日本の文学賞

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辻原 登

つじはら のぼる

Tsujihara Noboru

別名: 村上 博
ペンネーム: 辻原 登作家名(筆名)。本名は村上博。筆名は父と同選挙区にいた辻原弘市の姓を借りた。

プロフィール

性別
男性
生誕
1945-12-15 (和歌山県印南町)
国籍
日本
言語
日本語
居住地歴
和歌山県印南町(出生地) → 横浜市保土ケ谷区(在住)

経歴

職業
小説家, 大学教授, 館長
活動期間
1985年〜
所属
東海大学(元教授), 神奈川近代文学館(館長・理事長), 日本芸術院(会員), 関西大学(客員教授)
所属団体
日本芸術院
影響を受けた人物
マルセル・プルースト, フョードル・ドストエフスキー, 谷崎潤一郎

学歴

文化学院
文科
学位: 専門士
国: 日本
専門課程を修了
大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎
国: 日本
高等学校卒業

受賞歴

芥川龍之介賞
1990
対象作品: 村の名前
主催: 文藝春秋
結果: 受賞
読売文学賞
1999
対象作品: 飛べ麒麟
主催: 読売新聞社
結果: 受賞
谷崎潤一郎賞
2000
対象作品: 遊動亭円木
結果: 受賞
川端康成文学賞
2005
対象作品: 枯葉の中の青い炎
結果: 受賞
大佛次郎賞
2006
対象作品: 花はさくら木
結果: 受賞
毎日芸術賞
2010
対象作品: 許されざる者
主催: 毎日新聞社
結果: 受賞
芸術選奨(文部科学大臣賞)
2011
対象作品: 闇の奥
主催: 文化庁
結果: 受賞
司馬遼太郎賞
2012
対象作品: 韃靼の馬
結果: 受賞
伊藤整文学賞
2013
対象作品: 冬の旅
結果: 受賞
毎日出版文化賞(書評賞)
2013
対象作品: 新版 熱い読書 冷たい読書
部門: 書評賞
主催: 毎日新聞社
結果: 受賞
日本芸術院賞・恩賜賞
2016
主催: 日本芸術院
結果: 受賞
紫綬褒章
2012
部門: 叙勲
主催: 日本国(授与)
結果: 受章
旭日中綬章
2024
部門: 叙勲
主催: 日本国(叙勲)
結果: 受章

受賞・候補エディション

芥川龍之介賞 1回登壇
  1. 受賞作: 村の名前

    中国奥地の村を訪れる日本人の視線を通して、場所の記憶、名づけること、異文化との距離を描く小説です。旅の具体的な手触りの奥に、言葉が土地や人間をどう捉えるのかという問いが置かれています。

    村の名を探す旅は、土地と記憶をめぐる静かな思索へ変わっていきます。

    218ページ
    土地の記憶異文化名づけ
読売文学賞 1回登壇
  1. 受賞作: 翔べ麒麟

    『翔べ麒麟』は、辻原 登の受賞作として注目された作品。題名が示す中心的なイメージを軸に、人物や出来事の変化を追う。

    『翔べ麒麟』は、受賞時の時代感覚と作者の関心が交わる作品。

    645ページ
    受賞作人物の変化時代と社会
谷崎潤一郎賞 1回登壇
  1. 受賞作: 遊動亭円木

    『遊動亭円木』は、2000年の受賞対象となった文学作品です。題名が示すイメージを軸に、作者の関心や同時代の表現感覚がうかがえる作品として位置づけられます。

    『遊動亭円木』は、題名の余韻から作品世界へ読者を引き込む文学作品です。

    文学人間関係時代
  1. 老いた名投手の願いを叶えるため、災いを承知で南洋の呪術を使う男を描いた短編を表題作とする作品集。現実の出来事と虚構が絡み合い、奇妙な手触りの物語を生み出す。

    奇跡を望む心が、災いの予感とともに青い炎を灯す。

    205ページ
    短編集野球と呪術現実と虚構奇跡と災い
大佛次郎賞 1回登壇
  1. 受賞作: 花はさくら木

    宝暦期の京と大坂を舞台に、智子内親王、田沼意次らを配し、政治と恋、冒険が絡み合う時代小説。歴史上の人物と虚構の人物が華やかに交差する。

    京と大坂を舞台に、歴史と恋と冒険が鮮やかに動き出す。

    462ページ
    時代小説江戸中期京都冒険
  1. 受賞作: 闇の奥

    『闇の奥』は、辻原登による小説。コンラッドの題名を想起させながら、植民地的記憶と現代の不穏を重ねる小説。闇へ向かう旅の構図を通じて、人間の内奥を照らす。

    闇の奥は、文学的記憶を軸に作品世界を立ち上げる。

    283ページ
    文学的記憶植民地性
司馬遼太郎賞 1回登壇
  1. 受賞作: 韃靼の馬

    江戸から対馬、朝鮮半島へと視野を広げ、馬と人の移動を通して境界の歴史を描く長編小説。歴史のうねりと個人の運命が交差する。

    韃靼の馬は、辻原登の視点から題材の核心をたどる受賞作である。

    639ページ
    歴史小説対馬境界
  1. 受賞作: 新版 熱い読書冷たい読書

    『新版 熱い読書冷たい読書』は、辻原登による作品で、2013年の受賞・選出作として記録されている。Amazon JP、NDL OPAC、出版社公式に相当する公開情報で単行本・文庫の識別子を確認できなかったため、識別子は null とした。

    新版 熱い読書冷たい読書は、辻原登の受賞・選出作として書誌確認を行った作品。

    受賞作書誌確認文学賞
伊藤整文学賞 1回登壇
  1. 受賞作: 冬の旅

    妻の失踪をきっかけに、緒方隆雄の人生は失職、病、路上生活、罪へと崩れていく。刑期を終えた彼がひとり歩き出す姿を通じて、絶望の底に残る自由と、人がなお歩き続ける理由を問う長篇小説。

    すべてを失った男が、雪のように冷たい自由のなかを歩き出す。

    360ページ
    転落再生孤独

作品

代表作

村の名前

1990年 中編小説

中国の奥地を舞台にし、和歌山で育った記憶や土地の名家の影響を織り込んだ中編。主人公の名に故郷の姓の要素を取り入れている。

故郷記憶中国(異国)

飛べ麒麟

1998年 長編小説

長編歴史小説的要素を含む作品。戦後の日本社会や人物の軌跡を描く長編。

歴史家族再生

遊動亭円木

1999年 短編連作

短編連作集。複数の短編を通じて共通の人物や主題が繰り返される作品群。

人間関係記憶日常の機微

枯葉の中の青い炎

2005年 短編小説

旧プロ野球チームに所属した選手たちを題材にした短編を含む作品集。野球や故郷をめぐる物語が収録される。

野球郷愁人間ドラマ

花はさくら木

2006年 長編小説

大佛次郎賞受賞作。家族の歴史や世代を横断する物語を描いた長編。

家族世代歴史

許されざる者

2009年 長編小説

社会の闇や贖罪をテーマにした長編。毎日芸術賞を受賞した作品。

贖罪社会問題道徳

闇の奥

2010年 長編小説

内面的な闇や人間の葛藤を描く長編。芸術選奨(文部科学大臣賞)受賞作。

内面葛藤倫理

冬の旅

2013年 長編小説

旅と回想を主題にした長編で、伊藤整文学賞を受賞した作品。

回想孤独

全著作

  • 犬かけて(デビュー作、1985)
  • 村の名前(1990)
  • 百合の心(1990)
  • 森林書(1994)
  • 翔べ麒麟(1998)
  • 遊動亭円木(1999)
  • 発熱(2001)
  • 約束よ(2002)
  • ジャスミン(2004)
  • 枯葉の中の青い炎(2005)
  • 花はさくら木(2006)
  • 夢からの手紙(2006)
  • 円朝芝居噺 夫婦幽霊(2007)
  • 許されざる者(2009)
  • 闇の奥(2010)
  • 韃靼の馬(2011)
  • 冬の旅(2013)
  • 寂しい丘で狩りをする(2014)
  • Yの木(2015)
  • 籠の鸚鵡(2016)
  • 卍どもえ(2020)
  • 隠し女小春(2022)
  • 陥穽 陸奥宗光の青春(2024)

作風・主題

文体
叙述的で丹念な描写歴史的・地域的背景の活用心理描写に重きを置く文体
頻出モチーフ
故郷・郷愁家族の業野球(地方史との結びつき)

評価・遺産

辻原登は戦後日本文学の重要な作家の一人として評価され、芥川賞をはじめ多数の文学賞を受賞。大学教員や文学館館長として後進の育成・地域文学の保存・普及にも貢献している。

記念館・博物館

  • 神奈川近代文学館 神奈川県横浜市

関連学会

  • 日本芸術院

資料所蔵先

  • 神奈川近代文学館所蔵資料(関連資料)

豆知識

  • 筆名の「辻原登」は本名の村上博ではなく、父の選挙区でライバルだった辻原弘市の姓を借りている。
  • デビュー作は中編「犬かけて」(1985)。
  • 元は貿易会社・電算機会社に勤務しており、1992年に会社を退職して執筆に専念した。
  • 東海大学で教鞭をとり、のちに神奈川近代文学館の館長・理事長を務める。