日本の文学賞

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大学読書人大賞 だいがくどくしょじんたいしょう

第5回(2012年)

文芸

受賞者

6名
伊藤計劃 いとう けいかく 大賞

医療と福祉が徹底管理された未来社会を舞台に、人間の身体と意識、自由意志のありかを問うディストピアSF。三人の少女の過去と、成熟した管理社会で起きる異変が交差し、健康と幸福の名のもとに失われるものを描く。

健康と幸福が管理される世界で、意識と自由の境界が揺らぎはじめる。

384ページ
ディストピア生命管理自由意志意識SF
古川日出男 ふるかわ ひでお 2位

東日本大震災後、福島県浜通りへ向かう作家の旅と思考を、小説の言葉へと変換した作品。被災地の現実、不可視の放射線、傷ついた馬たち、そして既存作品の人物が交錯し、祈りと想像力の可能性を探る。

福島へ向かう作家の旅が、現実と小説をつなぐ祈りの言葉になる。

132ページ
震災福島祈り小説の力
桜庭一樹 さくらば かずき 2位

名門女子校の片隅に存在する読書クラブを舞台に、少女たちの百年にわたる秘密と反骨の歴史を描く連作小説。読書、演劇、噂、制度への抵抗が重なり、学校という閉じた世界の中にもう一つの文学史が立ち上がる。

秘密の読書クラブが、少女たちの百年の反骨史を語り出す。

257ページ
読書女子校秘密結社少女歴史
有川浩 ありかわ ひろ 4位

メディア良化法によって本の自由が脅かされる近未来を舞台に、図書隊員となった笠原郁の成長と戦いを描くシリーズ第一作。検閲に対抗する図書館、厳しい訓練、恋愛要素を含む人間関係が、エンターテインメントとして力強く結びつく。

本を守るために戦う図書隊で、笠原郁は憧れと現実に向き合う。

404ページ
検閲図書館自由成長ラブコメ
古野まほろ ふるの まほろ 5位

吹奏楽部に所属する高校生たちの青春、幻想、SF 的仕掛け、本格ミステリを過剰な文体で融合させた長編。コンクールへ向けた日々の中で起きる斬首事件を発端に、学園世界の論理が大きく揺らいでいく。

青春、幻想、SF、本格推理が、学園の斬首事件を中心に過剰に渦巻く。

765ページ
本格ミステリ学園吹奏楽幻想SF
三上延 みかみ えん 6位

鎌倉の古書店を舞台に、極度の人見知りだが古書の知識に優れた店主・篠川栞子が、本にまつわる秘密を読み解くビブリオミステリ。古書そのものの履歴と、持ち主たちの感情が事件の謎を形づくる。

古い本に残された痕跡から、人の秘密と心の傷が読み解かれる。

322ページ
古書ミステリ鎌倉記憶人間関係