-
第14回(1982年) 受賞受賞作: カイトマスター
核戦争後のイングランドを舞台に、巨大な有人凧で荒野の境界を監視するカイト隊を描く。基地を訪れた宗教的権威ヘルマンと、信仰を疑うカイトキャプテンの対話を通して、上空の危険な任務と社会を支える恐怖の仕組みが浮かび上がる。
空から王国を見張る任務は、守りの儀式であると同時に、ひとりの男を限界へ追い込む試練となる。
256ページ終末後のイングランド宗教と統制恐怖と信仰精神の崩壊有人凧 -
第18回(1986年) 受賞
キース・ロバーツの連作集『Kaeti & Company』に収められた短編です。ケイティという人物をめぐる奇妙で寓話的な世界の中で、死刑執行人という題材を通して権力、演技、現実の揺らぎを扱います。
ケイティの連作世界で、絞首刑執行人の影が現実を揺らす。
224ページSF短編連作権力寓話 -
第19回(1987年) 受賞受賞作: Grainne
テレビ時代のカリスマ的な女性像を、神話的な名と現代社会の欲望に重ねて描くSF小説。名声、身体、イメージが絡み合い、個人が伝説へ変わる過程をたどる。
Grainneは、キース・ロバーツの表現の核を伝える一作である。
192ページ文学記憶社会人間関係
キース・ロバーツ
キース・ロバーツ
Kīsu Robātsu
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1935-09-20
- 死没
- 2000-10-05 65歳
- 国籍
- イギリス
- 言語
- 英語
経歴
- 職業
- SF作家, イラストレーター, 編集者
- 活動期間
- 1964年〜2000年
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1987 | 英国SF協会賞 | Gráinne | 長編 | 英国SF協会 | 受賞 |
英国SF協会賞
1987
対象作品:
Gráinne
部門:
長編
主催:
英国SF協会
結果:
受賞
受賞・候補エディション
英国SF協会賞
3回登壇
作品
代表作
パヴァーヌ
1968年 歴史改変SF16世紀の宗教的分岐が続いた世界を舞台にした連作的短篇・中篇を含む歴史改変SF。冷戦後の別のヨーロッパ像と人間ドラマを描く。
歴史の分岐権力と宗教個人と社会
翻訳
- パヴァーヌ(越智道雄 訳、ちくま文庫ほか)
モリー・ゼロ
1980年 ディストピア小説近未来社会を舞台に、体制に反発する少女モリーの成長と抵抗を描く長編。個人の自由と抑圧のテーマを扱う。
抵抗成長抑圧と自由
The Furies
1966年 長編小説ロバーツの初期長編。ジャンル要素と社会描写を融合させた作品群の一つ。
社会批評人間関係
Gráinne
1987年 SF/歴史小説アイルランド的要素や歴史観を織り込んだ長編。英国SF協会賞長編部門を受賞した代表作の一つ。
文化と記憶歴史との対話
アニタ
1970年 ファンタジー/短篇集ロバーツのデビュー短編『アニタ』を含む連作短編集。幻想的な要素と人間描写が特徴。
幻想日常と非日常
Lemady(自伝的小説)
1997年 自伝的小説自伝的要素を持つ長編で、作家生活や個人的経験を反映した作品。
回顧作家の生活
全著作
- The Furies (1966)
- パヴァーヌ (Pavane) (1968)
- アニタ (Anita) (1970)
- Molly Zero (1980)
- Gráinne (1987)
- Lemady (1997)
作品の翻訳
- パヴァーヌ(越智道雄 訳、ちくま文庫 2012)
作風・主題
- 文体
- 緻密な世界構築叙情的かつ冷静な語り口短篇と連作形式の活用
- 頻出モチーフ
- 歴史のもしも個人の抵抗と孤独文化的記憶
健康
-
慢性の病気(詳細不明)1990年代1990年代に体調を崩し執筆活動に影響が出た。一時は絶筆が伝えられた。
-
肺炎2000年2000年に肺炎のため死去した。
評価・遺産
キース・ロバーツは歴史改変SFや連作短篇で知られるイギリスの作家で、代表作『パヴァーヌ』は国内外で高く評価され、長く入手困難な版が話題になった。1987年には英国SF協会賞を受賞した。
関連学会
- 英国SF協会
豆知識
- 『パヴァーヌ』の初の日本語版は1987年にサンリオSF文庫から出たが、同レーベルはまもなく廃刊となり長年入手困難になった。
- ウィキデータ等の国際的識別子(VIAF, ISNIなど)が整備されている。