文藝賞
ぶんげいしょう
河出書房新社が主催する文学賞。
- 創設年
- 1962
- 主催
- 河出書房新社
- カテゴリー
- 純文学
- 選考方式
- 公募
- 受賞対象
- 新人
- 開催頻度
- 年1回
- 締切時期
- 3月頃
- 発表時期
- 11〜12月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
文藝賞は、1962年に創設され、河出書房新社が主催する年1回の公募文学賞。受賞者には正賞として記念品、副賞として50万円が授与され、受賞作は文学雑誌『文藝』に掲載されるほか、単行本として刊行される。締め切りは毎年3月末日で、未発表の中編から長編の小説作品を対象とし、新人の登竜門とされている。
賞品
- 主賞品
- 正賞として記念品、副賞として50万円が授与される。
- 賞金
- 500,000円
- 受賞作は『文藝』に掲載される
- 受賞作は単行本として刊行される
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 最終選考 | 選考委員の合議 | — | — |
関連の賞
- 文學界新人賞
- 群像新人文学賞
- 新潮新人賞
- すばる文学賞
- 太宰治賞
公式情報
https://www.kawade.co.jp/np/bungei.html過去の受賞者
宅配所で箱を仕分ける作業員・安が、ある箱の中身を覗き見たことから、次々と箱が消えていく。顔なき労働者たちの倦怠と衝動を描くベルトコンベア・サスペンス。「私」であることを求められない労働の中でいかに「私」を保つかを問い、時代の息苦しさを暴き出すデビュー作。
テープを引き剝がし、蓋を開けて、覗き込みたい——その衝動が、静かに、確実に世界を歪めていく。
十年ぶりに帰郷した「わたし」が墓地へ向かう途中、死んだはずの幼馴染・キイちゃんの声を聞く。行方不明の母、謎めいた父、荒れた祖母——不確かな記憶が流れ込み、平凡な田舎が呪われた異界へと変貌していく。誰が存在し、語り手の性別すらも明示されない曖昧さの中で、パラノイアックな視点を高い文章技術で描ききった衝撃のデビュー作。
誰が存在し、誰が消えたのか——確かなことは何ひとつない。
北九州の片田舎。右手の小指と薬指の半分を失った中学生・界は、学校へ行かず不良グループとたむろする中で、地元の男・橘さんに心酔する。東京のラッパーとトラブルを起こした橘さんのため、夜行バスでひとり東京へ向かう少年の切実な暴走劇。選考委員全員満場一致で受賞した第60回文藝賞の受賞作。
行き場のない熱を抱えた少年の、切実なる暴走劇。
数日前のことも憶えておらず、生まれてから部屋を出たことのない怜王鳴門が、ある日「パパ上」のノートパソコンに届いた「きみの物語」を読み始める。驚異の記憶力でクイズに耽溺した過去の自分、クイズチームの「サッちゃん」と「パパ」、言語を獲得した血統犬「ベリアル」——複数の世界線が現実と物語の境界を突破する、究極のマルチバース小説。
この世界は破壊すべきである、○か×か?
日当7,500円のバイトに遅刻しないため2,000円のタクシーに乗り、消費者金融アプリとマッチングアプリを交互に眺める25歳・美帆。買い物依存と性依存、貧乏で不仲な両親、ストーカーと化した元同級生——歯車がある死をきっかけに加速し、地獄の底へと爆進する。選考委員・町田康が「これは効いた。効きまくった」と絶賛した第60回文藝賞優秀作。
現在を生きるため人生を手放し、地獄の底の絶望と希望へと爆進する。
女たちが「子宮投げ」に興じるまちで暮らす「私」と「時間」、そして私の母をとりまく幻想的な一夜。一行目から最終行まで、一文一文が破格の才能と表現に貫かれた圧巻の短篇。2007年生まれ、当時16歳の西野冬器が第60回文藝賞短篇部門で受賞したデビュー作。
一行目から最終行まで、一文一文が破格の才能と表現に貫かれた圧巻の短篇。
スポーツブランドの社内ジムで働くジャクソンは、QRコード付きのTシャツをきっかけにリベンジポルノの噂へ巻き込まれ、自分そっくりな男たちと出会いながら真相を追う。東京で生きるブラックミックスたちの逆襲劇として、鋭い視線と疾走感で読ませるデビュー作。
QRコードのTシャツが引き金になる、東京のブラックミックスたちの鮮烈な逆襲劇。
絶望をドレスコードに生きる静とナナが、ことば遊びとパンチラインを武器に、生と死の両極を行き来する。高校生たちのモノローグが奔流のように続く、第59回文藝賞受賞作。
絶望をドレスコードにして生きる高校三年生たちのモノローグ。
形だけの家庭と敵意に満ちた教室のなかで、転校生の少年が伝言ダイヤルで知り合った少女サキとのつながりを支えに、孤独と向き合う青春小説。
孤独な毎日に差し込む、たったひとつの通話が少年の世界を変えていく。
不意に受けた暴行の記憶を失った主人公が、目撃者たちの証言に囲まれながら、自分の記憶の空白と向き合うミステリー。
失われた記憶の奥で、だれかが静かに扉を叩いている。
デビュー作として評価された作品。喪失感と記憶のもろさを、日常のなかで静かに掘り下げる。
失われたものの輪郭を、日常の中にたどる。
四国の田舎町でロックに夢中になる高校生たちの青春を描いた長編。音楽への熱気、仲間との友情、初恋の気配が軽快な筆致で走り抜ける。
エレキギターに魅せられた少年たちの夏が、ロックと友情で駆け抜けていく。
新宿二丁目を舞台に、男娼として生きる少年の視点から欲望と自己破壊を描く。生々しい速度感と都市の空気が印象的な受賞作。
欲望と自己破壊が、都市の速度の中で交差する。
高知・四万十川流域を舞台に、貧しくも温かな家族に見守られた内気な少年・篤義の成長を描く。自然と人の暮らしが近い土地の空気のなかで、春から夏へ向かう少年の感情の揺れがやわらかく立ち上がる。
四万十川を舞台に、内気な少年がたくましく成長していく。
1984年の文藝賞受賞作として発表された、渥美饒兒のデビュー小説。
文藝賞受賞作としてデビューした。
平野純の初期作として発表され、のちに書籍化された作品。
平野純の初期作として発表され、のちに書籍化された作品。
寺井澄の初期作として発表された作品で、書籍化は確認できなかった。
寺井澄の初期作として発表された作品で、書籍化は確認できなかった。
文藝賞の当選作として発表された短編で、囚人という言葉が呼び起こす閉塞感や、外へ出たい気持ちの張りつめを静かに描く。抑圧の輪郭が、言葉の温度で少しずつ浮かび上がる作品。
囚われた声が、静かな歌のかたちで残る。
文藝賞の佳作として発表された短編で、ストレイ・シープという題が示すように、行き場のない漂泊感や、群れからはぐれる感覚を描く。静かな不安が、薄い余白として残る作品。
はぐれた羊のような不安が、ゆっくりと広がる。
1980年の東京で、大学に通いながらモデルを続ける由利の日常を通して、豊かさに支えられた若い世代の感覚と、その先にある不透明さを切り取る。消費社会の空気を鋭く映した作品。
豊かな日常の輪郭の内側に、不透明な未来がひそむ。