日本の文学賞

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女による女のためのR-18文学賞 おんなによるおんなのためのR-18ぶんがくしょう

第21回(2022年)

小説

受賞者

5名
上村裕香 大賞

ヤングケアラーの女子高生・沙智が、家の重さと学校生活のあいだで息苦しさを抱えながら、笑いを手がかりに自分の居場所を探す短編。切実さのなかに、思わず吹き出す軽さがある。

救われるのは、きれいごとではなく、ふいに差し込む笑いかもしれない。

128ページ
ヤングケアラー家族介護高校生笑い救い
古池ねじ 友近賞
いい人じゃない

入社間もない会社員の主人公が、マルチ商法の勧誘に絡む友人と、どこか危うい魅力を持つ男とのあいだで、人間関係のねじれを見つめる短編。誰かを「いい人」と呼ぶ前提が、静かに裏返っていく。

いい人じゃない、と呼ばれる人ほど、案外目が離せない。

人間関係マルチ商法友情恋愛反転
わらいもん

高校生の漫才や家族の事情を通して、笑いと生活の苦さが同居する空気を描く候補作。脱力感の奥に、現実の重さがにじむ。

笑いは軽く見えて、いちばん切実な現実を運んでくる。

笑い漫才家族高校生現実感
村崎夏生 候補
ユスリカ

多様性や距離感を手がかりに、顔の見えにくい時代の人間関係を描いた候補作。設定の面白さが光る一方で、言葉と物語の噛み合わせをめぐる余白も残す。

マスク越しの距離感が、関係の輪郭をあやふやにする。

多様性距離感マスク人間関係現代性
平石蛹 候補
海のふち

子を失った女性と脱獄犯の奇妙な同居を通して、喪失の痛みと救済の手触りを最後まで読ませる短編。細部まで磨かれた構成が、荒唐無稽さを破綻させない。

喪失と同居の奇妙さを、最後まで破綻なく読ませる。

喪失同居救済母性脱獄