日本の文学賞

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柄谷 行人

からたに こうじん

Karatani Kojin

別名: 柄谷 善男
ペンネーム: 原行人大学新聞等に用いた初期の筆名, 柄谷行人公表名・著作で主に用いる筆名

プロフィール

性別
男性
生誕
1941-08-06 (兵庫県尼崎市)
国籍
日本
言語
日本語, 英語(研究・講義で使用)
居住地歴
兵庫県尼崎市(出生) → 東京都(長年の在住・活動拠点) → ニューヘイブン(イェール大学滞在) → 各地の客員研究員・講義(イェール、コロンビア、カリフォルニア大学等)

経歴

職業
哲学者, 文学者, 文芸批評家, 大学教授, 翻訳者
活動期間
1966年〜2025年
所属
東京大学, 國學院大学, 日本医科大学, 法政大学, 近畿大学, イェール大学, コロンビア大学, カリフォルニア大学(アーヴァイン等), コーネル大学
所属団体
日本文藝家協会(かつて所属、1990年に脱退), 群像新人文学賞 選考委員(1977–1999)
影響を受けた人物
イマヌエル・カント, カール・マルクス, フリードリヒ・ニーチェ, フェルディナン・ド・ソシュール, ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン, ジャック・デリダ, ジグムント・フロイト, ジャック・ラカン, クルト・ゲーデル, グレゴリー・ベイトソン, ダグラス・ホフスタッター, 夏目漱石, 柳田國男
影響を与えた人物
ニュー・アカデミズム(日本の学術ムーブメント), 浅田彰, 東浩紀, 國分功一郎, 法月綸太郎, 阿部和重, 成田悠輔, スラヴォイ・ジジェク(紹介や議論を通じての相互的影響), 細田守(理論的影響を受けるクリエイターの一例)
ノミネート
『意味という病』 亀井勝一郎賞 候補(1975), 『日本近代文学の起源』 平林たい子文学賞 候補(1981)

学歴

甲陽学院高等学校
期間: 1950s - 1960
卒業年: 1960
国: 日本
中等教育(甲陽学院)を修了
東京大学経済学部
経済学部
学位: 学士
期間: 1960 - 1965
卒業年: 1965
国: 日本
経済学専攻で学士号を取得
東京大学大学院人文科学研究科
人文科学研究科 / 英文科
学位: 修士
期間: 1965 - 1967
卒業年: 1967
国: 日本
修士課程修了、修士論文は英文学に関するもの

受賞歴

群像新人文学賞(評論)
1969
対象作品: 〈意識〉と〈自然〉―漱石試論
部門: 評論
主催: 群像(雑誌)
結果: 受賞
亀井勝一郎賞
1978
対象作品: マルクス その可能性の中心
主催: 亀井勝一郎賞 選考委員会
結果: 受賞
伊藤整文学賞
1996
対象作品: 坂口安吾と中上健次
主催: 伊藤整文学賞運営
結果: 受賞
紀伊國屋じんぶん大賞
2013
対象作品: 哲学の起源
主催: 紀伊國屋書店
結果: 受賞
バーグルエン哲学・文化賞
2022
対象作品: 業績全体
主催: バーグルエン研究所/バーグルエン賞
結果: 受賞(アジア人で初)
朝日賞
2023
対象作品: 2022年度の業績
主催: 朝日新聞社
結果: 受賞

受賞・候補エディション

伊藤整文学賞 1回登壇
  1. 受賞作: 坂口安吾と中上健次

    坂口安吾と中上健次を手がかりに、日本近代文学の思想と表現を読み直す評論です。

    坂口安吾と中上健次を手がかりに、日本近代文学の思想と表現を読み直す評論です。

    412ページ
    作品紹介

作品

代表作

意味という病

1975年 文芸批評・評論

文芸論集。日本近現代作家の批評や文芸論を収めた代表作の一つ。

文芸批評近代文学言語と人間関係

マルクス その可能性の中心

1978年 思想・哲学(マルクス研究)

価値形態論を中心にマルクスを再読し、資本や交換様式について独自の理論的提示を行った著作。

価値形態論マルクス再解釈経済と文化の関係
翻訳
  • 英訳: Marx: Towards the Centre of Possibility(Verso, 2020)

隠喩としての建築

1983年 思想・建築論

建築をメタファーとして用い、言語・記号・社会の構造を論じる学際的な論考集。

建築理論記号論社会構造
翻訳
  • 英訳: Architecture as Metaphor(MIT Press, 1995)

トランスクリティーク――カントとマルクス

2001年 哲学・批評

カントとマルクスの読解を通じて“トランスクリティーク”という企図を示し、倫理・経済・政治を横断する批評を展開した主要著作。

カント思想マルクス主義批評理論
翻訳
  • 英訳: Transcritique: On Kant and Marx(MIT Press, 2003)

世界史の構造

2010年 歴史哲学・世界史論

生産様式から交換様式へと視点を移し、世界史の構造を再構築する試み。

世界史比較史学交換様式
翻訳
  • 英訳: The Structure of World History(Duke University Press, 2014)

哲学の起源

2012年 哲学史

哲学の起源を古代思想の文脈で問い直し、イソノミアなどの概念を提示する著作。

哲学史イソノミア古代思想

全著作

  • 畏怖する人間(1972)
  • 意味という病(1975)
  • マルクス その可能性の中心(1978)
  • 隠喩としての建築(1983)
  • トランスクリティーク――カントとマルクス(2001)
  • 世界史の構造(2010)
  • 哲学の起源(2012)
  • 帝国の構造(2014)
  • 力と交換様式(2022)

作家による翻訳

  • エリック・ホッファー『現代という時代の気質』訳(1972)

作品の翻訳

  • 『隠喩としての建築』英訳: Architecture as Metaphor(MIT Press, 1995)
  • 『トランスクリティーク』英訳: Transcritique: On Kant and Marx(MIT Press, 2003)
  • 『世界史の構造』英訳: The Structure of World History(Duke University Press, 2014)

作風・主題

文体
学際的かつ概念的な論述抽象的・理論的な文体文芸批評と哲学の融合
頻出モチーフ
価値形態論アソシエーション(国家や資本と区別される社会的連関)ネーションと国家の批判交換様式・世界史の構造

健康

  • 場面緘黙症(選択的緘黙)
    幼少期〜小学校低学年
    幼少期に一時的に言葉を発しない時期があり、その後の対人関係に影響を与えたと本人が述べる
  • 赤面恐怖(羞恥反応)
    青年期以降
    人前に出ることを苦痛と感じ、文学や批評に向かった一因とされる

評価・遺産

柄谷行人は日本の現代思想および文芸批評において重要な位置を占め、価値形態論やトランスクリティークなど独自の概念を通じて政治哲学・文学理論・世界史論に広範な影響を与えた。著作は英語を含む多言語に翻訳され国際的評価を得ている。

資料所蔵先

  • 柄谷行人公式サイトおよび関連アーカイブ
  • 岩波書店 定本柄谷行人集(編集・刊行による資料集)

大衆文化への影響

  • 講義や対談の映像が公開され、YouTube等で閲覧可能

引用

  • 若い人は「文学」をもうやらなくて結構です。かつての「近代文学」と持っている意義は同じだけど、何か、違うことを実現してください。
    出典: 『近代文学の終わり』講義(早稲田文学掲載, 2004) (2004年)
  • これは予言ではない(…)。
    出典: 9.11以後のWEBコメント(批評空間サイト掲載) (2001年)
  • 「トランスクリティークとはディコンストラクションの否定ではなくその徹底化である」と考えてもらってもいい。
    出典: デリダ追悼シンポジウム(京都大学、2004)における発言 (2004年)

豆知識

  • 本名は柄谷善男(からたに よしお)。
  • 筆名の由来は夏目漱石の小説『行人』に由来するとされるが、本人は語感から偶然思いついたと述べている。
  • 1969年に『〈意識〉と〈自然〉―漱石試論』で群像新人文学賞(評論部門)を受賞し文芸批評家としての活動を開始した。
  • 1960年代は学生運動にも関わっており、左翼的立場を自認することがある(アナーキストとも自称)。
  • 阪神タイガースのファンで、草野球チームを仲間と結成していたことがある。
  • 『トランスクリティーク』は英訳がMIT Pressから出版され、国際的評価を得た。
  • 2022年にバーグルエン賞(哲学・文化賞)をアジア人として初めて受賞した。