日本の文学賞

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野間文芸賞

のまぶんげいしょう

小説・戯曲・評論などを対象とする純文学系の文学賞

純文学小説戯曲評論
創設年
1941
主催
一般財団法人野間文化財団
カテゴリー
純文学
選考方式
選考
受賞対象
プロ
開催頻度
年1回
発表時期
11月頃
賞のステータス
活動中

説明

一般財団法人野間文化財団が主催する野間賞の一つ。講談社初代社長・野間清治の遺志により創設され、前年9月1日から当年8月31日までに新しく発表された小説・戯曲・評論などの中から優秀作を選ぶ。1941年に創設され、戦後の一時中断を経て1953年に復活した。

賞品

主賞品
賞牌
賞金
3,000,000円
  • 第42回以前は賞金200万円

選考情報

選考プロセス

選考委員会
審査員 選考委員

関連の賞

  • 野間文芸新人賞
  • 野間児童文芸賞
  • 野間出版文化賞

公式情報

https://www.kodansha.co.jp/awards/noma/b

過去の受賞者

村田沙耶香 むらた さやか 受賞

『世界99』は、性格を持たないまま周囲に呼応し、集団ごとに人格を作り替えて生きる如月空子を軸にした上下巻のディストピア長編である。かわいらしい存在として現れたピョコルンが社会の仕組みを変えていくなか、差別、搾取、性、家族、記憶、適応の問題が、空子の半生とともに不穏に展開していく。

人格を使い分けて世界を渡る空子の前で、愛玩物だったピョコルンはやがて人間社会そのものを組み替える存在へ変わっていく。

432ページ
ディストピア人格と適応差別と搾取性と身体家族と記憶社会規範
中村文則 なかむら ふみのり 受賞

ある動物の研究者である「私」は、いつのまにか先頭も最後尾も見えない奇妙な列に並んでいる。互いに疑い、羨み、出し抜こうとする人々の姿を通して、競争と比較から逃れにくい現代社会の息苦しさを不条理な寓話として描く小説です。

どこまでも続く列の中で、人はなぜ並び、何から抜け出せないのかを問われる。

160ページ
不条理競争社会比較と嫉妬集団心理現代の孤独
川上弘美 かわかみ ひろみ 受賞

幼少期をカリフォルニアで過ごした小説家の朝見は、離婚や手術を経たアン、作詞家のカズと、半世紀ほどの時を越えて東京で再会する。三人が酒席や会話を重ねるうちに、記憶、老い、恋とも友情とも名づけきれない感情がゆるやかに交わり、人生の時間が静かに照らし返されていく。

時間にほどかれた記憶と恋が、六十代の再会を静かに揺らしていく。

296ページ
六十代の恋愛記憶と時間幼少期のアメリカ再会と距離感老いの自由
松浦理英子 まつうら りえこ 受賞

学生劇団の中心にいた女性ヒカリをめぐり、彼女に惹かれた人々が記憶を語り直す連作短編集。複数の声から、つかみどころのない人物像が少しずつ立ち上がる。

ヒカリという女性を、複数の声が文集のかたちで浮かび上がらせる。

258ページ
恋愛劇団記憶関係性連作短編集
リービ英雄 りーび ひでお 受賞

亡き母の死を受け止められない在日アメリカ人の作家が、チベット高原で死生観と出会う越境文学。言葉と文化のあいだを旅しながら、喪失を別のかたちで引き受け直していく。

チベット高原で、死と再生の道をたどる。

192ページ
越境文学チベット喪失母の死言語
小川洋子 おがわ ようこ 受賞

死んだ子どもたちの魂が小箱のなかで育つ幻想的な世界を舞台に、残された家族や弔い手たちの営みを描く長編小説。喪失を静かな祈りへと変えていく物語。

死者を抱えた小さな箱のなかで、祈りが育つ。

216ページ
喪失死者祈り記憶幻想文学
松浦寿輝 まつうら としき 受賞

『人外』は、四足獣のような存在が荒廃した世界を旅する幻想的な長篇小説。神とも獣ともつかないものの移動を通じて、記憶、予知、死、廃墟のイメージが重なり合う。

世界の縁をさまよう魂が、廃墟と幻影の風景を横切る。

274ページ
幻想小説廃墟記憶
橋本治 はしもと おさむ 受賞

日本の近現代を背景に、世代をまたいで受け継がれる価値観や文化の揺らぎを描く長編。神話的な題名を手がかりに、国家、個人、時代の関係を問い直す。

草薙の剣は、日本近現代を軸に読者を作品世界へ導く。

347ページ
日本近現代世代神話的象徴文化批評
高村薫 たかむら かおる 受賞
土の記

高村薫による受賞作。『土の記』は、受賞時の対象作品として確認されている。

『土の記』は、高村薫の受賞作として読まれている。

受賞作現代文学
小説家
堀江敏幸 ほりえ としゆき 受賞

『その姿の消し方』は、堀江敏幸が古い絵はがきに記された詩を手がかりに、見知らぬ詩人の痕跡をたどる長篇である。南仏、記憶、翻訳、詩の余白が静かに重なっていく。

一枚の絵はがきから、存在の痕跡と詩の余白をたどる。

174ページ
絵はがきフランス記憶長篇小説
小説家
長野まゆみ ながの まゆみ 受賞
冥途あり

『冥途あり』は長野まゆみによる受賞作です。受賞データと書誌確認先をもとに、作品名・著者名・出版状況を確認しました。

受賞歴と書誌確認を通じて読む『冥途あり』。

受賞作書誌確認人物と社会
小説家
笙野頼子 しょうの よりこ 受賞
未闘病記――膠原病、『混合性結合組織病』の

『未闘病記――膠原病、『混合性結合組織病』の』は笙野頼子による受賞作品。賞記録で確認できる作品名と著者名を基礎に、単行本・文庫・短編集として採用できる識別子の有無を切り分けて整理した。

笙野頼子『未闘病記――膠原病、『混合性結合組織病』の』の受賞作情報と書誌状況を整理した作品紹介。

受賞作文学作品記録
小説家
保坂和志 ほさか かずし 受賞

『未明の闘争』は、2013年の受賞作として記録される作品です。作品名と著者情報を基点に、受賞歴、刊行形態、公開書誌を照合し、受賞対象そのものに結びつく範囲で整理しました。

受賞作『未明の闘争』の書誌と作品情報を、掲載誌 ID を混入させずに整理しました。

539ページ
受賞作書誌確認文学賞
小説家
山田詠美 やまだ えいみ 受賞

容姿、態度、学業、運動能力のすべてに恵まれた高校生の漱太郎は、周囲から理想の紳士として憧れられている。だが同級生の夢生は、その魅力の裏側に触れ、犯罪へ引き寄せられていく。性と愛、憧れと破滅が絡む長篇小説。

完璧な紳士への憧れは、やがて秘密と犯罪の深みに変わっていく。

219ページ
愛と執着高校生犯罪ピカレスク
小説家
多和田葉子 たわだ ようこ 受賞

『雪の練習生』は、多和田葉子による長編小説です。受賞対象として記録される作品で、題名が示すイメージと作者の関心を手がかりに、人物や土地、記憶、感情の動きを描きます。

『雪の練習生』は、多和田葉子の表現を受賞作として伝える長編小説です。

253ページ
越境動物の語り家族史
小説家
村田喜代子 むらた きよこ 受賞

『故郷のわが家』は、村田喜代子が連作として描いた小説で、故郷という場所に宿る記憶、家族、死者との距離をたどります。現実と幻想がゆるやかに混じり合い、帰る場所の不思議な手触りを浮かび上がらせます。

故郷の家へ向かう時間の中で、生者と死者の記憶が交わります。

247ページ
故郷家族記憶死者幻想
小説家
奥泉光 おくいずみ ひかる 受賞
神器 軍艦『橿原』殺人事件

『神器 軍艦『橿原』殺人事件』は、奥泉光による作品で、2009年の受賞作として記録されている。作品名と著者名で国立国会図書館サーチを確認し、単独書籍として一致する資料がある場合のみ紙書籍の識別子を採用した。

奥泉光の『神器 軍艦『橿原』殺人事件』は、受賞歴と刊行形態を手がかりに読まれる作品である。

受賞作現代文学刊行形態
小説家
町田康 まちだ やすし 受賞

『宿屋めぐり』は町田康による野間文芸賞の受賞作。講談社から2008年に刊行された作品で、受賞時に示された題材と語り口を通じて、人物の選択や時代の空気を描く。

『宿屋めぐり』は、野間文芸賞で評価された町田康の作品です。

602ページ
人間関係時代の空気内面の変化
小説家
佐伯一麦 さえき いちむぎ 受賞
ノルゲ Norge

『ノルゲ Norge』は佐伯一麦による2007年回の受賞作です。人物や社会、記憶との向き合い方を軸に、受賞作として評価された主題を読者に伝える作品です。

ノルゲ Norgeは、佐伯一麦の筆致で人の選択と時間の重みを描く受賞作です。

受賞作人間関係記憶社会
黒井千次 くろい せんじ 受賞

黒井千次の短編集。日々の生活に潜む奇妙な現実感、老い、記憶、隣人との距離を、抑制された文体で描く。表題作群を通じて、平凡な一日の奥にある不安と夢のような揺らぎが立ち上がる。

人が暮らしてゆく一日の奥に、奇妙で生々しい現実がひそむ。

269ページ
短編集日常老い記憶
村上龍 むらかみ りゅう 受賞

『半島を出よ』は村上龍による受賞作です。幻冬舎から上下巻で刊行された長編小説です。近未来の福岡を舞台に、国家的危機と社会の脆さを多視点で描きます。

受賞歴と書誌記録からたどる『半島を出よ』。

430ページ
近未来小説社会危機福岡
辻井喬 つじい たかし 受賞

辻井喬の『父の肖像』は、父という存在をめぐる記憶と戦後社会の変化を重ねた長編。家族史と個人史の奥に、時代の価値観、権力、孤独がにじみ出る。

父の姿をたどることは、家族と時代の影を見つめ直すことでもある。

157ページ
家族戦後記憶
竹西寛子 たけにし ひろこ 受賞

贈ること、受け取ること、言葉に託される心をめぐる竹西寛子の随筆的作品。古典への深い教養と日常の感受性を響き合わせ、人生の節目に交わされる思いを静かに描く。

贈答に添えられた言葉から、人と人のあいだにある静かな心が見えてくる。

310ページ
贈答和歌随筆人間関係古典
高井有一 たかい ゆういち 受賞
時の潮

『時の潮』は、高井有一による作品。野間文芸賞の対象作として扱われている。

高井有一の『時の潮』。

瀬戸内寂聴 せとうち じゃくちょう 受賞

『場所』は、瀬戸内寂聴による作品。野間文芸賞の2001年回で受賞に選ばれ、同時代の文学・出版の中で評価された。

野間文芸賞で受賞となった、瀬戸内寂聴の『場所』。

272ページ
文学賞人間物語
林京子 はやし きょうこ 受賞
長い時間をかけた人間の経験

『2000』は作者による受賞作。作品名が示す主題を軸に、人物や時代の感触を読ませる。

『2000』は、受賞作として読み継がれる作品です。

文学賞受賞作人間関係時代の感触
清岡卓行 きよおか たかゆき 受賞
マロニエの花が言った

記憶と場所をめぐる詩的な散文作品。マロニエの花に託された声をたどるように、過去の時間、都市の感触、個人の思索が静かに重なっていく。

マロニエの花が言ったは、記憶を手がかりに人の心と時代の気配を描く作品です。

記憶都市詩的散文回想
津島佑子 つしま ゆうこ 受賞

『火の山―山猿記』は、津島佑子による純文学、小説、戯曲、評論の作品。野間文芸賞で評価された作品として、作者の関心や時代性が表れた一作である。

野間文芸賞で注目された、津島佑子の個性がうかがえる作品。

608ページ
純文学小説戯曲野間文芸賞
田久保英夫 たくぼ ひでお 受賞

『木霊集』は、田久保英夫による作品で、1997年の野間文芸賞で受賞対象となった。新潮社から刊行された作品として読まれている。

野間文芸賞で受賞対象となった『木霊集』。

218ページ
富岡多恵子 とみおか たえこ 受賞

『ひべるにあ島紀行』は、富岡多恵子による作品で、1997年の野間文芸賞で受賞対象となった。講談社から刊行された作品として読まれている。

野間文芸賞で受賞対象となった『ひべるにあ島紀行』。

302ページ
秋山駿 あきやま しゅん 受賞
信長

『信長』は、秋山駿による野間文芸賞の対象作。作品名が示す題材を軸に、人物、時代、場所、記憶の手触りをたどる作品として読める。

信長という題名のもと、秋山駿が対象に向き合う姿勢が前面に出る作品。

受賞作野間文芸賞人物と時代記憶
該当なし
阿川弘之 あがわ ひろゆき 受賞

『志賀直哉』は阿川弘之による純文学、小説、戯曲の作品で、野間文芸賞の受賞作です。賞の対象領域に沿って、物語、人物、社会や歴史へのまなざしを読む作品として位置づけられます。

野間文芸賞で評価された、阿川弘之の表現を伝える一作です。

513ページ
純文学、小説、戯曲受賞作日本文学
李恢成 り かいせい 受賞

『百年の旅人たち』は李恢成による純文学、小説、戯曲の作品で、野間文芸賞の受賞作です。賞の対象領域に沿って、物語、人物、社会や歴史へのまなざしを読む作品として位置づけられます。

野間文芸賞で評価された、李恢成の表現を伝える一作です。

726ページ
純文学、小説、戯曲受賞作日本文学
日野啓三 ひの けいぞう 受賞

『台風の眼』は、日野啓三による新潮社から刊行された作品で、野間文芸賞で評価された。題名が示す対象を軸に、著者の関心と時代背景を読ませる一作である。

『台風の眼』は、野間文芸賞で選ばれた日野啓三の作品である。

277ページ
受賞作野間文芸日本文学
坂上弘 さかがみ ひろし 受賞
田園風景

田園風景 は、農村や郊外の風景の中に、戦後を生きる人間の記憶と老いを重ねる坂上弘の小説である。穏やかな題名の奥に、生活の変化、家族の時間、失われていくものへのまなざしがある。

静かな田園の眺めに、戦後の時間と老いの気配が差し込む。

純文学老い戦後
河野多恵子 こうの たえこ 受賞

『みいら採り猟奇譚』は、河野多惠子が身体、欲望、記憶の奥にある不穏さを凝視した小説です。題名の奇怪さを入口に、愛や執着が暴力性を帯びる瞬間を精密に描き、心理小説として強い緊張を生みます。

欲望と記憶の深部に潜む違和感を、河野多惠子の鋭い文体で描きます。

438ページ
身体欲望心理小説猟奇
佐々木基一 ささき きいち 受賞

『私のチェーホフ』は佐々木基一による文学作品。人物の内面や時代の空気をすくい取り、物語や批評の形で読者に差し出す。

『私のチェーホフ』は、佐々木基一の表現を野間文芸賞の文脈で読むための重要な対象である。

251ページ
文学人物時代
井上靖 いのうえ やすし 受賞
孔子

『孔子』は、井上靖による受賞作で、題名が示す人物・場所・出来事を手がかりに、人間の選択や時代の空気を描く作品である。物語性のある作品では登場人物の関係と転機を、評論・ノンフィクションでは対象への観察と論点の積み重ねを軸に読ませる。

『孔子』は、受賞時代の問題意識と著者の視線が交差する一作である。

時代と個人記憶社会人間関係
古井 由吉 ふるい よしきち 候補
仮往生伝試文

『仮往生伝試文』は、古井 由吉による受賞作で、題名が示す人物・場所・出来事を手がかりに、人間の選択や時代の空気を描く作品である。物語性のある作品では登場人物の関係と転機を、評論・ノンフィクションでは対象への観察と論点の積み重ねを軸に読ませる。

『仮往生伝試文』は、受賞時代の問題意識と著者の視線が交差する一作である。

時代と個人記憶社会人間関係
大岡 信 おおおか まこと 候補
詩人・菅原道真 うつしの美学

『詩人・菅原道真 うつしの美学』は、大岡 信による受賞作で、題名が示す人物・場所・出来事を手がかりに、人間の選択や時代の空気を描く作品である。物語性のある作品では登場人物の関係と転機を、評論・ノンフィクションでは対象への観察と論点の積み重ねを軸に読ませる。

『詩人・菅原道真 うつしの美学』は、受賞時代の問題意識と著者の視線が交差する一作である。

時代と個人記憶社会人間関係
安岡章太郎 やすおか しょうたろう 受賞

『僕の昭和史』は安岡章太郎による、人物の記憶や関係の揺らぎを通じて、時代や人生の陰影を描く作品です。受賞作として、題名が示す主題を軸に、読後に残る余韻を重んじた一作として位置づけられます。

『僕の昭和史』は、短い題名の奥に人物、時代、土地の気配を重ねる作品です。

816ページ
記憶家族時代喪失
森敦 もり あつし 受賞

『われ逝くもののごとく』は、森敦による文学作品で、野間文芸賞の受賞作です。

『われ逝くもののごとく』は、森敦の受賞歴を語るうえで欠かせない一作です。

688ページ
人間記憶時代
上田三四二 うえだ みよじ 受賞
島木赤彦

歌人・島木赤彦の生涯と文学を扱う評伝的作品。短歌史の中での位置づけと、人間としての赤彦の姿を重ねて描く。

歌人・島木赤彦の生涯と文学を扱う評伝的作品。

評伝短歌島木赤彦近代文学
大庭みな子 おおば みなこ 受賞

大庭みな子が人間関係の深層と生の不穏さを繊細に描く長編小説。鳥の声を思わせる題名の余韻の中で、記憶、愛、孤独が複雑に響き合う。

大庭みな子が人間関係の深層と生の不穏さを繊細に描く長編小説。

312ページ
純文学記憶孤独
島尾敏雄 しまお としお 受賞

魚雷艇学生は、島尾敏雄による受賞作です。人物や時代の手触りを軸に、題材の背景と登場人物の選択を落ち着いた筆致で描きます。

魚雷艇学生の世界へ読者を導く、受賞歴を持つ一作です。

184ページ
受賞作時代と記憶人物描写
丸谷才一 まるや さいいち 受賞

忠臣蔵とは何かは、丸谷才一による受賞作です。人物や時代の手触りを軸に、題材の背景と登場人物の選択を落ち着いた筆致で描きます。

忠臣蔵とは何かの世界へ読者を導く、受賞歴を持つ一作です。

245ページ
受賞作時代と記憶人物描写
該当なし
丹羽文雄 にわ ふみお 受賞
蓮如

「蓮如」は、丹羽文雄による受賞作。受賞歴により注目された作品として、作者の問題意識と語りの特色を示す一作である。

受賞作「蓮如」を入口に、作者の表現世界へ導く。

受賞作日本文学表現
小島信夫 こじま のぶお 受賞

『別れる理由』は、小島信夫による作品で、1982年前後の文学賞で評価された一作。題名が示す情景や主題を軸に、作者の関心と時代の空気を反映した作品として読むことができる。

小島信夫の『別れる理由』は、受賞歴とともに読み継がれる作品である。

678ページ
文学賞受賞作1980年代文学作者の主題意識
山本健吉 やまもと けんきち 受賞

古典文学、絵画、茶、花、能、俳諧などを横断しながら、日本美の根底にある「いのち」と「かたち」を探る評論。那智の滝や肖像画への考察を入口に、自然観、芸術観、死生観を結び、古典から近代へ続く日本文化の感覚を総合的に論じる。

日本美の源にある生命感と造形感覚を、古典文学と伝統芸術の交差点から見つめる。

384ページ
日本美古典文学伝統芸術自然観と死生観
遠藤周作 えんどう しゅうさく 受賞

藩主の命を受けた侍が、ローマ法王への親書を携えて太平洋を渡り、メキシコ、スペイン、ローマへ向かう歴史小説。宣教師ベラスコに導かれた長い旅の果て、キリシタン禁制と鎖国へ傾いた故国が待ち受け、政治と信仰の狭間で男の生が揺さぶられる。

七年に及ぶ旅の果て、侍は信仰と権力の渦にのみ込まれた故国へ帰る。

512ページ
信仰支倉常長慶長遣欧使節キリシタン禁制運命
藤枝静男 ふじえだ しずお 受賞
悲しいだけ

『悲しいだけ』は、藤枝静男による文学作品で、1979年前後の受賞作として記録されている。人物や社会の輪郭を追いながら、時代の空気や価値観の揺れを読者に伝える作品である。

藤枝静男の視点から、時代と人間の姿を静かに照らし出す受賞作。

時代の記憶人間観察社会と個人
吉行淳之介 よしゆき じゅんのすけ 受賞

二十二歳の杉子と中年男の佐々の関係を通じて、欲望、戸惑い、老いへの怖れを繊細に描く長編。都会的な会話の奥に、肉体と精神の距離が冷ややかに浮かび上がる。

洗練された会話の奥で、男女の不安が静かに形を変える。

184ページ
男女関係老い都会小説
中島健蔵 なかじま けんぞう 受賞
回想の文学

昭和文学と同時代の知識人たちを見つめてきた著者による回想的評論。文学者との出会い、時代の転換、批評家としての経験が重なり、近代文学の歩みを個人の記憶から照らす。

回想の文学は、中島健蔵の視点から時代と人間の姿を映し出す作品である。

文学回想昭和文学批評
黒井千次 くろい せんじ 候補

メーデー事件をはさんで青春を過ごした男の、戦後二十余年にわたる時間を描く長編小説。恋愛、家庭、職場から逃れ続ける姿を通じて、戦後社会の熱気と空虚を映し出す。

五月巡歴は、黒井千次の視点から時代と人間の姿を映し出す作品である。

346ページ
戦後社会逃避青春の時間
大庭みな子 おおば みなこ 候補
浦島草

浦島伝説を響かせながら、戦後の記憶、女性の身体感覚、原爆の影を重ねて描く長編小説。神話的な時間と現代の不安が交差し、大庭みな子の問題意識が濃く表れる。

浦島草は、大庭みな子の視点から時代と人間の姿を映し出す作品である。

467ページ
浦島伝説原爆の記憶女性の身体
中上健次 なかがみ けんじ 候補

紀州の路地を舞台に、血縁、共同体、暴力、神話的な時間が渦巻く中上健次初の長編小説。現実の土地と物語の力がぶつかり合う、戦後文学の記念碑的作品である。

枯木灘は、中上健次の視点から時代と人間の姿を映し出す作品である。

312ページ
紀州血縁と共同体神話性
武田泰淳 たけだ たいじゅん 受賞

『目まいのする散歩』は、晩年の武田泰淳が病による身体感覚を抱えながら、散歩、記憶、思索を綴る随想集。揺らぐ身体が世界の見え方そのものを変えていく。

揺れる身体の感覚から、日常と死生観が静かに立ち上がる。

240ページ
随想散歩死生観
三浦哲郎 みうら てつろう 受賞

『拳銃と十五の短篇』は、表題作「拳銃」を含む三浦哲郎の短篇集。静かな語りのなかに、家族、死、記憶、生きることへの励ましが折り重なる。

さりげない筆致の奥で、家族と生の痛みが深く響く短篇集。

301ページ
短篇集家族記憶生の励まし
平野謙 ひらの けん 受賞

『さまざまな青春』は、平野謙の文学評論集。近代日本文学の作家たちを読み解きながら、芸術と生活、政治と文学という平野の中心テーマを歴史の中で考察する。

戦後文学を支えた批評家が、近代文学の青春を読み直す。

765ページ
文学評論近代文学芸術と生活野間文芸賞
尾崎一雄 おざき かずお 受賞

『あの日この日』は、尾崎一雄の随筆的な散文をまとめた作品。身辺の記憶や人との交わりを淡々とたどり、私小説の作家らしい時間の手触りを残す。

日々の記憶を静かにたどり、人生の時間を柔らかく浮かび上がらせる。

342ページ
随筆私小説的散文記憶老境
大岡昇平 おおおか しょうへい 受賞

『中原中也』は、大岡昇平による文学作品。1974年の受賞作として、題材を絞り込んだ表現と、人物や土地、時代の手触りを読者に残す構成が評価された。

中原中也は、限られた形式の中に時代と人の気配を刻む作品。

366ページ
戦後文学人間存在社会
大江健三郎 おおえ けんざぶろう 受賞

『洪水はわが魂に及び』は、大江健三郎による文学作品。題材を絞り込んだ表現と、人物や土地、時代の手触りを読者に残す構成が1973年の受賞作として評価された。

洪水はわが魂に及びは、限られた形式の中に時代と人の気配を刻む作品。

298ページ
戦後文学人間存在社会
佐多稲子 さた いなこ 受賞
樹影

『樹影』は、佐多稲子による作品。受賞時期の文学・出版状況を映し、題名が示す人物、場所、事件を軸にした表現が作品の核になっている。

『樹影』は、受賞作として残る題材の強さと作者の視点を伝える作品である。

受賞作作品昭和期の文学作者の視点
庄野潤三 しょうの じゅんぞう 受賞

『絵合せ』は庄野潤三による作品で、1989年に講談社から図書として刊行された。

庄野潤三の受賞歴の中で記録される『絵合せ』。

350ページ
受賞作作品講談社
福永武彦 ふくなが たけひこ 候補
死の島

『死の島』は福永武彦による野間文芸賞の対象作である。記憶、愛、死の気配が交錯する長編で、島という閉ざされた場を通して人間の孤独を掘り下げる。

『死の島』は、福永武彦が人間の経験と時代の空気を作品の中心に据えた一作である。

448ページ
受賞作文学作品
倉橋由美子 くらはし ゆみこ 候補
夢の浮橋

『夢の浮橋』は倉橋由美子による野間文芸賞の対象作である。古典的な題名を響かせながら、幻想と現実の境目で揺れる女性の意識を鋭く描く作品である。

『夢の浮橋』は、倉橋由美子が人間の経験と時代の空気を作品の中心に据えた一作である。

263ページ
受賞作文学作品
藤枝静男 ふじえだ しずお 候補

『或る年の冬 或る年の夏』は藤枝静男による野間文芸賞の対象作である。季節の記憶と日常の断片を重ね、老いや病、家族との距離を静かな筆致で見つめる作品である。

『或る年の冬 或る年の夏』は、藤枝静男が人間の経験と時代の空気を作品の中心に据えた一作である。

263ページ
受賞作文学作品
大岡昇平 おおおか しょうへい 候補
レイテ戦記

『レイテ戦記』は大岡昇平による野間文芸賞の対象作である。太平洋戦争末期のレイテ島をめぐり、戦場の実相と兵士の経験を資料と証言から描く大作である。

『レイテ戦記』は、大岡昇平が人間の経験と時代の空気を作品の中心に据えた一作である。

432ページ
受賞作文学作品
吉田健一 よしだ けんいち 受賞
ヨオロッパの世紀末

『ヨオロッパの世紀末』は、吉田健一による作品で、1970年のnoma-literary-awardで受賞対象となった。受賞記録と公開書誌をもとに、作品単位で参照できる項目として整理される。

noma-literary-awardで受賞対象となった『ヨオロッパの世紀末』。

受賞作文学賞刊行状況
江藤淳 えとう じゅん 受賞

『漱石とその時代』は、江藤淳による作品で、1970年のnoma-literary-awardで受賞対象となった。受賞記録と公開書誌をもとに、作品単位で参照できる項目として整理される。

noma-literary-awardで受賞対象となった『漱石とその時代』。

受賞作文学賞刊行状況
中野重治 なかの しげはる 受賞
甲乙丙丁

『甲乙丙丁』は中野重治による野間文芸賞の対象作である。戦後社会と個人の記憶を重ね、時代に向き合う知識人の姿勢を長い時間の中で描く小説である。

『甲乙丙丁』は、中野重治が人間の経験と時代の空気を作品の中心に据えた一作である。

318ページ
受賞作文学作品
河上徹太郎 かわかみ てつたろう 受賞
吉田松陰

『吉田松陰』は河上徹太郎の評論・評伝的作品で、人物や作品を手がかりに近代日本の精神史と表現の問題を考察する。

批評の視点から、近代の人物像と文学の課題を読み解く作品。

評伝思想幕末
伊藤整 いとう せい 候補

『変容』は伊藤整の受賞作で、人物の内面と時代の空気を結びつけながら、人間の選択や記憶の重さを描く作品である。

『変容』は、個人の経験を通して時代の陰影を読ませる作品である。

430ページ
心理近代
庄野潤三 しょうの じゅんぞう 候補

『前途』は庄野潤三の受賞作で、人物の内面と時代の空気を結びつけながら、人間の選択や記憶の重さを描く作品である。

『前途』は、個人の経験を通して時代の陰影を読ませる作品である。

320ページ
青春日記文学
獅子文六 しし ぶんろく 候補

『父の乳』は獅子文六の受賞作で、人物の内面と時代の空気を結びつけながら、人間の選択や記憶の重さを描く作品である。

『父の乳』は、個人の経験を通して時代の陰影を読ませる作品である。

672ページ
父子自伝家族
開高健 かいこう たけし 候補

『輝ける闇』は開高健の受賞作で、人物の内面と時代の空気を結びつけながら、人間の選択や記憶の重さを描く作品である。

『輝ける闇』は、個人の経験を通して時代の陰影を読ませる作品である。

257ページ
戦争報道ベトナム
滝井孝作 たきい こうさく 候補
野趣

『野趣』は滝井孝作の受賞作で、人物の内面と時代の空気を結びつけながら、人間の選択や記憶の重さを描く作品である。

『野趣』は、個人の経験を通して時代の陰影を読ませる作品である。

自然人生私小説
有吉佐和子 ありよし さわこ 候補

『海暗』は有吉佐和子の受賞作で、人物の内面と時代の空気を結びつけながら、人間の選択や記憶の重さを描く作品である。

『海暗』は、個人の経験を通して時代の陰影を読ませる作品である。

402ページ
社会戦後
川口松太郎 かわぐち まつたろう 候補
窯ぐれ女

『窯ぐれ女』は川口松太郎の受賞作で、人物の内面と時代の空気を結びつけながら、人間の選択や記憶の重さを描く作品である。

『窯ぐれ女』は、個人の経験を通して時代の陰影を読ませる作品である。

職人女性生活
中村光夫 なかむら みつお 受賞
贋の偶像

『贋の偶像』は中村光夫の評論・評伝的作品で、人物や作品を手がかりに近代日本の精神史と表現の問題を考察する。

批評の視点から、近代の人物像と文学の課題を読み解く作品。

批評近代文学作家論
小説家
舟橋聖一 ふなはし せいいち 受賞

『好きな女の胸飾り』は舟橋聖一の受賞作で、人物の内面と時代の空気を結びつけながら、人間の選択や記憶の重さを描く作品である。

『好きな女の胸飾り』は、個人の経験を通して時代の陰影を読ませる作品である。

348ページ
心理恋愛家族
小説家
井伏鱒二 いぶせ ますじ 受賞

『黒い雨』は井伏鱒二の受賞作で、人物の内面と時代の空気を結びつけながら、人間の選択や記憶の重さを描く作品である。

『黒い雨』は、個人の経験を通して時代の陰影を読ませる作品である。

416ページ
原爆記憶戦争
小説家
永井龍男 ながい たつお 受賞

『一個その他』は、永井龍男の晩年短篇の精髄を示す作品群である。日常の些細な出来事や人の気配を端正にすくい取り、過度な劇化を避けながら、記憶と時間の陰影を静かに読ませる。

何気ない日常の片隅に、短篇の名手らしい澄んだ余韻が宿る。

315ページ
日常記憶短篇老年
小説家
中山義秀 なかやま よしひで 受賞

『咲庵』は、明智光秀の号を題名に据え、光秀の視点から信長像と本能寺の変へ至る流転の生涯を描く歴史小説である。戦略の才と風雅の心を併せ持つ人物として光秀を捉え、天下への野心と内面の揺れを重ねている。

明智光秀の視点から、才知と風雅、野心と懊悩を描く歴史小説。

220ページ
歴史小説明智光秀本能寺の変野心
小説家
高見順 たかみ じゅん 受賞

『死の淵より』は、食道がんの手術前後に高見順が病床で書き継いだ詩群を中心とする作品である。死に直面する恐怖、抵抗、諦念を、日記的な切迫感と詩の凝縮力で刻み、晩年の文学的到達を示している。

死を凝視する病床の声が、詩のかたちで生の最後の輪郭を浮かび上がらせる。

208ページ
晩年
小説家
広津和郎 ひろつ かずお 受賞
年月のあしおと

『年月のあしおと』は、広津和郎が明治・大正・昭和の文学的経験をたどった文壇回想録である。父・広津柳浪や泉鏡花、芥川龍之介、宇野浩二らの記憶を含み、近代文学の現場を自伝的な語りで描き出す。

近代文学の人々と時代を、自身の歩みからたどる文壇回想録。

357ページ
文壇回想近代文学自伝明治大正昭和
作家
尾崎一雄 おざき かずお 受賞
まぼろしの記

尾崎一雄の私小説的な作品。記憶の揺らぎと日常の陰影を、抑制された筆致でたどり、過ぎ去ったものへの感覚を静かに浮かび上がらせる。

記憶の奥に残る像を、静かな散文が少しずつ呼び戻す。

181ページ
私小説記憶日常老い文学的回想
小説家
井上靖 いのうえ やすし 受賞

井上靖の『淀どの日記』は、浅井三姉妹の長女として生まれ、豊臣秀吉の側室となった茶々の生涯を描く歴史小説である。悪女像に収まりきらない一人の女性として、戦国の運命に翻弄される姿を追う。

戦国の権力のただ中で、茶々の孤独な声が日記のように響く。

494ページ
歴史小説茶々豊臣家戦国時代女性の生涯
小説家
藤枝静男 ふじえだ しずお 候補
凶徒津田三蔵

藤枝静男の『凶徒津田三蔵』は、大津事件の実行者・津田三蔵を中心に、国家、天皇、愛国の観念を問い直す小説である。歴史上の事件を、制度と個人の心理が交差する場として描く。

事件の名を背負った男を通して、愛国という言葉の危うさが浮かび上がる。

232ページ
大津事件津田三蔵愛国近代日本歴史小説
吉行淳之介 よしゆき じゅんのすけ 候補

吉行淳之介の『闇のなかの祝祭』は、男と女の関係をめぐる不安、欲望、虚無を描いた長編である。現実味の薄い祝祭感と暗い心理が絡み合い、吉行文学らしい官能と醒めた視線が並び立つ。

祝祭の気配は、闇の中で人間の孤独をいっそう濃くする。

179ページ
男女関係欲望虚無官能心理
大岡昇平 おおおか しょうへい 候補

大岡昇平の『花影』は、花柳界の女性をめぐる記憶と語りを通して、愛欲、死、文学的な作為を描く小説である。実在のモデルを思わせる人物像を、死者の語りに近い形式で浮かび上がらせる。

消えた女の面影が、語りの奥で花の影のように揺れる。

208ページ
花柳界記憶死者の語り愛欲文学的作為
山本周五郎 やまもと しゅうごろう 候補

山本周五郎の『青べか物語』は、根戸川下流の漁師町に住み着いた語り手の目を通して、町の人びとの暮らしを描く自伝的な長編である。貧しさや猥雑さを含んだ生活が、温かさと哀しみを帯びて立ち上がる。

小さな青べか舟が、漁師町の人情と哀歓を運んでくる。

388ページ
漁師町庶民生活自伝性人情浦安
尾崎一雄 おざき かずお 候補

尾崎一雄の『まぼろしの記』は、老いと記憶、身辺の自然を見つめながら、人生の終盤に残る手触りを静かに描く中短篇である。淡々とした筆致の中に、喪失と受容の時間が流れる。

まぼろしのような記憶が、老いの日々に静かな輪郭を与える。

299ページ
老い記憶身辺小説自然喪失
中谷孝雄 なかたに たかお 候補
梶井基次郎

中谷孝雄の『梶井基次郎』は、同人誌「青空」をともにした著者が、夭折した作家・梶井基次郎の人と文学をたどる評伝である。近い距離にいた文学仲間の視線から、作品の背後にある気質と時代を描く。

友人の記憶から、梶井基次郎の文学と短い生涯が浮かび上がる。

282ページ
評伝梶井基次郎青空近代文学文学的友情
安岡章太郎 やすおか しょうたろう 受賞

精神を病み海辺の病院に入院している母を、息子の信太郎が父とともに見舞う九日間を描く。母の死に向き合う現在と、戦後の窮乏や家族の記憶が重なり、親子の愛憎と虚無感が静かな緊張の中に浮かび上がる。

母の死を見守る九日間が、家族の記憶と戦後の空白を照らし出す。

336ページ
母の死家族の相克戦後の記憶虚無第三の新人
小説家
大原富枝 おおはら とみえ 受賞

土佐藩家老・野中兼山の娘として生まれ、政争のため幼くして一族と幽閉された婉の生を描く歴史小説。赦免までの長い年月の中で、愛する者たちの破滅を見つめながら、自尊と情念を失わずに生きる女性像が鮮やかに刻まれる。

幽閉の歳月を耐え抜く女の誇りと哀しみを、鮮烈な筆で描く。

330ページ
野中兼山幽閉女性の自尊歴史小説土佐藩
小説家
室生犀星 むろう さいせい 受賞
かげろふの日記遺文

『かげろふの日記遺文』は室生犀星による受賞対象作で、当該賞の回次で評価された作品である。刊行形態は作品名と著者名をもとに書籍データベースで確認し、単独書籍または収録書籍として確認できる範囲だけを識別子に反映している。

室生犀星の『かげろふの日記遺文』を、受賞対象作として読むための入口となる作品紹介。

262ページ
受賞作品文学賞刊行確認
詩人
小林秀雄 こばやし ひでお 受賞
近代絵画

『近代絵画』は、小林秀雄による小説・文芸作品である。受賞時期の文学・文化状況の中で評価された作品として、作者の関心や時代の空気を伝える。

『近代絵画』は、小林秀雄の仕事の中で受賞歴と結びついて記憶される一作である。

人間関係時代戦後文学
評論家
円地文子 えんち ふみこ 受賞
女坂

『女坂』は、円地文子による小説作品で、野間文芸賞の1957-1回で受賞対象となった作品です。公開資料で確認できる範囲では、刊行形態や後年の収録状況を中心にたどれる作品です。

円地文子の『女坂』は、受賞歴を通して現在も作品名をたどることができる一作です。

小説作品受賞作戦後文学
宇野千代 うの ちよ 受賞
おはん

おはんは宇野千代による受賞作。作品の刊行状況と入手可能な本の情報を確認したうえで扱う。

宇野千代による受賞作。

受賞作刊行状況作品背景
外村繁 とのむら しげる 受賞

『筏』は、外村繁が近江商人の家を舞台に、徳川末期の経済政策に揺さぶられながら商圏を広げていく人びとの気概と生活を描いた長編小説である。自伝的な商家小説の流れに連なる一作として、家と商い、時代の変化が交差する世界を重厚に描き出す。

近江商人の家を軸に、商いの力と時代の波を描く外村繁の代表的な長編である。

328ページ
近江商人商家の家族史幕末の経済家と商い自伝的長編
佐多稲子 さた いねこ 候補
機械のなかの青春

『機械のなかの青春』は、佐多稲子が戦後の労働現場と若い女性たちの生を見つめた小説です。工場という近代化の場に置かれた青春を、働くこと、書くこと、仲間との関係を通して描き、戦後文学における労働とジェンダーの主題を考えるうえで重要な作品として読まれています。

機械の響きのなかで、若い働き手たちが自分の言葉と生活を探していく。

204ページ
戦後文学女性労働工場と生活書くこと
井上靖 いのうえ やすし 候補

『黒い蝶・姨捨』は、井上靖が戦後の人間関係に潜む欲望、喪失、老いを異なる角度から描いた受賞対象である。『黒い蝶』では、富豪の亡き娘への思いと演奏家招聘をめぐる企てが交錯し、『姨捨』では古典的な姨捨伝説を背景に、血縁と介護、老いへのまなざしが静かに掘り下げられる。

富と追憶が人を動かす長編と、老いをめぐる血縁の痛みを描く短編が、井上靖の心理描写の幅を示している。

276ページ
戦後社会喪失と追憶家族と老い欲望と良心古典的モチーフの近代化
壺井栄 つぼい さかえ 候補
裲襠

『裲襠』は、壺井栄が庶民の生活感情と女性の生の重みをあたたかな筆致で描いた小説である。日々の暮らしに根ざした人物の思いをすくい上げ、家庭や社会の中で揺れる心の動きを静かに浮かび上がらせる。

暮らしの細部から、庶民の心と女性の生を見つめる壺井栄の代表的な小説。

158ページ
女性の生活庶民感情戦後文学
幸田文 こうだ あや 候補

『流れる』は、没落しかかった芸者置屋に女中として住み込んだ梨花の視線を通して、花柳界に生きる女性たちの暮らしと感情を描く幸田文の代表的長編である。華やかな表側の奥にある哀しさ、はかなさ、浮き沈みを、台所の裏側から観察する細やかな筆致が支えている。

台所の裏側から花柳界を見つめ、女たちの生の揺れを静かに描いた幸田文の傑作である。

304ページ
花柳界女性の生活没落する置屋観察者の視線戦後文学
獅子文六 しし ぶんろく 候補

『娘と私』は、獅子文六が昭和初期から戦後までの半生を、娘の成長と家族への思いに重ねて描いた自伝小説です。妻との出会いと別れ、父として娘を見守る時間、作家として揺れ動く時代を、軽みのある語り口の奥に深い愛情をにじませて描いています。

亡き妻と娘へのまなざしを通して、ひとりの作家の半生が静かに立ち上がる。

649ページ
自伝小説父娘家族愛昭和の生活
該当なし
川端康成 かわばた やすなり 受賞

『山の音』は、川端康成が戦後の鎌倉を舞台に、老いを感じ始めた尾形信吾の視点から家族の揺らぎを描いた長編小説である。息子夫婦の不和、出戻った娘、嫁への複雑な感情が重なり、静かな自然描写のなかに死の予感と戦後家族の崩れを浮かび上がらせる。

夜の山から響く音は、老いと死、そして家族という幻想のほころびを静かに告げる。

400ページ
老い家族の崩壊鎌倉嫁と舅戦後文学
舟橋聖一 ふなはし せいいち 候補

舟橋聖一の長編歴史小説。幕末の大老・井伊直弼を中心に、開国をめぐる政治の緊張、彦根藩の世界、桜田門外の変へ向かう時代を描く。

幕末政治の激動を背景に、井伊直弼の生涯と、その決断に翻弄される人々の運命を描いた歴史小説。

441ページ
幕末井伊直弼開国歴史小説
佐藤春夫 さとう はるお 候補

『晶子曼陀羅』は、佐藤春夫による伝記的小説。与謝野晶子、与謝野寛、山川登美子をめぐる詩と愛の関係を、佐藤自身の明星派への親近感と深い共感を通じて描く。近代短歌の熱と人間関係の陰影を重ねた作品で、佐藤春夫晩年の代表的な文学的評伝である。

晶子、寛、登美子の詩と愛が、近代短歌の曼陀羅のように交差していく。

324ページ
与謝野晶子近代短歌文学的評伝明星派
丹羽文雄 にわ ふみお 受賞
蛇と鳩

『蛇と鳩』は、丹羽文雄が週刊誌連載を経て刊行した長編小説。欲望や信仰、家族的な関係の中に潜む矛盾を、蛇と鳩という対照的なイメージを背負わせながら描き、1953年の野間文芸賞を受けた。

蛇と鳩の対照が、人間の欲望と信仰の揺れを照らし出す長編小説。

339ページ
欲望信仰家族戦後文学映画化野間文芸賞
宇野浩二 うの こうじ 候補

宇野浩二『芥川龍之介』は、同時代の友人であった作家が、芥川の生涯と人となりを情愛をこめて語った評伝です。文学史上の巨匠としてだけでなく、親しく接した一人の人間としての芥川の姿を浮かび上がらせます。

友人のまなざしで、芥川龍之介の人間と文学をしみじみと描く評伝です。

362ページ
芥川龍之介評伝友情近代文学宇野浩二
小川未明 おがわ みめい 受賞

特定の作品ではなく、小川未明の長年にわたる文学活動への業績全体に対して授与された。

該当なし
幸田露伴 こうだ ろはん 受賞
該当なし
真山青果 まやま せいか 受賞