 小説阿佐田哲也
- 無職無宿虫の息
- 花のさかりは地下道で
- 百
- 恐婚
- うらおもて人生録
- 喰いたい放題
- 遠景・雀・復活
- 寄席放浪記
- あちゃらかぱいッ
- 街は気まぐれヘソまがり
- 唄えば天国ジャズソング
- 狂人日記
- 引越貧乏
- 虫けら太平記
- なつかしい芸人たち
翻案
- 麻雀放浪記(1984年映画、監督:和田誠)
- 麻雀放浪記→漫画化(例:哲也-雀聖と呼ばれた男/1997年-2004年)
- ドサ健 麻雀地獄(2000年、映画)
作風・主題
- 文体
- 自伝的語り口ピカレスク(悪漢を主人公にした語り)口語体で飄々としたユーモア大衆文化(映画・ジャズ・博打)の引用
- 頻出モチーフ
- 麻雀博打(競輪・競馬・バカラ)父子関係アウトロー的な登場人物幻覚・睡眠発作(晩年)
健康
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ナルコレプシー(過眠症)1974–19891974年に診断され生涯苦しめられた。睡眠発作・脱力発作・幻視・幻聴などがあり、日常生活や執筆に影響。晩年作品に症状が表れている。
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胆石1976(悪化、危篤を経験)1976年に胆石が悪化して一時危篤となったが奇跡的に回復した。以後も健康は不安定であった。
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心筋梗塞/心破裂(致命的)1989年4月1989年4月に心筋梗塞で倒れ、その後心破裂により死去した。
評価・遺産
色川武大は麻雀小説の形式を確立し、戦後日本における麻雀文化の大衆化に大きく貢献した。「雀聖」として神格化されるほどの影響力を持ち、映画・漫画・麻雀メディアへ広く影響を残した。文学面でも複数の主要文学賞を受賞し独自の語り口を残した。
記念館・博物館
- 阿佐田哲也大神(稲荷山・大道教) 京都府京都市伏見区稲荷山 1996年開館
- 谷中霊園(墓所) 東京都台東区谷中七丁目
関連学会
- 新日本文学会
資料所蔵先
- 国立国会図書館(所蔵・典拠)
大衆文化への影響
- 麻雀放浪記は映画化・漫画化され、1990年代以降の麻雀マンガやメディアに多大な影響を与えた。
- 立川競輪場などで『阿佐田哲也杯』が開催されるなどギャンブル文化への影響が続いた(2004年まで開催された例など)。
引用
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九勝六敗を狙え。八勝七敗では寂しい。十勝を狙うと無理がでる。
出典: 『うらおもて人生録』 (1984年) -
幸運が続きすぎると危ない。大負けはここで不運を消化するためだ。
出典: 『阿佐田哲也の怪しい交遊録』 (1988年)
豆知識
- 阿佐田哲也は色川武大のもっとも知られた筆名で、麻雀小説で大衆的人気を博した。
- 愛犬のチワワの名前は筆名にちなんで『アサダ』と名付けられていた。
- ナルコレプシーのため授賞式などに遅刻することが多かった。
- 死後も『麻雀放浪記』は映画化・漫画化・劇化され続け、麻雀文化に強い影響を与えた。
- 多数の著名人と交友があり、没後も追悼や特集が多く組まれている。